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誤解だ!

申し訳御座いません………編集ミスをしてしまいました。

「最低!!」


由美に打たれた頬を摩りながら訳が分からないまま呆然と立ち尽くしていた。


(な、何なんだよ?何で俺が打たれないといけないんだよ?)


「何を怒っているんだよ?」


「はぁ?〝何を怒っているんだよ?″ですって?この状況を怒らない人がいると思ってんの?」


由美は怒りながらベットの上でうっとりした表情をして手招きをしている京香を指差した。


「………………」


「で、何か言い訳はあるの?」


「少し待ってくれ………」


俺は無言でベッドに向かうと、うっとりしながら篤の顔を見ている京香の頭に本日、三発目のチョップを投下した。


「あっ………篤様!来てくれたのですね?さあ、先程の続きを……?痛っ!?」


「天誅だ!」


京香は無防備な体勢でチョップを受けてしまったので、予想以上のダメージを受けてしまい頭を押さえながら悶えていた。


そんな篤の行動に由美は呆気に取られて口を開けたまま、その場に立ち尽くしていたが、篤が由美を見ると「分かった?」と聞いてきたので直ぐに我に戻ると「意味が分からない………」と返事を返した。


(意味が分からないか………確かにこれでは、メイドにチョップを喰らわせた変な奴しか思われないよな!面倒だが少し説明するか。)


大きく溜息を吐くと由実の方を見ると、初めから起こった事を説明した。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







「…………と言う訳だ!」


「ふ~ん」


「な、何だ……そのリアクションは?」


「そのメイドさんが変態という事は分かったけど………でも、その髪と眼の変化に付いては説明不足よ!現に凛ちゃんの魂が篤の中に居るとしても信じられないわよ!………もし、冗談で凛ちゃんの事を言ってるなら一生絶交よ篤!!」


「お前な~………確かに身体の変化と凛については、どう説明してよいのか分からないけど信じてくれよ!」


「う~ん………信じてあげたいけど、篤は昔から追い詰められた時に苦し紛れによく嘘をついたから余り信用無いのよ!」


「うっ………た、確かに昔はよく嘘をついたけが、今はそんな事はしないぞ!!」


「今さらそんな事を言っても信用ゼロよ!」


「さいですか………」


篤が必死に説明するが由美は顔を横に振って篤の言葉を信用しなかった。


(あぁ〜こんな事ならガキの頃から嘘なんて、つかない方が良かったぜ………一体、どうすれば信じて貰えるもんかな?)


段々と説明するのが馬鹿らしくなって来て、苦笑いを浮かべながら落胆していると、急に篤の胸辺りから眩い光が溢れてきた。


「ち、ちょっと篤………何してんのよ?」


「そんなの俺が聞きてーよ!!」


「「!?」」


そんな事を言っている内に、光は篤を包み込む様に大きく光だすと閃光の様に弾けた。


光が弾けて部屋に静寂が戻り、まだ視界がよく見えない状況だった由美は目を擦っていると自分を呼ぶ声が聞こえた。


「お久しぶりです。由美さん」


「ん?………女性の声?また変身したの篤?でも、声が違う………」


大分、視界が元に戻ってきた由美は声が聞こえた方向が篤の居る場所だったので、また篤が女に変身したものだと思いながら篤の居る方を見て驚いた。


「そ、そ、そんな………あ、貴女は………」


篤がまた変身したのだと思った由美は、目の前に立つ黒髮の女の子を見て驚いた。


由美は目の前の女の子を見ている内に瞳から涙が零れ始めた。


「もぉ〜泣かないで下さいよ。由美さん!」


女の子はそう言いながら、由美の前まで来ると優しく抱き締めた。


「だって、だって………こんな事が……夢じゃないよね?」


「夢じゃありませんよ!現に由美さんをこうやって抱き締めているじゃないですか!」


「うん、うん!そ、そうだよね……でも、貴女にまた会えるなんて夢みたい!」


由美も女の子の体身をギュッと抱き返した。


「もう離さないよ!」


「ち、ちょっと、苦しいですよ〜!それに何度も言いますが、現実ですよ〜!って!?うわっ?」


女の子の言葉が言い終わる前に、由美は抱き締めている女の子を抱き上げると、その場でクルクルと回り出した。


「ち、ちょっと、由美さん!ま、待って下さい!」


「だ〜め!だって、また貴女に会える日が来るなんて!」


クルクル〜クルクル〜


「ま、またこのパターンですか?や、止めて下さい……め、目がまわる〜〜」


「また、貴女に会えるなんて………」


「うっ………き、気分が……止め…て………」


クルクル〜クルクル〜クルクル〜


女の子のが言っている事など聞いてない由美はハイなテンションになっており回す回転の速度を更に上げた。


「も!もう、だめ……は、は、吐く………も、う、止め……て……」


「嬉しい〜!」


流石の女の子も、もう我慢の限界近くまで来ており話しを聞かない由美に対して段々怒りが込み上げて来た。


「やめれと言っとるやろがーー!!」



バキッ!!



「い、痛ったーー!!」


怒りの表情で女の子は調子に乗る由美の頭に拳を思いっきり投下した。

余りの痛さに由美は思わず両手で抱き上げていた女の子から手を離した。


ビュン!!


「うわっ?」


女の子は勢いよく部屋の壁へと投げられる形になり、壁に一直線に飛んで行く。


「あっ!?」


そんな状況の女の子を見て由美は思わず声を出す事しか出来なかった。


女の子が壁に叩きつけられるまで後まで1mの処で由美は目を瞑ってしまった。


シーーーーーーン


「あれ?」


女の子が壁に当たる音がしなかった。疑問に思った由美は女の子が飛ばされた方を見て唖然とした。


「そ、そんな………??」


視線の先には光で出来た羽根が何枚も舞い上がる中、光の粒子を身体の周りに纏った女の子がいた。


女の子は光で出来た白と黒の対となる翼を広げて宙に浮いており、綺麗な黒髪は紫髮へと変色し、黒い瞳は赤い瞳と青い瞳のオッドアイに変わり、まるで寛子の変身した姿にそっくりな容姿にへと変身していた。


そんな幻想的な女の子の姿を見て由美は思わず「天使?」と呟いた。


由美の呟きが聞こえた女の子は顔を横に振った。


「私は天使なんかじゃありませんよ。それより、先程は失礼しました……痛かったでしょ?ごめんなさい由美さん……」


「わ、私は大丈夫よ!………それより、その髪や瞳はまるで………それに、その姿は?」


「女性に変身した、お兄ちゃんみたいでしょ!それに、この姿については、後ほど説明しますわ!」


女の子はニッコリと笑うとすると、由美に優しく語り掛けたと由美は口を開けたまま何度も何度も頷いた。


一部始終を呆然と眺めていた京香が口を震わせながら、由美に恐る恐る訪ねた。


「初対面で申し訳御座いませんが、そこの女の子は先程まで篤様でしたよね?」


京香の質問に、由美は先程と同じで頷くだけだった。


そんな由美を見て宙に浮いている女の子はクスッと笑うと由美の代わりに話し出した。


「初めまして京香さん!」


「あっ!?は、初めまして!」


女の子に挨拶に慌ててお辞儀をして挨拶を交わした。


「あの〜………二点ほどお伺いしても宜しいでしょうか?」


「何でしょうか?」


「貴女様は篤様でしょうか?」


「いいえ、違いますよ!」


「では、貴女は一体何者なのですか?それにその姿は一体………?」


「それは………」


女の子が京香の質問にどう答えて良いのか困っていると我に戻った由美が答えた。






「その子は篤の妹よ!」

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