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あの子とは?

大変、お待たせ致しました。


早めに更新する予定が気が付いたら、こんなに日が過ぎいました。


連絡と致しましてタイトルとネームを変更致しました。


勝手ながら申し訳御座いません。

「まさか〝あの子″が関係しているとは思いたくないけど、娘が見たイヴって名乗る子は確かに似ているわね………」


深く溜息を吐くと麦茶の入ったコップを取ると一気に飲み干した。


零はイヴについて早く知りたかったので、陽子に〝あの子″について聞いて見た。


「それで、寛子さんや陽子さんが言う〝あの子″とは何者なのですか?」


早く〝あの子″について知りたくてウズウズしている零を見て陽子は空になったコップを持ってソファーから立つと冷蔵庫の方へ向かいながら話し出した。


「実はね………寛子と篤には二歳年下の妹が居るのよ!」


「えっ!?」


零は陽子の言葉に対して驚きを隠せなかった。


陽子は冷蔵庫から麦茶を取り出すと空になったコップに注ぎながら話しを続けた。


「妹って言っても、今はもう居ないんだけどね………」


「い、居ないって………一体どういう事なのですか?」


麦茶を冷蔵庫に戻そうと扉を開いたまま動きを止めて少し悲しい表情した。


「よ、陽子さん?」


そんな陽子の姿を見た零は直ぐに悟り(しまった!)と思い後悔したが既に遅かった。


陽子は無理矢理、作り笑顔すると冷蔵庫の扉を閉めてソファーに戻り腰かけると、置いたコップを見つめながら話し出した。


「〝あの子″の名前は凛って名前でね、大人しくてお人形みたいな子だったわ……凛はね大人しくて内気な性格をしていて私達に一度もワガママなんて言った事も無くて、親の私達から見ても心配していたんだけど、でも実は凄くしっかりした子だったのよ!それに普段から家事の手伝いや寛子の面倒まで見てね、どっちが姉か分からなかったわね!」


「うちの陽菜と大違いですね………」


零は無意識にそんな事を言っていた。


「うふふ、お兄ちゃんしてるわね!零クンも」


「よ、陽子さん!俺の事はいいので続きをお願いします。」


「はい、はい、分かったわ!話しを続けるわよ!そ〜ね………凛はお姉ちゃんの寛子の事が大好きで何時も寛子の側に居たわね。寛子も凛の事が大好きで可愛がっていて、よく二人で遊んでいたわね………今思えば、こんな性格の私から、しっかりした凛が生まれるなんて思いも寄らなかったわ……」


「とても良い子だったんすね………凛さんは………。」


「そうね……今思えば、とても素直で優しい子だったわね。でも………あの子は、七年前に………死んじゃったのよ」


声を震わせながら、一粒の涙を零す陽子の姿があった。


「…………」


そんな陽子を見て零は複雑な心境だった。


零にも陽菜という掛け替えのない妹が居る。もし、陽菜がこの世から居なくなってしまう事など、零には考えられなかった。だから、あんなに怒る寛子の気持ちもよく分かった。


「すいませんでした………いくらイヴの情報が必要だったとはいえ、寛子さんや陽子さんの気持ちを考えずに聞いてしまって………」


「いいのよ!もう昔の事なんだし………あの子は私達の心の中に居るから大丈夫よ!でも、そのイヴと名乗る子は本当に凛に似ているわね………それに寛子と、同じ能力を持つなんて………私達の知らない所で何かが起こっているみたいね!でも許せないわね………あの子と同じ容姿で寛子の能力を持つなんて!!」


陽子は唇を噛み締めて手をギュッと握りしめていた。


話しを聞いた零も陽子の気持ちが痛いほど伝わってきた。


「しかし、まだ凛さんとの関連性は今の段階で分からないので、ひょっとしたら陽子さんと寛子さんの一族の血縁者の可能性もあるのでないでしょうか?」


零がそう言ったが陽子は顔を横に振り否定した。


「そうね………確かに零クンの言う線も考えられるけどね………私達の一族についての情報は殆んど美沙子が把握しているのよ!もし、こんな子が一族に居るのであるならば、直ぐに美砂子から話しがあるはずなのよ!」


陽子の言葉に零は納得した。


(確かにあれ程の能力を持っているのであれば一族の中でも目立つ筈だ………美沙子さんの情報がどれ程のものか分からないが、陽子さんが信頼する程だから相当なものなのだろうな……しかし、その情報にもヒットしてないのだから、やはり凛さんとの関連性が高いのか?)


思わずそんな事を考えていたら、陽子が零に質問をして来たので零は慌てて返事をした。


「ねえ、一つ聞いてもいいかしら?」


「は、はい何でしょうか?」


「そういえば、そのイヴと名乗る子は寛子だけじゃなくて、零クンや由美ちゃんの事をお兄ちゃんとお姉ちゃんと言ったのよね?」


零は陽子の質問な最初は何の事だと思ったが、思い出してみるとイヴは去る間際に自分の事をお兄ちゃんと言った事を思い出し零は思わず声をあげた。


「あっ!?た、確かに俺の事をお兄ちゃんと呼んでいました。それに寛子さんや由美さんの事もお姉ちゃんと言ってました!」


「確かに呼んだのね………」


陽子はそう言うと黙り込んでしまい何やら考えている様だった。


零も何故自分がお兄ちゃんと呼ばれたのか今になって凄く気になっていたが、現段階では情報が余りにも少な過ぎて考えるば考える程、混乱してしまった。


(うーーん!考えれば考える程、余計に混乱してしまう!イヴの正体を暴く為にせっかく聞いたのに、余計分からなくなってしまった………しかも、あの子が変身した時に感じた能力に微かに[黒の刻印]の能力も感じた………一体何者なんだあの子は?)


零は無意識に親指の爪を噛みながら考えていると先程から黙り込んで考え事をしていた陽子が急に立ち上がった。


「まあ〜今の段階では情報が余りにも少な過ぎて推測の域を出ないから時間の無駄ね!それに私達だけで考えても仕方が無いしね。明日、美沙子に相談してみるわ!それに、かなり遅い時間だから、明日がキツイわよ?」


陽子の言葉に零も納得して頷くとテーブルに置いてあった麦茶を飲み干すと流しに持って行こうすると陽子が「気を使わないていいのよ。片付けは私がするわ!」と言うと零の手からコップを取り上げると流しに持って行った。


「あっ!寛子には私が凛の事を話したのは内緒にしていてね!あの子は私が喋ったと言うと絶対に怒るから、お願いね!」


「はい、分かりました。」


零が返事をすると、廊下の方から声が聞こえた。


「誰に内緒にするの?」





零と陽子は声のする方を見てみると寛子が目を細めて二人を見ていた。

今年も後僅かになって来ました………早いですね。


来年も宜しくお願いします。

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