凄い事になっています
時間が少し戻り、視点は弘雅から始まる。
由美が寛子に雷を放ってから、寛子は動かない!多分、さっきの由美の攻撃で足が痺れるのだろう。
俺はこれで決着が着いたと思ったその瞬間に寛子が右腕を上げて何かをしようとしている。
(今更、何をするつもりだ?)
雷が寛子に直撃すると思ったら、寛子の姿が消えたので俺は思わずその場から立ってしまった!
(嘘だろ!?どこに行ったんだ?)
消えた寛子を捜しコート内を見渡したら由美の後ろの空間が歪み、その場に寛子が現れた。
(く、空間干渉だと!!嘘だろ?そんな事が出来る人間がいるのか!?)
弘雅はビックリした。
弘雅が驚くのも仕方がないのだ、今まで超能力を持って生まれた来た人類だったが、今まで誰ひとりとして空間干渉能力の使い手は存在しなかったのである。
ましてや病弱だった少女が使えるなど誰も思っていないだろう。
(寛子は何をするきなんだ?)
そう思って寛子の様子を見ていたら、由美の背中に右手を構えると黒い塊を作り放っていた。
(なんだ!あの塊は?)
その黒い塊は由美に直撃すると由美は地面に押し潰されていった!
(嘘だろ!重力制御能力だと!!)
重力制御能力は今まで使い手はいたが能力の中でもレアな方だったので、世界でも5人ぐらいしか存在しないのだが、弘雅が驚いたのは、放つ前に寛子は確かに能力を押さえて放っていたが判った。
能力を抑えて、あの威力なのかと思った。
弘雅は興奮して、これにまでにない高揚感だった。
思わず、雅弘は無意識に声に出して笑っていた。
「はははは………すげーよ!!あいつ、最高だ!!!!」
(俺は決めた!あいつを俺の女にする!!絶対に!!………あいつの隣を一緒に歩くのは俺だ!!あいつのいる高みに俺も行きてー!!!………まずは、あいつに追いつかなきゃな!!!)
弘雅は今までこの世界が面白くなかった、何をするにも面白くなかった、だが始めてこの世界が面白いと思った!あの女性の高みに行きたいと思った、そして誰よりも強くなると自分自身に固く誓った!
時間は戻り、寛子は気を失った由美に治癒の能力をかけていた。
寛子の治癒能力は一般人が使う能力をはるかに凌駕していた、由美の傷がどんどん治っていくので寛子は少し安心した、そしたら五代先生が二人の側に駆けつけると由美の容態を確認して見たが、身体には傷が一つも付いてなくただ意識がない事だけだと判断が出来た。
(し、信じられん………先程まで後藤は大怪我をしていたはずなのに……今は傷一つ無い………海外……さっきの空間干渉能力と重力制御能力と、この治癒能力!………この子は一体どれほどのポテンシャルを秘めているのだ?)
そして、五代先生は由美を担ぐと保健室に連れて行く事にしたが、寛子にも来るよ言った。
寛子は自分のせいで由美が怪我をしたのと、本当に由美が心配だったので頭を縦に振った。
五代先生は保健室に行く前に、委員長にこの後は自習をしとくようにと伝えると保健室に寛子と向かった。
生徒達は、自習と言われたが喜ぶより先ほどの寛子と由美の対戦を思い出して興奮して話し合っていた。
そんな中、翼は弘雅の側に駆け寄って来て先ほどの寛子の事を聞いた。
「さっきの対戦、凄かったよな!」
「ああ、そうだな」
「弘雅は判ったんだろ、寛子ちゃんが何をしたのか?」
「まぁな!翼はどう見えた?」
「なんだろ?由美の雷が寛子ちゃんに直撃しようとしたらいきなり消えて、そしたら由美の後ろの空間が歪んだ感じがして、その歪みから寛子ちゃんが現れた様な気がしたんだ!」
「やっぱり、お前って本当は凄い奴かもな?ほぼ、正解だ!」
「それって、寛子ちゃんが使った能力って!?」
「そこまでだ!それ以上は言ってはダメだ!」
「なんでだよ?」
「他の奴らには、寛子がただ、肉体強化能力で目に負えないほどの速さで由美の後ろに移動した様にしか見えてないはずだ!でも、寛子があの能力の使い手だと他の奴らが知れば寛子を利用しようとする輩が出てくるはずだから、秘密にしといてやろうぜ!」
「う、うん!そうだね!」
「なら、自習でもしようぜ」
(寛子は絶対に俺の女にするからな!余計な虫は付けたくないのさ!)
保健室に着いた五代先生は由美をベットに寝かせると、寛子に側にいる様に言ってから職員室へ向かうと丁度、授業も無く、くつろいでいた暁先生がいたので暁先生に先ほどの事を話すと二人で保健室へ向かった、暁先生達が保健室に着くと由美の側にいる寛子を呼び出し三人で話しを始めた。
「暁先生は海外の空間干渉能力や重力制御能力の事を知っていたのですか?まして能力自体が桁外れだった事を?」
「私も詳しくは知りませんでした?ただ能力値が高いとは知っていましたが、寛子クンは空間干渉能力や重力制御能力を使えたのを私達に黙っていたのかい?」
「いいえ!私もこの二つの能力が使えると知ったのは、由美の対戦の時でした」
「では、寛子クンは今まで自分にそんな能力があると知らなかったのかい?」
「はい、そうです!由美との対戦の時にいきなり、頭の中に浮かんできたんです」
「そんな事があるのか?」
「はい………私もこんな事は初めてだったので動揺しました」
「全く、海外には何と言っていいのか言葉が見つかりませんな!」
「そうですね!しかし、私は寛子クンの実力を見ていなにのでどれぐらいの実力を秘めているのかが、わかりませんが?五代先生から見てどうでしたか?」
「Sランクを超えていますよ!SSランクとでも言いましょうか?全く、末恐ろしいですな!」
「………それほどなんですか?五代先生!?」
「暁先生、本当です!」
「寛子クン、ブレスレットはちゃんと着けているのかい?」
「はい!ちゃんと着けています!」
「それを着けて、その実力なんて………信じられない!?」
「暁先生?ブレスレットとは何の事ですか?」
「寛子クン………味方は多い方が良いから五代先生に話してもいいかい?」
「構いません!」
「五代先生、実は寛子クンは能力が大きすぎるので能力をある程度、封じるブレスレットを着けさせているのですよ!」
「そ、それは、本当なんですか?暁先生!」
「寛子クン済まないが、ブレスレットを少し外して能力を開放してくれないかい?」
「………分かりました!」
私はブレスレットを外して、他の者に能力を感知されないように保健室にフィールドをはると、能力を10%ほど開放した。
すると、光の粒子が私の体の周りを舞っていた!
「「……………………!!!!!!」」
「し、信じられない!!!」
「五代先生・・私も同感です!」
「海外………お前は一体何者なのだ?」
「私もよく判らないのですが?私の一族が特別みたいです!」
そう私は言うと能力を抑えて、ブレスレットを着けた。
先生達はまだ、先ほどの私の能力を見て固まっていたが、ベットに寝ている由美が気がついたので私は急いで、由美の元に駆けつけた。




