私の能力
グランドに集まった私達は、五代先生が来るのを待っていたのだが、男子の視線が気になっていた。
何故かこちらをチラチラと見ているので寛子は由美に自分に変な所がないのか聞いてみた。
「由美、なんかさ男子がこっち見てるんだけど、変な事ないよね?」
「うん、無いよ!ただ、寛子がスタイルがいいから見てんじゃないの?」
「そんな事ないよ!他の女子の方がもっと、いい人いるよ!」
「………そんな事ないと思うよ!」
「そうかな?」
「気に過ぎなの寛子は、男子は何時もこんな調子よ!」
「私が男だった時には、そんな事あまり考えてなかったけど、女になって気づく事もあるんだね?」
「そうだよ!男子の視線なんて、気にしてもしょうがないよ」
「なんか嫌だな~!私も気を付けよう!」
「五代先生が来たみたいだよ!」
(五代………?あっ!?………いつも、ゴリラって読んでいたから、名前の方を忘れてた………)
五代先生が来たのがわかったので、私達は列を作った。
五代先生が出席を取り始めて、私の名前が呼ばれた後に五代先生が私に言ってきた。
「海外はあの篤の妹とは本当か?」
「はい!そうですが?」
「あまり………似ていないな?」
「私と兄は二卵生なので、よく言われます!」
「そうなのか?しかし、篤は能力はあまり、得意ではないのだが、妹の方ははどうなんだ?」
「自分でもあまり、能力は使用しないのでわかりません?」
「そうか?兄の方は能力は得意ではないが、あいつなりに頑張っているの俺は期待はしている!」
「そ、そうなんですか?」
(意外だ!この先生は私の事をこんな風に思っているとは、ただのHな教師じゃあなかったんだ!少し見直したね!)
五代先生は、話を脱線した話しを戻して出席を取り直し始めて出席が終わると、今日の授業内容を説明し始めた。
「まあ、今日は能力を使用した対戦をしたいと思う」
「「「えぇぇぇ!!!」」」
「お前ら、駄々をこねるな!お前らに拒否権は無しだ!」
「「「人権を主張します!!!」」」
「却下する!」
男子生徒と先生のやり取りを見ていた私は、昨日までこいつらと同じ事をしていたんだと思うと、溜息が出てきた。
女になってから思考が女性の考えになると急に、大人っぽくなるので男子が子供っぽく見えた。
対戦の相手を先生が決めるていくが、私は初めてだし、能力の実力を見極める為にもクラスでも優秀な由美が相手になってくれた。
(由美で良かった!でも、私って得意な能力知らないのよね?・・まっ、色々使ってみようかな?能力もある程度、このブレスレットで封じているし、相手も由美だから少しぐらい本気出してもいいかな?)
私は由美に能力を試したいと伝えて見たら由美は少し考え込んで、良いよと笑顔で返事してくれたので、嬉しかったがこの時、私は気付いてなかった。
由美が本気を出すとは、そんな事も知らずに私と由美の対戦が近づきフィールドのはったコートへ向かった。
フィールドとは間違って攻撃がコートの外に放たれても攻撃が外に出ないようにしてくれる結構、便利な物でフィールド内に入るれるのは、入る前に登録をした者しか入れなく第三者は中に入った登録者が出て来くるまでは入れないシステムになっているが、先生達は何かあった時の為に入れるように権限が与えられている。
私と由美がコートの入口に設置してあるメインパネルに手を当てると、光が線が私達の手をスキャンするとフィールドに穴が開きそこから私と由美はコート内へ進んで行き、コートの真ん中に向かいながら立つと由美が寛子に話しを掛けてきた。
「ねえ、寛子は能力試したいのよね?」
「うん、そうだね?自分の適した能力が知りたいし、今の状態でどれぐらいの実力かも知りたいもん!」
「なら、私は本気で行ってみるね!」
「な、なんでよ?」
「だって全力を出さないと実力なんてわからないでしょ?」
「そうかもしれないけど、いきなり本気は止めてほしいな………由美ってAランクだし!」
「寛子だったら大丈夫よ!」
「その根拠はどこから来るの?」
「私の感かな?始めるよ寛子!!」
「ちょ、ちょっと待ってぇぇぇ!!」
由美が会話を終わらせると、私の方へと向かって来て、右足に雷を纏って私のお腹に回し蹴りを放ってきたが私はその蹴りを後ろに飛んで回避したが、体操服のお腹の部分が雷で少し焦げていた。
「へぇ~!これを避けきるんだ!」
「由美!今のはやばいよ!」
「だって、いくら能力を封じられていても、その姿になった寛子と戦えると思うとワクワクしてくるの!」
「………忘れていた……由美が戦闘狂だったの!」
「寛子も早く本気出さないと危ないわよ!」
私は忘れていたのだ………この幼馴染は戦いになると性格が変わる戦闘狂だったのを、ちなみに由美が最も得意な能力は雷なのだ!
由美は両手と両足に雷を纏うと、私との距離を詰めて顔に右手でパンチを放ってきたが私はそれを左に飛んで避けたが、由美はパンチの空振りした勢いを利用して身体を一回転させながら、右足で回し蹴りを放つ!私はまだ左に飛んだ状態だったので空中にいる私は咄嗟に左足と左手でガードを作ったが由美の回し蹴りは雷を纏っているので、ガードの上からダメージが伝わり、3mほど後ろに飛ばされた。
それを見ていた、クラスメイト達は由美の攻撃を凄いと思いながら、この対戦を見ていた。
私は、このままではこの女に殺されると思ったので、封じられた今の状態で80%近くまで能力を高め始めたら、頭の中に黒いモヤが掛かった感じがした。時間にして1秒も無かっただろう!その後、モヤが晴れると何故か自分の得意な能力の知識が芽生えた。
(えっ?………空間干渉能力?重力制御能力?………なんなの?)
そんな事を思っていたら、由美は少し私から距離を開けると、両手を私に向けて雷を放つ体制に構えると私に言ってきた。
「寛子、貴女なら死なないと思っているからね!」
「死なないって………そんな攻撃をしないで欲しいです!」
「ダメよ!楽しいじゃないの!!」
「由美、性格が壊れてるよ!」
「失礼ね!じゃあ行くわよ!!!」
そう言うと、由美は両手に貯めた雷を放ってきた!!!
私はまだ、左足が痺れているので避ける事が出来ないと思っている内にも由美が放った雷は私に向かってくる!絶体絶命と思った時に私はさっき芽生えた知識を使ってみようと思った。
(………試して見るしかないわね!)
私は咄嗟に右手を真正面に向けて構えると、空間能力を使用して見ると私の前の空間に穴が開いたので私はその中に入ったら次の瞬間、私は由美の後ろに現れたので、少し驚いたが、勝機なので由美の背中にそっと右手を添えるを、能力を40%ぐらいまで抑えながら重力の塊を作ると由美に放った。
その瞬間、重力の塊は由美を包み込むと由美を地面に押し潰すように地面にクレーターが出来て行く、私はその威力に慌てて、直ぐに能力を止めたが由美は気を失っていた。
私は、由美の側に駆け出して治癒の能力を由美にかけていた。
それを見ていた先生が慌てて、コートの中に入って来た。
由美に治癒の能力を掛けながら私は思っていた。
(なんなの?………この能力は?……私ってちゃんと、このブレスレットで能力を抑えられてるよね?……由美、ごめんね……こんな事になんるなんて!)




