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背負う決意 光視点

今日はバレンタインデー!


ふふふ、ふふふふふ、ふふふふうふふふふ


…………………………


……フッ


アゲルヒトガイナイ(。-∀-)




ああ、と光はたった今まで清がいたところに触れた。

そこはまだ、温かくて。

独りになってしまった光を、冷たい風から守ってくれる。


そう、清が行ってしまった今、光には"家族"などいないも同然だった。


狂ってしまった、母。

そんな母から逃れるように家から離れていった、父。


昔はまだ幸せな家庭を築いていたのに、いつの間にか変わってしまった関係。


光は、"家族の絆"を信じない。


なぜなら、その絆がどれだけもろく、どれだけ簡単に途切れてしまうのかを知っているから。

そして、一度切れてしまえばもとに戻すのに大変な労力がかかるということを。

光たち四人を辛うじて繋いでいた"絆"は、もう壊れて、跡形もなく消え去っていて。

信じることなど、出来るわけがなくて。


――そうなってしまったのは、なぜ?


いつからだろう。

母が"人"を見なくなったのは。

いつからだろう。

光が清を、拒むようになったのは。

……いつから、だろう。


清が、すべての闇を背負おうとし始めたのは


ばっと立ち上がって、軽く瞠目する。

そういえば、突然光が誉められ始めたとき、母の目はもう光にしか向いてなかった。

光にとっては、それが清を越えたようで嬉しかったけど。

光がなにも知らず喜んだとき、兄はどんな苦痛を味わっていたのだろう?

いつも、穏やかな笑みを浮かべていた清。

その笑顔の下で、どんなことを考えていたのだろう?

唇を強く噛む。


頭の中に浮かぶのは、清の笑っている顔。


……ニィは、悪くなんてない。

悪いのは、全部光や母なのだから。

重い枷を引きずって歩かなければならないのは、本当は清じゃなくて光の方なのに。

自分から黒くなる必要なんて、どこにもない。

そのことを清に伝えても、ただにこにこと笑うだけだと思うけれど。


だから光は、決心した。


もし、清がこれ以上己を捨てることを望むならば。



――俺が、ニィの荷物を奪ってやる



口元がひとりでに歪み、曲線を描く。


犠牲に、なる。


それがどういうことになるのか、どれほどの苦を伴うのか、光には分からない。


それでも、清に近づけることが、清を助けるということが、ただ純粋に嬉しかったのだ。


かつて、そして今も、憧れている兄に。









失われたものと、新しくできたもの。


絆。


親しく交わっている人同士の間に生じる絶ち難い一体感。


光はまだ、知らない。

一度無くなったものが様々な困難を越えて再び甦ったとき、それがどれほどの強さを秘めているのかを。




まったくもー


定番を叫びたくなってしまったではないかー



リア充爆発しろ★



(⌒‐⌒)

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