表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/108

登校先で………

風邪が………キツイです。



「「行ってきまーす!!」」


寛子と由美が、そう言って家を出て行くのを、陽子達は見送り出した。


寛子達の姿が見えなくなると美沙子の横に立っていた零が陽子と美沙子の方を見て頭を下げた。


「昨日はお世話になりました。」


「「………………」」


零の言葉に最初はキョトンしていた二人だったが少し間を置くと突然、陽子はプッと笑いながら、零の肩を軽く叩きながら言った。


「もぉ〜何を言うかと思えば、そんな事は気にしないでいいのよ!」


「しかし………」


「昨日は私達が強引に零クンを泊めたんだから、気にしないで!」


「そうよ〜!貴方は私達に拉致られたのよ〜!」


陽子と美沙子が笑いながら零に話し掛けると零もつられて笑い出した。


「そうでしたか………俺は拉致されていたのですね!」


零の言葉に陽子が驚く。


「あら、気づいてなかったの?」


「はい………気付いていませんでした。」


「さすが零クンね〜!鈍感だね〜。それだから、昨日は折角、寛子ちゃんに夜這いをかける絶好のチャンスだったのに………勿体無いわね〜!」


美沙子は楽しそうに、嫌味な言葉を言うと零は苦笑いをしながら思った。


「ハ、ハハハ………」


(本当に美沙子さん………貴女は最低最悪だ!)


零がそんな事を思っている中、何だが陽子の態度がおかしい事に気付いた。


陽子は先程、美沙子が娘の事を笑いのネタにしたので、美沙子に対してワナワナさせ怒りゲージを上げて行く。突然プッツン!と何が切れる音がした。すると陽子が不気味な微笑みを浮かべて美沙子を見た。


「ミ・サ・コ………Go To Hell!!」


「…………はい〜?」


一気に陽子の周りの温度が下がって行くのに気付くと、美沙子は(あちゃ〜!………ひょっとして私……地雷を踏んじゃったのかな〜?)と思いながら、恐る恐る頬を引き攣らせながら陽子の方をゆっくりと見ると、そこには「ふふふ……」と不気味に微笑みながら、ゆっくりと自分との距離を縮めて来る陽子の姿あった。


「ヒッ!?」


余りの恐怖に悲鳴をあげてしまった。


ガシッ!! ガシッ!!


「!?」


「つ・か・ま・え・た!!!」


陽子は恐怖で後ろに下がる美沙子の肩を両手でガッチリと掴むと陽子の後ろから、ゴゴゴゴォォォォ!!!と効果音がなりそうな雰囲気であった。


「絶対に逃さないわよ!!!ミ・サ・コ!!!」


「い、嫌!!こ、来ないでえぇぇぇぇーーー!!!」


美沙子を捕獲した陽子はニタ〜と笑うと、今にも泣きそうな美沙子の服の首元の襟を掴むと家の中に引きずりながら、家の中に入って行く。


「ご、ご、ごめん陽子!!!もう二度と言わないから!!!許してぇぇぇぇ!!!」


「……………」


ズルズル………ズルズル………



「イ、イヤァァァァァーーーーーー!!!!」



ズルズル………ズルズル………


美沙子は悲鳴をあげながら、陽子に家の方へと引きずられていた。


それの光景を呆然と見ていた零は美沙子と目が合ってしまった。


美沙子は懸命に零に助けを求め叫んだ。


「れ、零クン!!!助けて!!!さっきの事は謝るから、だから助けて……グッ!?」


美沙子が零に助けを求め叫んでいると、陽子が美沙子の首元の襟を思いっきり引っ張った。


零はその光景から思わず目を逸らした。


(美沙子さん………貴女が悪いんです!貴女は…………何時も一言多いんですよーーーーーー!!)


零がそう思っている間に、陽子は美沙子を家の中に連れて行った。


バタン!!!


家のドアが閉められた後に、家の中から卑屈な叫びが聞こえて来た。


「イヤァァァァァーーーー!!!」


零は家の方を向くと敬礼をして、そのまま横を向くと歩き出そうとしていた。


(やっぱり、陽子さんは恐ろしい人だ………俺も気を付けよっと………)


陽子の怖さを再度、認識して零が帰ろうとしたその時、先程まで美沙子の叫びがしていたはずなのに急に静かになかったので家の方を見た。


(ん!?………し、静かになった………ど、どうしたんだ?)


ガチャッ!!………キィィィィィ…………


「!?」


突然、家の扉が少し開くと、そこの隙間から手が出てくると零に対して手招きをしてきた。


「……………ゴクッ!!」


その手を見た零は思わず生唾を飲み込むと、その場で固まった。


手招きをしているドアの隙間からから、声が聞こえてきた。


「……………ねぇ、零クン?」


零は冷汗をダラダラと流しながら、小さい声で答えた。


「…………な、なんでしょうか?」


ドアの向こうから話し掛けてくる声は零に質問してきた。


「そういえば………昨日の夜中に貴方達は何処に行っていたのか………まだ、聴いていなかったわよね?」


その質問に零の周りの空間がピキッとヒビが入った感じがして、心臓がこれ以上にない程の高まって行くのが分かった。


「な、な、な、何の事でしょうか?お、俺には何の事やら、さっぱり分かりません!」


零は顔を引き攣らせながら、と呆けた。


「………………ほぉ〜〜?飽くまでもシラを切るつもりなのね………いいわ。これを見てもそんな態度が取れるかしら?」


手招きしていたてが、扉の中に消えた思っていたら、直ぐに現れた。


再び現れた手が何やら写真みたいな物をヒラヒラとさせていたので、写真に何が写っているのか、気になった零は恐る恐る写真の素早く取ると覗き込んだ。


「!?……………うわぁぁぁぁぁーーーー!!!」


写真を見た零は叫びながら能力を解放して、黒い炎で写真を燃やした


「ハアーハアー………」


興奮している零に対して、ドアの隙間から写真が大量に出て来ると、零は床に落ちた写真を慌てて掻き集めた。


「これでもと呆けるつもりかな〜?」


零はドアの隙間を見て無言で顔を横に振った。


「いい子ねぇ〜………では、楽しい、楽しいお仕置きTimeといきましょうかね!!」


………………コクン


零は無言で頷くと掻き集めた写真を燃やし家の中へと消えて行った。


バタン!!!


さて………零が見た写真とは一体………凄く気になりすが、これはまた別の機会で………。








▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼







一方、寛子達は登校中に突然、目の前に黒いベンツ達が止まり、一台から女性が出て来た所だった。


「お二人とも、おはようですわ!」


麗華はスカートの袖を摘み上品に寛子達にお辞儀をした。


「うん!おはよう麗華!」


「おはよう!」


寛子と由美も麗華に挨拶を交わしていると、麗華を乗せてきたベンツの運転席側の窓が開き、真っ黒なサングラスをした麗華のボディーガードが寛子達に頭を下げてきた。


「おはようございます!寛子様、由美様!」


男の挨拶に慣れていない二人は少し戸惑ったが、直ぐに挨拶を返した。


「「おはようございます!」」


寛子達の元気な挨拶に、男は笑顔を作ると「お二人とも元気で何よりです!では、お嬢様の事を宜しくお願いします!」と言うと、一礼して去って行った。


「あの人も笑う事もあるんだ………」


「そうだね………朝からレアなものが見られたわね………」


「……………」


麗華は二人の言っている事に黙り込んだ。


(確かに寛子さん達の言う事も分かるわ………私も久しぶりに見たわ!)




三人は朝から珍しいものを見れたので上機嫌で登校していると、三人の後ろの方から寛子達を呼ぶ声がしてきた。


寛子達が声のする方を振り向くと和美が手を振って走って来た。


「ちょっと、待ってよー!!」


寛子達はその場に立ち止まり和美を待つ事にした。


「ハア、ハア、ハア………お、おはよー!!」


「おはようございます。和美さん!」


「おはよー!和美!」


「おはようですわ!和美さん!」


挨拶にも終わり何時もの四人組になり、先程の話題を和美に話しながら登校した。


やがて、学校の近くまで来ると何だが校門の前で人混みが出来ていたので四人は興味本位で人混みの中を進んで行き前の方まで来ると四人は驚いて思わず声をあげてしまった。


「「「「げっ!?」」」」






そこには、生徒会会長が生徒会のメンバーを率いて誰かを待っていた。

読んで頂き有り難う御座います。


それと、感想の方も有り難う御座いした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ