プロジェクト
イヴは空間移動して、自分の部屋の中に現れた。イヴの部屋はベットと机と本棚がある殺風景な部屋だった。
本棚に置かれた数冊の本も小説ばかりで、その中の一冊に『キリ』と書かれたタイトルの本などが置かれていた。
「あ〜楽しかった!」
イヴは背伸びをしながら、先程の寛子達の事を思い出していると、突然部屋の扉が開き白色の髪と金色の髪のイヴと同じぐらいの年頃の少女が二人、イヴの部屋に入って来た。
白髪の少女はショートカットで瞳の色は黒くボーイッシュな感じで、ラフな服装をしていた。
一方、金髪の少女は白髪の少女とは対象的で腰の辺りまで髪を伸ばしており、瞳の色は黒く気の強そうな感じで、清潔感のある服装をしていた。
二人はイヴを見るなり話し掛けてきた。
「楽しそうだね………イヴ!」
白髪の女性がそう言うと、イヴは楽しそうに返事をした。
「うん!お姉ちゃんとお兄ちゃんと話せて楽しかったよ!」
イヴの言葉に金髪の女性が大きく溜息を吐いて説教気味に話し掛けた。
「イヴ………あれ程、軽率な行動は控えなさいって言ったわよね!」
イヴは金髪の女性の言葉に落ち込み謝った。
「ごめんなさい………」
イヴが落ち込んでいると白髪の少女がイヴを庇う様に話しを始めた。
「まぁまぁ、イヴも反省しているみたいだし、その辺にしといてあげたら?」
白髪の少女がそう言うと、金髪の少女は又もや溜息を吐いた。
「もぉ〜貴女は何時もイヴに甘いんだから………分かったわよ!今回はこれで終わりにしてあげる!」
金髪の少女がそう言うとイヴは瞬く間に、嬉しそうな表情をすると白髪の少女に抱きついた。
「ありがとう!!」
「ち、ちょっと、痛い、痛いよ!イヴ!」
白髪の少女はイヴの抱きつきに、最初は迷惑そうな表情をしていたが、フッ!と笑うとイヴの頭を撫ぜ始めた。
「で、お姉様とお兄様はどんな感じだった?」
白髪の少女に質問されたイヴは先程の寛子達の事を思い出しながら、答えた。
「うーん………零兄ちゃんの印象は怒りっぽい感じだったな〜!でも、寛子姉ちゃんはイヴの話しを良く聞いてくれたよ!それに優しい感じがしたよ!」
「ふ〜ん………それで、お姉様とお兄様の実力はどんな感じだった?」
「零兄ちゃんは、今の段階ではまだまだ私の実力の6割にも及ばない感じだったよ。でも、寛子姉ちゃんは…………わかんない!」
「「えっ?………分からない?」」
白髪の少女と金髪の少女はイヴの言葉に驚いた。
「うん!何かね、寛子姉ちゃんは能力を抑える物を着けてるみたいで、それが邪魔で能力解析が上手くいかなかったの!」
「そっか………残念だな〜。僕達と、どれぐらいの差があるのか知りたかったなあ〜………」
白髪の少女が残念そうな表情をしていると、金髪の少女がポケットから出した眼鏡を掛けて言った。
「いいんじゃないの!近い内に、お姉様達に会わないといけないんだから!」
金髪の少女がそう言うと、白髪の少女はニヤリと笑うと楽しそうにしていた。
「それもそうだね!あ〜早くお姉様達に会いたいな〜!」
「でも、まだ時期じゃないから、当分は先になるわね!」
「当分は先か………まっ!今は僕達は別の用事があるから、どっちにしても会いにはいけないけどね!」
「そう言う事………早く任務を終わらせましょう!」
白髪の少女と金髪の少女の会話が終わると、急にイヴの部屋の壁にモニターが出現すると、そこに白衣の男が写し出された。
「「「!?」」」
イヴ達は写し出された白衣の男を見ると直ぐに頭を下げて挨拶をした。
「これはこれは、お父様!どうなさいましたか?」
金髪の少女が言うと、白衣の男はイヴ達に向かって話し出した。
「イヴよ!私の許可なく兄妹と接触したらしいな?」
白衣の男がそう言うと、イヴは無邪気に返事した。
「うん!どうしても会いたくなったから、会いに行ったの!」
白衣の男はイヴの言葉に頭を悩ませた。
「イヴ………お前は何時も私の計画を狂わせてくれるな?」
「だって、どんな人達なのか想像していたら、居ても立っても居られなくなかったから、会いに行っちゃった!」
「はぁ〜………もういい!イヴに説教しても、時間の無駄だからな………」
「あっ!お父様、酷い!!」
「それで、余計な事は喋ってないな?」
「うん!何にも言ってないよ!」
「お前にしては珍しいな?なら、宜しい!」
「余計な事は喋ってはいないんだけど………」
「どうしたイヴ?」
イヴはモジモジしながら、言い辛そうにしていたので白衣の男はハッ!とした表情になるとイヴに質問した。
「まさか…………能力を解放したのか?」
「…………うん」
白衣の男は愕然とした表情をした。
白髪の少女も金髪の少女もイヴの言葉に驚いた。
「イヴ!!あれ程、軽率な行動は控えなさいって言ったわよね!!」
金髪の少女が怒り口調でイヴに話すと、イヴは白髪の少女の背中に隠れた。
「だって、お姉ちゃん達と出会えて嬉しかったから、つい調子に乗っちゃたの………ごめんなさい」
「そう言う問題じゃないの!!貴女のせいでお父様の計画が滅茶苦茶じゃない!!」
「だから、謝っているじゃない!」
「謝っても済まされないのよ!!」
「ひぇぇぇ………怖いよ〜!!」
イヴは白髪の少女の背中に隠れながら、怯えていたが、白衣の男が疲れた表情をして話し出した。
「もういい!………計画が大幅に狂ったが、修正出来ない事はない。しかし罰としてイヴは当分は間は謹慎を命じる!だから、今の任務には二人だけで進めるのだ。いいな!」
「「了解です!!」」
白髪の少女と金髪の少女は返事をすると、敬礼をした。
一方、イヴは不貞腐れた顔をすると、白衣の男に対して舌を出してべぇ〜とした。
白衣の男はイヴの事は無視して、話し出した。
「これから始まるプロジェクト・ANGELの為にお前達は存在するのだ!いいな!」
「「「分かっています!!!」」」
「宜しい!では、これから調整をするから、何時もの場所に集合だ!」
「「「はい!!!」」」
白衣の男が三人にそう言うと、少女達は頷くと部屋を出て行った。
白衣の男は誰も居なくなった部屋を眺めながら呟いた。
「お前の言う通り、とうとう動き出してしまった………約束の時は近いぞ…………」
そして、男が胸のポケットから写真を取り出すと懐かしむ様に取り出した写真を眺めていた。
写真には、男と一緒に綺麗な女性と男の子と可愛らしい女の子が写っていた。




