ここは何処?
由美と凛が話し出して結構な時間が過ぎた。
京香は最初は二人が久しぶりに再会した事に気を使って話し掛けるのを止めていたが、何時迄たっても話しを止める気配がない二人に京香は申し訳なさそうに話し掛けた。
「あの〜………そろそろ宜しいでしょうか?」
「ん?」
「はい?」
京香の存在を忘れて久しぶりの再会を果たした凛と由美は会話に夢中になっていた所だったが、不意な京香の言葉に京香の方を振り向いた。
「お二人様の再会でお話に夢中になるのは分かりますが、そろそろ授業の方が始まるのでないでしょうか?」
「あっ!?」
「そうだった!?」
慌てて由美が腕時計を見て見ると既に11時を過ぎており、四時間目の授業が始まっていた。
「ど、どうしよう?………流石に話し過ぎてた!」
「すいません………私がつい、調子に乗って話した為にこんな時間になるなんて………本当に御免なさい!」
申し訳なさそうに謝る二人に京香は手に持っていた袋を漁り出すと袋からカツラとコンタクトの入ったケースを取り出すと二人に差し出した。
「これを篤様にお渡しになって下さい!」
目の前に出された物に二人は「何?」と思いながら目の前に出された物に対して訪ねた。
「カ、カツラとコンタクトケース?」
「えーと、京香さん、これは何なの?」
手に持っていたカツラとコンタクトケースを由美に手渡すと、京香は丁寧に二人の質問に応じた。
「では、これについて説明をさせて頂きます」
「う、うん、お願い!」
「お願いします。京香さん」
「先程、私は篤様の髪に変化の能力を使用致しましたが、何故が弾かれてしまいました。」
「は、弾かれのた?」
「はい………原因は分かりませんが、確かに私の能力は篤様に対して効きませんでした!」
「それって、どういう事なの?凛ちゃん何か知ってる?」
由美に質問された凛には思い当たる事があったのか、指を口に当て考え込む様な姿勢で語り出した。
「それについてなんですが、多分お兄ちゃんの能力が原因だと思われます。」
「篤の能力が原因?」
「はい……多分、それしか思い当たる処が無いので………」
「凛様、一体どうゆう事なのでしょうか?」
由美と京香の質問に対して、口で説明するより実際に見て貰った方が早いと思ったので行動に移した。
「説明をするよりも、実際に見てもらった方が早いので、由美さんも京香さんもよく見ていて下さいね!」
「うん………」
「はい………」
二人は黙り込み真剣な眼差しで凛を見た。
凛は右手を上げて手を広げると瞳を閉じて集中すると手の平の上に四角い透明な箱が現れた。
瞳を閉じていた凛が瞳を開けると同時に手の上の四角い箱を握り潰すとそこから、眩い光が一体を包み込んだ。
「ま、眩しい!」
「り、凛様?」
二人は余りの眩しさに思わず目を閉じてしまい、何が起こったのか分からなかった。
由美と京香が瞳を閉じた状態でいると二人に凛が話し掛けてきた。
「もう、目を開けても大丈夫ですよ!」
由美と京香はゆっくりと目を開けると先程まで目に映っていた景色が変わっている事に気が付いて、思わず声を出して驚いた。
「な、何が起こったの?」
「こ、此処は一体、何処なのでしょうか?」
二人は先程まで確かに屋敷の部屋に居たはずなのだが、今は辺り一体が夜のように暗くなっており、そんな暗い場所を二人が見上げると無数の星みたいな物が輝いていた。
「ね、ねえ、凛ちゃん………一体何が起こったの?見た所、さっきの部屋とは違うよね?」
「そうですよ!此処は私の能力で作り出した結界みたいな空間です。詳しく説明すると、あの部屋の空間に少し強引にお兄ちゃんの特殊能力〔空間干渉〕で干渉をして新たに創り出したんです!」
「な、何か難しくて理解出来ないけど、簡単に言うと此処は凛ちゃんが創った空間なんだよね?」
「はい!その通りです」
「それにしても、こんな事が出来るなんて篤の奴、人間離れしているわね………」
「私も同感です………お兄ちゃんの身体はとんでもない潜在能力を秘めているみたいで、兄妹である私から見ても度を超えてます!」
「あっ!?一つ気になっていたんだけど、もしね凛ちゃんが本来の身体に戻った場合なんだけど、篤みたいに変身は出来るの?」
「それはどっちの意味ですか?」
「両方の意味で!」
「うーん………難しい事を聞いて来ますね。予想しか出来ないのですが、それでもいいですか?」
「うん!全然OKだよ!」
「では、お答えします。まず性別に関してなんですが私が本来の身体に戻った場合はでは能力を解放しても性別が反転する事は無いと思います。」
「えっ、何でなの?篤も陽子さんも性別が反転しているじゃない?」
「性別の反転についてなんですが、今から遡る事、遠い昔話になります。私達の一族の祖となる人物についてなんですが………」
「ちょっと、大丈夫?どうしたの凛ちゃん?」
「いえ、今から話す内容が余りにも現実離れしているので、信じて貰えるか不安になって………」
「大丈夫!どんな内容でも信じから!」
「そうですよ凛様!」
「由美さんも京香さんも有難う御座います………では、続けますね……私達の一族の始まりの祖は天使とだと言われており、その祖となった天使は色んな特殊能力を持っていたと言われており、その一つが性転換があったと伝えられています。そして、私達の一族はその能力を代々受け継いでいると考えられるのです。最初の頃、一族は何故か女性しか能力を使う事が出来なかったのです」
「そ、そんな話し聞いた事がないよ………でも何故、今は男性が能力を使えるの?」
「それについては、今からお話にします。これから話す事はあくまで私の憶測だと思って聞いて下さいね!」
「うん!」
「はい!」
「では、続けますね!私達の一族は時が過ぎて行くに連れて、祖の血も薄くなる事によって能力を男性でも使えるようになり、女性限定は無くなったのですが、どういう訳か男性のままでは能力が弱いのです。でも、稀に男性の姿で限界まで能力を使用すると女性へと性転換する者が出て来て現在に至ると思われます。」
「でも、変ね?普通なら血が薄くなると特殊能力も失って行くじゃないの?」
「はい………由美さんの言う通りで、普通なら特殊能力は無くなってしまう筈なのですが、先程も言ったと思いますが祖が天使だったと言われていますので、その時点で普通では無いので、その辺も何かあると思われます。」
「そうね………でも、今の凛ちゃんの姿を見たら、祖先が天使って少しは信じられるよ!」
「何度でも言いますが、この姿はお兄ちゃんの本来の姿なので、決して私の姿だとは思わないで下さいね!」
「ちゃんと、分かってるよ!」
「なら、話しは早いです。私は女性と生まれ来たので、性転換はする事は無いと思われます。」
「ふーん、何か残念だな〜!」
「由美さん………」
「うそうそ!決して残念なんて思っていないよ!」
「なら、良かったです!」
由美は慌てながら手を振って否定した。
そんな由美を凛は疑いの眼差しで見ていた。
そんな中、凛の話しに興味津々で聞いて京香が、疑問に思った事を訪ねた。
「先程から聞いていて思ったのですが、凛様は何故そんなに一族について詳しいのですか?」
「そ、それは………」
少し困った表情して言葉を詰まらせている凛の姿があった。




