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答えは………

零は息を飲んで緊張している中、寛子が静かに話し出した。


「それで、考えたのですが………まずは、お互いの事をよく知る事が必要だと思うのです。だから、零さんとは仮のお付き合いという形で宜しいでしょうか?お互いをよく知ったうえで、お互いが納得してから、本当のお付き合いをするというのはどうでしょうか?………ダメですか?」


零は自分が思っていた答えたと寛子が言った答えたが違っていたので、最初は戸惑っていたが、寛子の言葉を理解すると嬉しそうな表情をして顔を何度も縦に振った。


「構わない!!初めは、それでも構わない!!」


「良かったです。」


寛子は零が嬉しそうにしていたのを見て無邪気な子供みたいに見えて、可愛いと思ってしまった。


寛子達の話しも無事に終わり、心配して見ていた陽子達も安心すると、テーブルに置かれていたお茶を手に取り飲み出した。


お茶を入れてから、だいぶ時間が経っていたので、すっかりお茶は冷めていた。


陽子はお茶を飲み終えると、ソファーから立ち上がり湯飲みを片付け始めた。


「そろそろ、遅い時間だから寝る部屋を決めないといけないわね!」


陽子がそう言うと、美沙子は自分の希望を言い出した。


「私はね〜やっぱり、陽子と一緒がいいな〜!」


陽子は半ば諦めた表情をして、洗い物をしながら美沙子の方は見ないで返事した。


「はいはい!分かっていますよ!」


「流石ね〜陽子!」


「どうせ、嫌って言っても納得しないでしょ!」


「勿論よ〜!」


「はあ〜………疲れるわ………」


洗い物の手伝いをしている寛子は、疲れた表情をしている母親の横顔を苦笑いをしながら、見つめていた。


娘の視線に付いた陽子が、小声で話して来た。


「でも、意外だったな〜」


突然の母親の言葉に寛子はキョトンとしたが、何の事だろと思い、寛子が母親に聞き直した。


「ん?何の事?」


「零クンの事よ!」


寛子は母親の言葉に納得すると、先程の事を思い出して少し頬を赤くした。


「ち、ちょっと、零さんの事は終わったんだから、そっとしといてよ!それに、私と零さんの問題なんだから、お母さんには関係ないでしょ!」


「そうはいかないわよ!だって私は貴女の母親よ!だから、関係はあります!」


母親の言葉に、(自分勝手だな〜)と思いながら、寛子は洗い物をしていた。


「はぁ〜それで、何が意外なの?」


陽子は先程まで疲れた表情をしていたが、娘が話しに乗ってきたので、表情を一変させて楽しそうな表情で、興味心身に聞いてきた。


「寛子が、まさかOKするなんてね〜!寛子もやっぱり女の子だったんだね!」


「だ、誰がOKしたって言ったのよ!?」


「あら?だって先程の寛子の返事を聞いていたら、誰でもOKの返事だと思うわよ!」


「そ、そうなの?」


「そうよ!」


「………どうしよう」


「どうして困る必要があるの?」


「だって………私が言いたかったのは、”まずはお互いをよく知ってから、それでも大丈夫だったら付き合いましょう!”って言いたかったのに………零さん誤解してないならいいけど………」


娘の言葉を聞いた陽子は、口に指を当てて少し考え込んだ。


「う〜ん………多分、零クンは誤解なんかしてないと思うわよ!」


寛子は陽子の言葉に、洗い物をしていた手を止めて陽子の方を見た。


「そんな事がどうして分かるの?」


陽子は寛子の質問に、笑みを浮かべて答えた。


「分かるわよ!零クンのあの時の目を見ればね!それに私だって色々と経験はあるからね!」


「そうなんだ………何か、お母さんの事、見直した!」


「あら、今までが尊敬してない様に聞こえるわね!」


寛子は陽子の冗談に、舌を出して”しまった”とした表情をして微笑った。


陽子も娘の笑顔を見て一緒に微笑った。


「でも、寛子は零クンの事はどう思っているの?」


「う〜〜ん………よくわかんない!」


「そう………まっ!ゆっくりと考えるいいわ!」


「うん、そうするつもりだよ!だって、あんなに真剣な気持ちで言ってくれたんだから、私も時間を掛けてでも、納得出来る答えを見つけたいの………」


「………何か寛子もいつの間にか、大きくなったわね!」


寛子は母親の言葉に、目を大きくして驚いた。


「急にどうしたの?」


陽子は寛子の顔を見ながら、懐かしいそうに何かを思い出していた。


陽子は、少し笑みを浮かべると再び洗い物をし始めて語りだした。


「そうね………私は寛子と接してきた時間は短いけど、篤の時だった頃は何時も私を怒らせたり、困らせたりばかりで何時までも子供だと思っていたけど、寛子になってからの貴女は考えが変わったわね………」


「そうかな?自分では余り自覚ないけど………」


「そうよ!篤の時よりちゃんと、先の事を考える様になったわ!」


寛子は母親からそう言われて少し照れてしまったが、寛子はここ最近の出来事を振り返った。


「でも、何か不思議だな~」


「何が不思議なの?」


「だって、私が篤から寛子になってから日もそんなに経っていないのに、色んな事が起こったから………」


「そうね!色んな事が起こったわね………零クンには告白されたしね!」


「あーーー!何でそんな事言うかな~!………そういえば、お父さんとお母さんの時はどんな出会いだったの?」


「!?」


陽子は娘の言葉に驚き、思わず持っていた湯飲みを落とす所だった。


「い、いきなり、そんな事聞かないの!」


「だって、私の事は聞いてくるのに自分の事は教えてくれないから、気になるよ!」


陽子は苦笑いをしながら、話しの話題を変えようと必死に思考を働かせていた。


「そ、そういえば、まだ皆の部屋を決めていなかったわね!」


「そんなの後でいいじゃない!今はお母さん達の出会いの話しが聞きたいの!」


「ほら、明日も学校があるんだから、早く寝ないとまずいでしょ!だから、今度私達の出会いについては話してあげるからね!」


「えーーーーー!」


寛子は母親の強引な話題の終わらせ方に、頬を膨らまかせてムスっとしていた。





洗い物を終わらせてから、美沙子達が座るソファーに寛子と陽子が来ると先程の部屋割りを決め始めた。


「じゃあ、さっきの続きを話すわね。美沙子は何を言っても私の部屋に来るから、それでいいとして由美ちゃんは寛子と同じ部屋でいいでしょ?」


「はい!構いません!」


「寛子もそれでいいわね!」


「うん!いいよ!」


「じゃ~残りは零クンね!」


零は女子の中に一人いる気まずさを感じていた。


「お、俺は何処でも構いません!このソファーでも構いませんが………」


零の言葉に陽子は少し怒り口調で言った。


「ダメよ!零クンはお客さんなんだから、ちゃんとした所で寝てもらいます!」


「………分かりました。では、どの部屋を使って良いのでしょうか?」


陽子は腕を組んで考え込んでいると、美沙子が突然話し出した。


「部屋も限られてるから~寛子ちゃんの部屋でいいんじゃないの〜」






「「「!?………えーーーーー!!!」」」

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