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神天族の生態

シリアスにしたかった。

して、落ち着かせたかった。

でも……書けなかったんだよ!

何なんだこの弾けてる感じ!!

しんみりじゃなくてもうビョンビョンじゃねーか!!


…以上心の叫びでした(T-T)



その時だった。


何処からともなく現れた一つの気配に、清の体は音もなく抱き止められて。

不思議に思って目を開ければ、同じ木の上にいたはずの緑の顔が見えた。

不安になってよくよく見ても、それは紛れもなく緑で。

疑問に思う。


「え…どうして――」


清を、助けたのか。


柔らかな微笑を浮かべたままの緑は、穴から抜け出て地面の安全なところに清を降ろしながら、口を開いた。


「あなたは、天の神の一族なのですよ?成り立てと言えど、その体は覚醒したときから不老不死。穴に落ちて岩に頭から激突しても、ただ激痛にもがき苦しむだけです。だから神の一族は死ぬことはできません。天使になれば話は別ですけれど…。でも神天族が天使になるには、多くの条件を満たすことが必要なので、はっきり言って無理です。……話が逸れました。神天族は、1000年に一個体しか産まれないので!!!だからあなたを助けたのは、同じ一族として当然の行いですっ!!」


は ……最後の方がヤケクソになっていたのは、何故だろう。

はー、はーっと息を荒げている緑は、涙目になってそっぽを向いていた。

こういうときに、扱い方が分からなくて困る。

何か言わなくてはと口を開いても、結局は何も言えずに口を閉じて黙り込む他ない。


「すいませんね」


暫くして、先ほどの様子から一転、すっかり元に戻った緑が笑顔を向けてきた。


「一つ、大切なことをを言い忘れてました。私たちの場合、私たち一族は、地球上の動物として産まれ、生きることを学んだのち大体10才~15才で本来の姿に戻ります。あなた様の場合、14才でしたね。この変化を迎えると、一度神のところへ行かねばなりません。行かなければー…」


ここで意味有りげな笑みを浮かべる緑。


「フフフフフ…」


(意味が分からない)


清はそっと心の中で呟いた。


「なんと、地縛霊になってしまうのですー」


「へーーえ」


反射的に口を開いてしまってから清はバッと手(前足)で押さえたが、時すでに遅し。


濃密なブラックオーラを背景に、二つの点が怖いほど輝かしい光を放ちながらこちらを向いている。

そして、爪で地面をガリッガリッと引き裂きながら、一言。


「清さーん?何か言いましたぁー?」

「いえ!何にも言ってません!!」


即答。緑様恐るべし。このとき清は、二度と緑を怒らせないことを、固く固く神に誓ったという。


「まあ、それはさておき」

「はいいいい!!」


…またやってしまった。内心冷や汗ダラダラで訪れるであろう沈黙に耐えるべく身を丸くする。

―…が。


「一族には、守らねばならぬ三つの掟があります」


まさかのスルー攻撃に、不意を突かれた清は呆気なく崩れ落ちた。


「うう…沈黙も辛いけどスルーも辛いなあ…」

「どうしました清さ」

「何でもないですそれで三つの掟とは?」


情けないと何か聞こえて気がしたが、全力で無視した。

えー?何ですか?何も言ってませんよね?(にっこり)

だが、口角を上げた清とは対照的に、緑の顔から笑顔が消えた――気がした。


「……緑、さん?」


恐る恐る話しかける。それでも身動きすらしない緑に、不安になって前足で緑に触れた。


ビリッ


「え?」


急に前足が痺れたかと思うと、何故か瞼が重くなってきた。


「なんで急に…眠、気……が」


くるんだ、と続けようとした口にはもう力が入らず。

完全に光が遮られ、真っ暗闇の世界に入ったと同時に、清の意識は切断された。



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