最低!
寛子は透の言った事に、怒りを覚えて能力を解放させていた。
麗華と由美は、寛子の周りの温度が段々と下がっていくのを感じて、じっと寛子を見ていた。
和美も自分の怪我の事を忘れるぐらいの、緊張感に無言のまま寛子を見ていた。
しかし、寛子が能力を開放していく中で透は傲慢な態度を崩さず、寛子を睨み返して話した。
「先程、君は何を僕に言ったのか、分かっているのかい?」
「………分かっていますよ!下衆って言ったんです!」
「下衆だと………僕の聞き間違いかな?」
「もう一回、言いますよ。よく聞いて下さいね!こ・の・下・衆・が!」
「お、お前!………絶対に許さないぞ!!」
「先輩に、許して貰おう何て思いませんよ!」
「………お前、後悔するなよ!」
「………残念な方です。」
「お、お前、言わせておけば!!」
「もう、先輩とは会話はいらないと思いますが!」
そう、寛子が言うと能力の開放を更に強めると、今まで黙っていた由美が寛子に「此処ではダメよ!一般人もいるのよ!」と言ったが、寛子は怒っている為に由美の言葉を聞こうとはしなかった。
寛子の能力は更に強まっていったが、透は寛子に対して「調子に乗るなよ!」と叫んでいた。
麗華も寛子の能力に驚愕して、言葉が出せないで固まっていた。
道端に倒れたままの、和美が勇気を振り絞って寛子に向かって叫んだ。
「寛子ちゃん!もういいから、能力を抑えて!」
寛子は和美の方を振り向くと冷たい声で言った。
「ダメよ和美さん!こんな人は痛い目に合わないと分からないのよ!だから、止めないで!」
和美は何時もの寛子とは別人に見える寛子に少し怯んだが、自分の為に怒っている事は分かっていたので(分かったよ寛子ちゃん………止めないよ!)と思って寛子に言った。
「分かったわ………止めない!でも、場所を変えましょうよ!此処では他の人にも怪我をさせてしまうわ!」
「…………………」
「分かって寛子ちゃん!」
「…………分かったわ!」
寛子は和美にそう言うと、透の方を見て話し出した。
「ここで、先輩を倒してもいいんですけど、和美さんの言う通り他の人を巻き込んでしまうから場所を変えましょ!それから、和美さんに謝るまで絶対に許しませんから!」
透は寛子の言葉に更に、顔を真っ赤にして言い返した。
「調子に乗りやがって!お前こそ後悔するなよ!」
「先程からよく喋りますよね!………場所は何処にするですか?」
「つくづくムカつく奴だな!…………この近くに、僕のパパが所有する空きのビルがあるはずだ、そこなら、誰も来ないから邪魔は入らないはずだ!そこで勝負だ!」
「………いいですよ!………パパって[ボソ!]」
「強気だな!逃げ出すなら、今の内だぞ!」
「その言葉は、先輩にお返しします!」
「フン!強気でいられるのは今のうちだぞ!」
「…………本当に、先輩って口が達者ですよね!」
「お、お、お前!!言わせておけば!!」
「さっさと行きましょうよ!」
「…………今に見てろ!」
寛子は会話を終わらせると、倒れ込んでいる和美の傍によって「大丈夫?」と言葉を掛けると和美は「うん!」と返事して続けて寛子に言った。
「私の為に、ごめんなさい………」
「ううん、和美さんは何も悪くないよ!悪いのはあの人だから!」
「でも…………」
「何も言わないいから、ただ私が許せないだけだから!」
「…………うん」
寛子は和美を立たせると、由美の方を見て謝った。
「由美、ごめんね。さっきは頭に血が登り過ぎて、由美の言葉が入って来なかったの………」
「だろうと思ったよ!昔から寛子は逆上すると、周りの事が見えなくなるからね!」
「………ごめんね………」
「もういいよ!でも、アイツは絶対に許せないから、ギタギタにしてよ!」
「そのつもりよ!」
「任せたわよ!」
「ふふふ、任せて!」
寛子は由美との会話で、少し笑った。
それを見た麗華はキョトンとして、由美と寛子に話し掛けた。
「ねえ………由美さんは先程の寛子さんを見ても、驚かなかったの?」
「そっか、麗華と和美は寛子が怒った姿を見たのは初めてだもんね!」
「そうですわ!だから、寛子さんのあんな事を言うなんて思いませんでしたわ!それに先程の能力はAランク近くまで上がっていましたよね?」
「そうだよね、初めて見ると戸惑うよね!」
「そうですわ!ひょっとして二重人格ですの?」
「そうかも知れないよね!」
由美と麗華がそんな会話をしていたが、寛子が二人に話し掛けた。
「二人共、話しはそれぐらいにして早く行きましょう!先輩も我慢できないみたいよ!」
寛子が透の方を見ると、透は腕を組んで睨んでいた。
それを見た、由美と麗華は「そうね!行きましょうか!」と言って、和美を支えながら歩き出した。
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寛子達が廃墟のビルに着くと、透が寛子の方を見て話し出した。
「此処なら誰の邪魔も入らないから、君と僕との違いの差を見せつけてあげるよ!」
「違いの差ですか?実際に戦わないと分かりませんよ!」
「五月蝿い!お前は僕に言ってはならない事を言ったんだから、それなりの罰は受けて貰うよ!」
「私は思った事を言っただけです!それに、先輩がが私に罰を与える事が出来るんですか?」
「ふふふ、出来るさ!君は僕のランクを知らないだろう?」
「興味がありません!」
「聞いて驚くなよ…………俺のランクはA+だ!驚いたか?」
「…………………」
「怖くて、何も言えなくなったか!」
「…………………もう喋らないで下さい!さっさと始めましょ!」
寛子は透のランクを聞いたが、逆上している為か寛子は何も思わなくて、早く戦いたい衝動だけが湧き上がってきたのである。
そんな、寛子の気も知らずに透は勝ち誇った態度で、更に話してきた。
「俺は認めてないが仮にも零華クンの友達だから、今の内に泣いて謝るなら許してやらない事はないぞ!どうする?」
「………さっき言いませんでしたか先輩?もう喋らないで下さいと?」
「麗華クンには済まないが、君のお友達を壊してしまうかもしれない?そうなった時は許してくれ。それと、君は助かるたった一つのチャンスを逃したんだよ!覚悟はいいかい?」
「とっくに出来てますから!」
「なら、始めようか!」
透は、一気に能力を開放し始めたて右手に炎の玉を作り出すと、それを寛子に向かって放った。
寛子は右手を正面に突き出すと、氷の壁を作って防御をした。
炎の玉は寛子の氷の壁に当たると強い衝撃音を立てて消えた。
透はその状況を見て、寛子に言った。
「少しは出来るみたいだね?でも、先程の攻撃は僕の半分の力も出していないからね!」
「………………」
「絶望し過ぎて、何も言えないのかい?可哀想に………でもね次はもっと威力を上げるから、覚悟しなよ!」
そう言って、透は能力を更に開放し始めた。
寛子は無言のまま透を見ていた。




