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寝不足

風邪引きました。


最近は咳で夜中に起きてしまいます。


皆さんも風邪には気を付けて下さい。

「ふぁ〜〜…………寝不足だよ」


リビングのソファーに座り必死にあくびを我慢している寛子の姿があった。


向かい側に座る零も同じ様に寝不足で疲れ果てていた。


寛子の隣に座っていた由美がそんな二人を見て心配そうな表情で話し掛けて来た。


「ちょっと二人共、何があったのかは分からないけど、大丈夫なの?」


由美の言葉に二人は流しで洗い物をしている陽子の方をチラッと見て答えた。


「うん!大丈夫だよ!」


「大丈夫だ!」


寛子と零が由美に返事をしたが、目の下に隈を作っている二人を見て由美はとても大丈夫そうには見えなかった。


「二人共……全然、大丈夫そうに見えないよ………」


「だ、大丈夫だよ!由美ったら、心配性だから!」


「大丈夫だ!」


「本当に〜?」


由美は寛子と零の顔を見ながら、首を傾げた。


「由美!野暮な事は聞いちゃダメよ〜!愛し合う男女がする事は決まっているじゃないの〜!」


「「「えっ!?」」」


三人は美沙子が言った言葉に驚き固まった。


「ね、ねぇー寛子………そうなの?」


由美が聞き辛そうに寛子に質問したが、寛子は顔をブンブンと横に振りながら否定した。


「そ、そんな事、あるわけないでしょ!!」


「由美さん、惑わされないでくれ!」


「そ、そうだよね………ビックリした!お母さんが言う事だから、きっと嘘だよね!!………うん!二人を信じるから!」


「チッ!!」


美沙子が楽しくなさそうに舌打ちをした。


そんな美沙子を零は軽蔑な眼差しで見ていた。


(し、舌打ちしたぞ!?この人は本当に最悪な人だ………人の不幸を楽しんでいる)


零はこの一晩で美沙子に対して不信感を抱くようになってしまった。たった一晩で零に対してここまで思わせるとは流石としか言い様がない。しかし、娘の信用もない美沙子の立場はまさしく日頃の行いが物語っていた。


二人の必死な説得で由美は納得したが、しかし、二人して寝不足で自分に何かを隠しているのは分かったので寛子に直接聞いてみた。


「そういえば、夜中に目が覚めてトイレに行こうとした時に隣で寝てるはずの寛子の姿がなかったのよね………ひょっとして零さんの部屋に行っていたの?」


突然の由美の質問に寛子は口をパクパクさせながどう対応して良いのか分らないでいると洗い物をしている陽子がフォローを入れた。


「あのね由美ちゃん!夜中に寛子と久しぶりにリビングで旦那の事を話していたら、零クンが偶然にも起きて来たから三人で話していたら盛り上がってね。朝近くまで話しが終わらなかったのよ!二人には可哀想な事をしたと思っているのよ………だから、二人とも寝不足なのよ!」


「そうだったんですか………ごめんね寛子!疑ったりして………」


由美は陽子の言葉を聞いて申し訳なさそうに寛子の方を見ると頭を下げて謝った。


「そ、そんな………由美は悪くないよ!謝らないでよ………」


寛子は母親が私達を庇って嘘をついてくれたのが分かっていたが、由美が嘘を本当だと思い自分達に謝るのが嫌だった。親友に対して隠し事をしていると思うと胸が締めつけられる感じしていた。


「一体、真実はどうかしらね〜?」


美沙子がクスクスと笑いながら言うと陽子が美沙子を睨みなが言った。


「美沙子!!余計な事は言わない!」


「はい、はい!怖いわね〜陽子は!」


「………美沙子は私の部屋に来るのは一時の間は禁止ね!」


「ち、ちょっと!!それだけは勘弁してーーーーー!」


陽子の言葉に美沙子は慌てながら、陽子に謝りだした。


「謝ってもダメよ!!」


「そ、そんな〜………シクシク」


「はい!この話しはこれで終わりね!それより明日は私と美沙子の実家に行く事なんだけど、貴女達、準備とかは今日帰って来たら直ぐにするのよ!いいわね?」


突然、話しが変わったので寛子達は直ぐには対応出来なかったが、明日から母親達の実家に行く事を思い出すと楽しそうに返事した。


「うん!」


「はい!」


寛子と由美が返事をするのは分かったが、零の返事がなかったの陽子は疑問に感じて零に聞いてみた。


「どうしたの零クン?まさか、用事か何かあるの?あっ!?ひょっとして………妹さんの事?」


「いえ、明日は用事はありませんし、陽奈は母親が見てくれるので大丈夫なんですが………」


零は何か言い辛そうにしてハッキリとしない態度に少し苛つきながら聞いた。


「どうしたの?何か問題でもあるの?男ならハッキリと言いなさい!!」


急に怒り口調になった陽子に驚きながら、零は姿勢を正すと答えた。


「明日行く場所は陽子さんと美沙子さんの実家ですよね………」


「そうよ!何か問題でもあるの?」


「と言う事は【天羽】と【光守】の一族が居るんですよね?」


「それは当然居るわね!」


「俺は【黒羽】の一族ですから、もし素性が暴露した、何かしら問題が起きますよね?」


「あら?そんな事を考えていたの?それなら、大丈夫。問題ないわ!」


「えっ!?ど、どうしてですか?」


「それは明日、行けば分かるわ!」


「???それは一体………」


零は陽子の真意が分からなかった。絶対に【黒羽】の自分が行けば問題が起きる筈なのに、陽子は何も問題無いと言っている。零には訳が分からなかった。


「そんな些細な事は気にしないでいいのよ!それより、寛子と由美ちゃんは学校に行く時間は大丈夫なの?」



「「!?」」


陽子の言葉に寛子と由美は慌てて時計を見てみると既に何時も学校へ行く時間を過ぎていたので二人は急いでソファーから立ち上がった。


二人は鞄を持つと零に一言、挨拶を言った。


「じゃあ〜明日ね〜零さん!」


「零さん、気を付けて帰って下さいね。では、失礼!」


「ああ………二人とも気を付けて登校してくれ」


「「はーい!!」」







二人は零に手を振りながらリビングから出て行った。


次は学園を書きたいと思います。


久しぶりに他の人物が登場予定です。

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