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疼き?

麗華と和美は寛子から「Sランク以上の実力を持っている!」と聞かされて、二人して固まっていた。


しかし、寛子が二人に「ただ、それだけ!」と言うと、固まっていた二人が反論してきた。


「ちょっと、寛子さん!『ただ、それだけ!』では、ありませんわ!」


「そうだよ!寛子ちゃん!」


「そんなに驚く事かな?」


「驚くに決まってますわ!寛子さん!一つ言わせて貰いますが、17歳でSランク以上なんて世界中でも、滅多にいませんわ!………それに、重力制御能力までお持ちになっていますなんて………どれだけ規格外なのですの?」


「そうだよ!重力制御能力だって、寛子ちゃんが世界中で確認された6番目の人間のなるはずだよ!それも、完璧に制御が出来る存在としてね!」


「ふ、二人とも落ち着いて、そんなに凄い事なの?」


「「当たり前です!!」」


「ヒッ!………そんなに、怒り口調で言わないでよ!」


「寛子さん!貴女はどれ程、凄い事なのか分かっていませんね!」


「はぁ〜、此処まで寛子ちゃんが無自覚とは、思わなかったわ………」


「何かすいません………」


「でも私達に、話して下さって嬉しいですわ!」


「そうだね!何か信用されてるって感じだね!」


「………………」


(二人共もゴメンね……まだ、話してない事が沢山あるの………)


寛子は麗華と和美に、申し訳ないと思った。


麗華と和美は今後の事を話し合っていた。


「でも、寛子さんの事は秘密にしといた方が良いですよね!」


「うん、変な奴にバレと厄介な事になるよ!」


「そうですわね!」


「でも、白鳥先輩と連れの男の人には、バレちゃったよね………」


「!?そうでしたわ!」


「でも、白鳥先輩も年下の女の子に負けた何て言えないから、大丈夫じゃないかな?」


「確かに他の人には、言えませんわね!」


「でも、白鳥先輩も運がないよね!まさか、怒らせた相手がSランク以上の寛子ちゃんだったんだから!」


「そうですわね!あの方も災難ですわね。でも気分がスッキリしましたわ!」


「麗華ちゃん、嬉しいそうだね!」


「当たり前ですわ!こんな愉快な事は御座いませんわ!」


「アハハ、白鳥先輩も可哀相だね!」


「しかし、あの方は陰険な所がありますので、今後が心配ですわ!」


「それは言えるね!麗華ちゃんをストーカーした事を考えるなら、何かして来そうな感じがするよね!」


寛子は、麗華と和美がそんな事を話し合っていたので、少し怯えながら話し掛けた。


「ちょっと二人共、そんな話しは止めてよね!私は普通な学園生活を送りたいだけなのに………」


寛子の話しに三人は呆れながら寛子に言った。


「ねえ、寛子が今更、普通の学園生活を送るのは無理があると思うだけど………」


「そうですわね!確かに寛子さんが普通の学園生活を送るのは難しいと思いますわ!」


「…………もう、手遅れだと思うよ!」


寛子は三人の言葉を聞いて、少し怒りながら言い返した。


「ちょっと三人共、それは一体どういう意味なのよ!」


「だって、既にファンクラブは出来てるし………」


「授業中の対戦では、由美さんに重力制御能力を使ったみたいですし………」


「生徒会長をボコボコにしちゃったからね………」


「「「やっぱり、無理でしょ!」」」


「…………………」


寛子は三人の言葉に絶句してしまった。


寛子は確かに復学初日からの事を思い出してみると、大変な事ばかりしていたのを思い出して溜息を吐いて、小さく由美達に聞いてみた。


「…………やっぱり、無理かな?」


「無理よ!」


「無理ですわ!」


「可哀相だけど、無理かな?」


「えぇぇ−−−−−−!」


寛子は三人の言葉に思わず叫んでしまった。


由美達は、寛子に留めを刺すように言った。


「寛子………観念しなさい!」


「そうですわ!開き直るしか、ありませんわ!」


「寛子ちゃん………頑張れ!」


「いや−−−−−−!!」


寛子の卑屈な叫びはビルの中に虚しく響いていった。





▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼





寛子達が、そんな会話をして終えてビルから去った後、ビルの柱の陰から一人の男性が現れた。


男性は、白髪で身長は180㎝ぐらいはあって、どことなく零に似ていた。


男性は先程の寛子と透の闘いを思い出して「………遂に見つけた!【天羽】と【光守】の力だ………」と呟きながら、先程から疼いている背中を片手で抑えながら静かに思った。


(早くしなければ、時間がない…………あの力が欲しい………早く我が物にしなければ…………)


男性は激しく咳をして、寛子達が去っていった方向を見ていた。




▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼




そんな事があったのも知らずに、寛子達は商店街辺りをブラブラと歩いていた。


時間も透との闘いで、大分過ぎていたので寛子達は「じゃあ明日、学校でね!」と言うと、麗華と和美と別れた。


寛子と由美は麗華達に手を振って見送ると家の方へと歩いて行きながら、会話をし始めた。


「ねえ、寛子………気付いていた?」


「………うん!」


「やっぱり、気付いていたんだ!」


「私が気づいたのは、白鳥先輩との闘いの最中に急に背中が疼いていたの!」


「私も同じぐらいだと思うわ………突然、右手が痺れる感じがしていたのよ………」


「「……………………」」


寛子と由美は沈黙してしまった。


そして、寛子が疑問になった事を由美に話した。


「ねえ由美……やっぱり、あの場所に【黒羽】の関係の人間かあるいは、私達の一族がいたんだよね………」


「………多分、そうだと思うよ!」


「でも、【黒羽】の一族の血を引く人は、零さんか陽菜ちゃんと二人のお父さんって言っていたよね?でも、陽菜ちゃんは今は危険な状態だし、零さんも陽菜ちゃんの所に行ったと思うよ。後は零さん達のお父さんしかいないよ!」


「確かに寛子の言う通りだけど、零さん達のお父さんがこんな所に来るかな?」


「来ないと思うよ!だって、陽菜ちゃんが危険な状態なんだし!そんな暇はないと思うよ!」


「だったら、多分、私達の一族かもしれないわね………」


「それって、ヤバくない!それに一体、何の目的があってあの場所にいたんだろう………」


「分かんない………でも、何かが起こりそうな予感がする!」


「私もそんな気がする………」


「ハアーー、考えても分からないよね!それに私達が今、此処で話し合ってもしょうがないよね!」


「…………確かに私達が話し合ってもしょうがないね!」


「そうと決まれば、早く帰ってお母さん達に報告しないとまずいよね!」


「そうだね!」


「早く帰ろう!」


「うん!」





寛子と由美は急いで家に向かった。

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