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1話 目覚め(シャイン視点)

 起動コマンド確認……

 sleepモード解除……


 システムチェック……

 エラー確認、105箇所……


 自己修復モード起動……

 エラー修復30%完了……


 破損箇所パーツ不足により以降の修復不可。低出力状態での行動可能状態なりました。

これより起動します。


「インシャイン ユーアフリー カルバス!」 

「インシャイン ユーアフリー カルバス!」

「インシャイン ユーアフリー カルバス!」


 薄暗い洞窟と思しきその中、その場所だけが綺麗に整備されている。床にはシーツが引かれており、直に座っても衣服が汚れない様になっていた。机が一つ設置されているのと、引き出しが2つだけの小さなタンスも置かれていた。

 私が目を覚ましたのは、そのシーツの上である。

 私を懸命にゆすっている少年が目に入る。

 彼は一体誰だろう? 

 私はそう考えると共に、データーの検索に入ったが合致するデーターは検出されなかった。


「インシャイン ユーアフリー カルバス!」

「インシャイン ユーアフリー カルバス!」


 彼は未だ、そう言葉を投げかけながら、私をゆすっていた。

 私の記憶されていない言語のようである。現状を把握するためにスキャンの開始を始めた。

 空気中の濃度は窒素80%酸素20%で地球と変わらない結果である。土の成分が地球と異なり、少々鉱物質が多いみたいだが、大きくは違わなかった。

 ここは一体……?

 座標を確認するが、検出されなかった。ただ湿度が高いので熱帯雨林地帯だと思われる。

 月面での戦闘はどうなったのか?

 データーを参照したが、期待したデータは見あたらなかった。

 私はあの爆破で破壊されたのでは無いのか?

 マスターはどこに?

 私が動いたのを察した少年が私を覗き込んだ。


「インシャイン ダンジヨン?」


 一体何を言っているのか。理解不能であった。こちらの言語で話してみる。


「あなたは誰ですか?」


「インシャイン ダンジヨン?」


 やはり解らない少年のスキャンを開始。顔の筋肉の状況から推測する。どうやら心配しているようである。今の私の状況は左腕が欠損している状態で、肘から先が無い。筋肉繊維や回線など露出している状態である。きっとそれを心配しているのであると推測された。

それと同時に…… 虹彩認識完了。マスターの虹彩と100%合致しました。マスターと承認。

 目の前の少年と思しき人はマスターであった。


「マスター! ご命令をお願いします」


 そう言って私は方膝をつき頭を垂れ指示をまった。


「アウアウアウ」


 私の行動に驚いたのか、マスターの動きがおかしいようだ。

 手の平を私の方に向け両手で交差しながら、アウアウ言っている。

 「アウアウアウ」と私にも言えと指示してるのか。

 「アウアウアウ」出来るだけ真似をしながらやってみた……

 マスターは両手で私の肩に手を掛け首を振ってくる。


「インシャイン カタッタンゴ」


 片手しかないので、両手で振れていなかったのが悪かったのか?

 座れと両肩に力を込めているので座ってみる。

 その後、マスターはタンスの上にあるコップに水を注ぎ私に渡してきた。


「インシャイン ミンタミン」


 どうやら水を飲めと言っているようである。

 水など必要が無いのは解っている筈であるが、指示に逆らう事はしないので飲み干した。

 その間、今までの行動と言葉の解析の結果。古代ブルライに近い言語であると判明した。言語解析完了。これよりブルライ言語に変更する


「精霊さん、お水おいしかったですか?」


 マスターはそう語りかけていた。


「マスター、有難うございます。」


「……マスター? 僕の名前はネル・ダブルです。喜んでもらえて僕も嬉しいです」


 そう言って、笑顔を返してくれた。

 私は月面の状況を把握する為に、マスターに問いかけた。


「マスター、月面はどうなったのでしょうか? それとマスターが小さくそして外見も変わっているようですが、それのご説明もお願いしてもいいでしょうか?」


 マスターはじっと私の目をみつめていた、そして……


「月面ってなんですか? それともう一度言います。僕の名前はネル・ダブルです。精霊さんが何を言っているのか解らないので、答えは出せないけど僕の事はネルと呼んでください」


 との返事が返ってきた、私はすかさずマスターのネームをネル・ダブルと変更そして精霊と呼ばれている事について問い合わせてみた。


「ネル様、精霊さんとはどういう意味でしょうか? コードネームシャインを変更しコードネーム精霊さんとすれば良いのでしょうか?」


「え? 精霊さんじゃないの? 腕が無くなっても血も出てないし、余りにも綺麗だったので、てっきり精霊さんだと思っていました」


 どうやら私を精霊と勘違いしていたみたいであるのだが、どうも話が合わない

私の起動プログラムである【Shine You are free】コマンドを解除し、その上 虹彩認識の合致その2点で私の中で認証されていた。


 私は2人のマスターを持つこととなる。

 ネル様との会話を進めながら私は現状認識プログラムを作動させ、今の状態の把握と以前のデーターから有力な情報のスクリーンを掛けてある動画が検出されていた。それはマスターの肉声であった。


「シャインお前は自由だ! もし生きていたなら自由に生きてくれ!」


 その声と共に大きくなる爆音、その意味を理解した私はこれから新しいマスターと共に歩む事を選択した。

 私はネル様へ方膝を付き目を見つめて語った。


「私は精霊では在りませんが、ネル様の力になる者です。どうかネル様と共に私を連れて行って下さい」


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