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誰か止めて

HRが終わり、先生が教室から出て行った後に、クラスメイト達が一斉に寛子の机の周りに集まって来た。


寛子はその集まりにビックリしていて、みんなの質問が四方八方から飛んでくるので寛子は困っていた。


「ねえね!篤と兄妹って本当なの?似てないね?」


「病気って、どんな病気なの?」


「勉強はずっと病室でしてたの?」


「篤くんと全然、似てないよね双子なの?」


「メチャ美人だけど、好きな人いるの?」


「得意な能力は、何なの?」


「能力のランクはもう調べての?」


「私を罵って!」


「お姉さまと呼んで宜しいですか?」


(うわ~!いっぺんに質問されても無理だよ!でも、最後の2つは何言ってんのよ?なんか危険な思考の人物が混じってますよ?)


そんな寛子を見ていた、由美が助けてくれた。


「はいはい!いっぺんに質問されても寛子が困るだけでしょ?それに、もうすぐ授業が始まるから質問はお昼休みの時にしてね!」


「えーーマジかよ!」


「そうね!海外さんが困ってる見たいだし、ごめんなさい!」


「後で、色々と聞かせてね」


そう言って、クラスのみんなは、席に戻っていった。


寛子は由美に小声でお礼を言った。


「由美、助かったわ!ありがと!」


「当たり前じゃないの、フォローするって言ったじゃない!気にしないで!」


そう言ってるうちに、教室に先生が入って来て、一時間目が始まった。


しかし、私は授業が始まってからもある事を考えていた、先ほどの弘雅の視線が妙に気になっていた。


あいつは、変に感がいい奴なので、油断は禁物だと思っていた。


そんな事を考えていたら授業も終わり休み時間になったのだが、どうも廊下の方が騒がしかったので廊下の方を見てみると、教室の窓からこっちを見ようとしている他のクラスの人で、人混みが出来ていた。


その状況を見た寛子は、かなり驚いた!


「ヒッ!………ゆ、由美……あれは何?」


「あはは…………寛子……すごい人気ね!」


「……やっぱり、私って変だから珍しいのかな?」


「…………そこまで来ると、ある意味では珍しいかもね?……………無自覚・鈍感!」


「由美?最後の方、何か言った?聞き取れなかった!」


「ううん、何にも言ってに無いよ!」


「それより、なんかさ動物園の動物の気持ちがわかるよね!」


「そうだね!」


二人がそんな話をしている間に、クラスの翼を筆頭にクラスの男子が何やら教室の端で一致団結をしていて何かを話していたので、由美と寛子は能力で聴力を少し強化して、耳を澄ませてみた。


「寛子ちゃんを外の害虫から守るぞ!!!!」


「「「「おおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」


「次の時間には交代で壁を作るぞ!そして窓にバリケードを作るぞ!!!!」


「「「「おおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」


「我らが天使を守るぞ!!!!」


「「「「おおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」


そんな、会話を聞いた寛子と由美は顔を引きつらせていた。


「……………なんて、バカな事してんのかな?」


「そうだね………男ってバカだよね!」


そんな事を言っていたら、クラスの女子の方もなんだか集まってるのが見えた。


集まりの中心にいたのは確か、委員長の斎藤 和美さんだっけ、こっちも何か怪しい集まりだなと寛子は思って、寛子は由美に和美達が何を話しをしているのか、耳を澄ませるように合図をした。


「いい!あなた達!寛子ちゃんは私達が守るのよ!!」


『『『任せて!!!!!!』』』


「男子なんかに任せていられないわ!!!」


『『『そうだね!!!!!』』』


「寛子ちゃんの純白は私達が守るのよ!!!」


『『『寛子お姉様の純白は私達が守る!!!!』』』




「「…………………………」」


「寛子………何か……凄い事になってきたね………」


「うん………そうだね」


私達は、どうしたら良いのか、わからないのであの人達を視界に入れるのを止めた。


2時間目の休み時間は翼率いる男子達が窓に沿って並び、廊下から見えないようにバリケードを張っていた。


3時間目の休み時間も和美率いる女子達が私の側に壁を作っていた。


(もう、お願いだから、ほっといてよ!………疲れました!)


次の授業は私の嫌いな能力実技だったが、受けない訳に行かないので、女子のみんなと一緒に、更衣室へ行かないと行けないのだが、女子と一緒に着替えるのに抵抗があったのでオロオロしていたら、由美に手を引っ張られた。


「寛子、観念して行くわよ!」


「だって………無理だよ!」


「大丈夫よ!今の姿は女の子なんだし、思考も女なんでしょ?」


「…………うん!」


「なら大丈夫よ!」


「由美は私に見られても大丈夫なの?」


「だって、今は女の子なんだし?寛子のも見ちゃうしね!」


「あっ!?………見られる事、忘れてた!」


「うふふふ、寛子……覚悟してね!」

「………何か、余計に行きたくない!」


「無理ね!女性はみんな通る道なんだから!」


「い・いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


嫌がる寛子を由美は引きずって、更衣室へ連れて行った。



女子更衣室に着いた、寛子はなるべく、目立たないように端っこで着替えていたが、下着一枚になった時にいきなり、背後から寛子の胸を和美が鷲掴みして来た。


「寛子さん………凄い!!………Eはあるんじゃない?」


「あん!………やめて!!!揉まないでよ!!!」


「ひょっとして、寛子さん胸が弱いんじゃ?………なら揉んじゃえ!!」


『『『和美ずるい~!!!私も寛子さんの触らせてよ!!!』』』


「………本当にやめてぇぇぇ!!!……………ぐずん」


女子に滅茶苦茶に揉まれたり、触られていた寛子が目に涙を溜めて由美の後ろに隠れた。


その姿を、見た女子達は何か変は気分だった。


「寛子さんの今の仕草って、何か無性に抱きしめたくなるよね!」


『『『うん!!!!』』』


寛子はその言葉を聞いて余計に警戒を強めた。


そんな、やり取りを見てた由美は楽しそうだった。


そして、隠れる寛子にヨシヨシと頭を撫でていた。


「はい!みんな終わりよ!寛子も怯えてるじゃないの?寛子に言う事があるでしょ!」


『『『………寛子さん!ごめんなさい!』』』


「これでいい?寛子!」


「………うん!もう二度と揉まないなら……許してあげる!」


『『『………もう一回だけ揉ませて!!!!』』』


「ダメ!!!!」


寛子は由美の後ろで怯えながら、女子は怖いとブルブルろ震えていた。




そして、着替え終わった、寛子達はグランドへと向かった。

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