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関係ない

陽子は一言、呟くと黙ってしまった。


そんな母親を寛子は無言で見守っていた。


零は二人に対して何も聞けないでいたが、しかしイヴと名乗る女について少しでも情報が欲しかった。


陽子と寛子が黙ってから、少しの時間が過ぎた所で寛子が母親にハンカチを差し出すと陽子は力なく笑うと寛子からハンカチを受け取るり涙を拭うと、両手を上げると大きく深呼吸をした。


陽子はソファーから立つと冷蔵庫の方へ歩きながら、寛子と零の方をチラッと見ると麦茶でいいか聞いて来たので、二人は「うん」と返事をした。陽子は人数分のコップを用意して、冷蔵庫から麦茶を取り出すと、ソファーの方へ戻って来た。


陽子は持って来たコップに麦茶を注ぐと静かに零の顔を見た。


「ふふふ………零クンは、その子の事が聞きたい見たいね!」


「なっ!?」


不意に図星をつかれた零は複雑な表情をしながら陽子に頭を下げた。


「すいません………余り、他の家庭の事情に首を突っ込みたくないのですが………あのイヴと名乗る子の事がどうしても気になって仕方ないのです………それに、寛子さんと陽子さんもあの子について何か知っている見たいだったので………」


「…………」


「…………」


零の言葉に寛子も陽子も黙り込んでしまった。


零は言うべきでは無かったと後悔したが、陽子が麦茶を一口飲んだ後に口を開いた。


「いいわよ!………教えてあげる!」


陽子の言葉に寛子と零は驚いた。


「ほ、本当に教えて貰えるですか?」


零は信じられない表情をして陽子に聞くと陽子は頷いた。


二人の会話を見ていた寛子が、咄嗟に母親に対して怒鳴った。


「ちょっとお母さん!!一体どういうつもりなの?」


娘に怒鳴られた陽子はキョトンとした表情で首を傾げた。


「あら、どうしたの?そんなに恐い顔して?」


母親の言葉に更に頭に来た寛子が叫ぶ様に言った。


「ふざけてるはどっちよ!!お母さん!?どうして関係無い零さんに、あの子の事を話す必要があるのよ?」


寛子が怒鳴る様に言い終わると、陽子は黙ったまま寛子を見つめた。


「!?………」


寛子は陽子の無言のプレッシャーに思わず黙り込みだが、直ぐに陽子を睨み返した。


零は二人の張り詰めた空気に思わず息をするのを忘れるぐらいだったよ。


寛子と陽子が見つめあったまま、時間だけが過ぎて行った。


「…………」


「…………ふふふ」


「「!?」」


突然、陽子が沈黙を破り笑い出したので、寛子と零は呆気に取られた。しかし、寛子は真剣な表情で笑っている母親に対して頭に来て怒ったが、陽子は笑うのを止めないで喋り出した。


「ふふふ………やっぱり、寛子は私にソックリだわ!」


「な、なにがお母さんと同じなのよ?」


寛子は顔を引き攣らせながら、陽子に言うと陽子は笑顔で寛子の肩を軽く叩いた。


「ち、ちょっと私は真剣に怒ってるのに何で、そんなに笑顔でいられるのよ?」


「あはは、ごめん、ごめん」


「一体、何なのよ!?」


寛子が顔をプンプンさせながら、言うと陽子は涙を拭きながら寛子の顔を見ていた。


「いや〜、怒った寛子のを見ていると、昔の自分を見ているみたいで思わず笑っちゃったわ!」


「し、失礼ね!!私はお母さんに似たつもりはないわよ!」


寛子が否定すると、陽子は笑涙を拭きながら更に寛子の肩をポンポンと叩いた。


寛子は母親の手を払い除けると母親の顔を睨みながら言った。


「ちょっと!こっちは真剣に怒っているのに、ふざけないでよ!!」


娘の言葉に陽子は漸く笑うのを止めてテーブルに置かれた麦茶に手を伸ばすと一口だけ口にして、コップを置いた。


「はぁ〜娘からそんな事言われるのは、正直キツイわね………」


「な、なによ!私は思った事を言ったまでだからね!」


陽子はガックリとした表情で落ち込んだ。寛子は少し言い過ぎたかなと思ったが、いきなり陽子がニヒッと笑うとニヤニヤしながら寛子を見た。


その笑に寛子は少しビクついて怯んだ。


「な、なによ?その笑いは………」


「ふふふ………やっぱり、寛子は私の若い頃にソックリたわ!」


「なっ!?もういいよ!その事は!」


寛子は面倒臭そうな表情で言うと突然、廊下の方へと歩き出した。


陽子は突然、寛子が何処に行くのか気になったので聞いて見た。


「あら?話しの途中で何処に行くの?」


寛子は母親の質問に真っ赤な顔をして答えた。


「ば、馬鹿!!そんな事聞かないでよ!!」


陽子は寛子がトイレに行くと分かったので、手を振った。


そんな母親に対して寛子は怒りながら、リビングから出て行った。


寛子がリビングから去ると、急に真剣な表情で零の顔を睨む様に見た。


零は陽子の視線にビクついたが、零も真剣な表情で陽子を見ると陽子が話し掛けてきた。


「あの子も居なくなった事だし、零クン………ちょっといいかしら?」


「は、はい!………何でしょうか?」


「今はあの子が居ないから話すけど、まずはあの子事を好きになってくれて有難うね!」


「そ、そんな…俺はお礼を言われる事はしてませんよ!」


零は照れながら答えたが、陽子は首を横に振った。


「うんん………貴方にはお礼を言っておきたいの………でもね………」


「よ、陽子さん??」


零は陽子の意味ありげな言葉に少し疑問を感じた。


「陽子さん……一体どうしたんですか ……!?」


零が話し掛けようとしたら、陽子から殺気を感じたので直ぐにソファーから立ち上がり、陽子から距離を取ろうと陽子の方を見たが先程まで居たはずの陽子の姿は無かった。


(い、居ない!?)


零が周りを見回した次の瞬間、零の目の前に陽子が現れて零の胸ぐらを掴んで壁に零を押しつけた。


ダンッ!!!!


「クッ!?よ、陽子さん?」


零は混乱して訳が分からなかった。


零の胸ぐらを掴んだ陽子が低い声で話し出した。


「でもね………今の貴方の力(実力)では、ダメなのよ………それにあの子はとんでもない宿命を背負っているの………。だから、半端な気持ちであの子と居て欲しくないのよ!だから、今別れるならお互いに傷は軽くて良いと思うから………悪い事は言わないわ………別れなさい!」


零は陽子の言葉に最初は何を言っているのだ?と思ったが、話しの内容を理解すると段々怒りがこみ上げてきた。


「………ふ、ふざけるな!!!!」


「!?」






零は気が付いたら、能力を全力で解放して自分の胸ぐらを掴んでいる陽子の手を掴んて強引に胸から引き離していた。

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