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嫌われても………

明けましておめでとう御座います。


今年もマイペースに書いて行きたいと思っています。


宜しくお願いします。

「で?誰に秘密なの?」


陽子と零が声がする方見てみると腕を組んで壁に背をもてれて二人を見ている寛子の姿があった。


「寛子?」


「ひ、寛子さん?」


寛子は大きく溜息を吐くと零と陽子の側まで移動して来た。


二人の前まで来て立ち止まるとキッ!と陽子を睨みつけるように見つめると少し大きな声で二人に叫んだ。


「どうして?どうして凛の事を、赤の他人で関係の無い零さんに話したのよ!!これは私達の問題でしょう?見損なったよお母さん!!」


パンッ!!!!


大きな音が部屋に鳴り響いた。


「痛っ!?」


陽子は無言で寛子の頬を叩いたのだ。


陽子に叩かれた頬を抑えながら、寛子は陽子の方を見ていた。


そんな光景を零は目を大きくし呆然と見ていた。


娘に手を上げた陽子が悲しそうな瞳で寛子に話し掛けてきた。


「寛子………いい加減にしない!」


頬を叩いかれた寛子が目に少し涙を浮かべながら睨む様に陽子を見た。


「な、何よ!!私の何処が悪いのよ?」


「貴女の気持ちも分かるけど、零クンに対して失礼よ!関係が無い?確かに零クンは私達、家族とは関係ないけどね………零クンも巻き込まれてしまったのよ!」


「零さんが何に巻き込まれたのよ?」


「これは私の予想でしかないけど………多分、イヴと名乗る子は貴女に会いに来たのと思うのよ………」


「ど、どうして、そう言えるのよ?」


寛子は反抗的な態度で陽子に言い返すと陽子は真剣な眼差しで寛子を見て言った。


「イヴと名乗る子は貴女の能力値と性格を調べに来たと思うのよね!」


「ち、ちょっと待ってよ!何で私なのよ?」


「それはその子の変身した姿や能力から言って貴女に関係しているみたいだしね………」


「だ、だからと言ってあの子は零さんの事も知っていたのよ!だから、狙いは私一人だけじゃないんじゃない?」


寛子の言葉に陽子は深く溜息を吐いて顔を横に振った。


「寛子………なら、聞くけど、その子はどうやって貴女達を追ってきたのよ?」


「あっ!?」


寛子は陽子の言葉に何か気付いた。


「そうよ!多分、貴女の能力を辿って移動して来たのよ!」


確かに零しか知らない場所に行った事のないイヴが空間干渉能力で移動するには、その場所に一度行くか、もしくは特定の人物の能力を頼って移動するしか移動手段は無いのである。


「ようやく気付いてくれたみたいね。これで分かったでしょ!イヴと名乗る子は零クンには失礼だけど、眼中に入って無かったと思うのよ!その子の目的は寛子、貴女なのよ!………でも、貴女と居たせいで、そのイヴと名乗る子は零クンにも興味を持ったかも知れないわよ?だから、零クンはもう無関係では無いのよ!」


陽子の言葉に顔を真っ青にした。


「!?……もし、お母さんが言ってる事が当たっていたら…………」


寛子は動揺した表情で零の方を見た。


しかし、零はそんなの寛子に対して優しい笑みを浮かべて首を横に振った。


「いいんだよ。君は何も悪くないよ!」


零の言葉に、寛子は今にも泣きそうな顔で言葉を詰まらせながら話した。


「私………零さんを巻き込んだだけじゃなく………零さんの事を〝無関係!″なんて酷い事を言った………ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」


寛子は零に対して、何度も何度も頭を下げて泣きそうな声で謝った。


零は何度も頭を下げて謝る寛子の頭を優しく撫でた。


「もう、謝らないでくれ………俺も悪かったんだ。寛子さんの気持ちを考えないで大切にしていた妹さんの思い出を聞いたりして………普通に考えたら怒るよな……俺の方こそすまなかった!」


「零さんは何も悪くない………悪いのは私なの………だって、普通に考えたら分かる事なのに………イヴって子の姿を見たら、凛の事を思い出して何が何だが分からなくなって感情をコントロール出来なくなっていて、気が付いたら零さんに八つ当たりして酷い事を言っているし………ねえ、零さん………幻滅しちゃったでしょ………私ってこんなにも最低な女なんだから、嫌われてしょうがないよね………嫌いになってもらった方が零さんも幸せかもしない………」


寛子はポロポロと涙を流しながら、必死に笑顔を作りながら話していると、零がそっと寛子を自分の方に引き寄せて抱き締める。


「バカな事言うなよ………俺は君を最低なんて一度も思った事はない!だから、君が気にする必要なんて少しも無いんだよ!もう二度、嫌いになってもいいなんて言わないでくれ………悲し過ぎるだろ!」


「零さん………」


零は寛子をもう二度離さないぐらい強く抱き締めた。


寛子もそれに応える様に零の身体を強く抱き締め返した。







「…………………おーーい!」


二人を見ていた陽子が話し掛けたが、反応がない。


「おーーーーい!」


「「………………」」


完全に二人だけの世界を作っていて、陽子の声が聞こえていなかった。


そんな二人に対して陽子は段々怒りが込み上げて来て拳をワナワナさせていた。



ガツン!!! ガツン!!!


「「痛っ!?」」


二人は突然の激痛に我に戻ると陽子の方を見てみると、そこには般若の様な顔をした陽子の姿があった。


「お、お母さん?」


「よ、陽子さん?」


陽子は般若の様な顔で二人に話し出した。


「お前等………親の目の前で平気でイチャイチャしやがって………覚悟は出来ているな?」


陽子の言葉に冷や汗流しながら、二人は離れると言い訳をし始めた。


「ご、誤解だよお母さん!わ、私達は別にイチャイチャしてなんでいないわよ!ねっ!零さん」


「そ、そうですよ!ご、誤解ですよ!」


「ほぉ〜〜言いたい事はそれだけか?では、今から説教タイムと行きましょうかね?お前等!!そこに正座じゃーーー!!!」


「「はいーーーーー!!!」」


即座に寛子と零は床に正座した。







朝方まで般若と化した陽子の説教がリビングから聞こえていた。

なんだかバカップルになってきている二人でした。

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