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過去

寛子達が立ち止まっていると、零が寛子達に気付いて寛子達の方へ歩いてきた。


麗華は「一体、どちら様なの?」と寛子達に聞くいたが、寛子は「ちょっと、話しが長くなるから後から説明するね!」と言うと、歩いてくる零の方を見た。


(一体、どうしたんだろう?…………【黒羽】の人と関わらないと、お母さんと約束したし………)


寛子がそんな事を思っていたら、零は寛子の直ぐ前まで来ると寛子に話し掛けてきた。


「済まない、いきなりの訪問で!」


「一体どうしたのですか?……それによく私達の学校が分かりましたね?」


「ああ、君達の制服を見れば直ぐに天童学園の生徒だと分かるよ!それに、俺はこの学園の卒業生だしな!」


「「「えっ?零さんは私達の先輩なんです?」」」


寛子と零の会話を聞いていた由美と和美が一緒に、驚いた。


「そうだな!確かに君達の先輩になるな!」


「でも、一体どうしたんですか?こんな朝から?」


「君達に力を貸して欲しいんだ!」


「私達にですか?」


「そうだ!」


「どうして私達なんですか?」


「それは、後から詳しく話しをする………」


「…………分かりました。とりあえず、聞いてからですね!」


「済まない………また、放課後に此処に来るからその時に………」


零はそう言うと、寛子達に背を向けて去っていった。


寛子達は「一体何の用があるのだろう?」と話していた。


寛子達の事を見ていた生徒達が慌てて、学園へと入って行くのが分かったので、麗華が時計を見ると8時10分だったので、寛子達に「遅刻してしまいますわ!」と言うと、寛子達も慌てて学園へ入って行った。





▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼




午前の授業も終わり、お昼休みとなっていた。



昼休みに入ると、寛子と由美と和美は机を並べて、お弁当出して麗華を待っていた。


教室の扉が開くと、麗華が入って来て寛子達に「お待たせしましたわ!」と言うと、寛子達が並べていた席に座って持参のお弁当を出した。


四人は食事を取りながら、零に付いて麗華に詳しく話し出した。


この前、自分達が放課後の帰りに陽菜と言う少女と出会ってから、零が陽菜の兄である事やゲームセンターで不良に絡まれた時に、零が助けてくれた事や零が使う黒い能力の事を話したが、寛子は零について一族と能力の秘密だけ話さなかった。


それは陽子から聞いた【黒羽】が元々は【天羽】から別れた一族だった事や【黒羽】が祖先が力に溺れた事や[黒の刻印]については一切、麗華には話さなかった。


(お母さんから聞いた事は絶対に話せないな………)


寛子がそう思っていると、由美が寛子にテレパシーを送ってきた。


『ねえ、寛子!』


『な、何?由美!いきなりテレパシー何て使わないでよ!ビックリするじゃない!』


『ごめん、ごめん!………でも、今【黒羽】について考えていたでしょ!』


『………うん!そうだよ。由美は【黒羽】について美沙子さんに詳しく聞いたの?』


『私も聞いたわ!【黒羽】の始まりから、[黒の刻印]や私に流れる【光守】の血が【黒羽】の能力に反応する事までね!』


『そっか………私が知ってる内容と同じだね!』


『でも、一体どうしたのかな?』


『分かんない………でも、余り【黒羽】とは関わりたくないな~』


『そうね………確か【黒羽】の一族は【天羽】と【光守】の一族に監視されているんだっけ?』


『そうなの!だからお母さんも【黒羽】に関わると、私や由美の家の事もバレちゃうって言っていたしね!』


『そうだったわね!この前【黒羽】には関わらないと約束したもんね!』


『でも、まさか向こうから私達に接触してくるとは思わなかったよ!』


『うん!私もビックリしたわよ!』


『でも、零さんは確か「俺達の一族については関わるな!」みたいな事を言ってなかったけ?』


『流石に寛子が言った「関わるな!」とは言ってなかったと思うけど、それに近い事は言っていたと思うよ!』


『なら、一体どんな用事があるのかな?』


『ねえ!零さんは私達の力が借りたいと言っていたよね!』


『あっ!そうだよ!………確かに言っていた!』


『………何か、嫌な予感しない?』


『……………同感』


「ちょっと、二人とも聞いてますの!?」


寛子と由美は麗華の声でテレパシーを解除して「ハッ!」として、麗華の顔を見た。


麗華が少し怒りながら、「二人ともボーとして、話しを聞いていましたの?」と言ってきたので、寛子と由美は麗華と和美に「ごめんね!聞いてなかった!」と言うと麗華は「もう~!ちゃんと聞くのですよ!」と言ったので、寛子が「で、何の話だっけ?」と言うと麗華が怒り口調で話してだした。


「よく聞いて下さいね!」


「「は~~~い!」」


「…………………」


「「どうしたの?」」


「……………その返事………何かムカつきますわ!」


「「落ち着いて!」」


「何で、ハモっていますの?」


「「分かりません!」」


「聞く気はありますの?」


「「あるある!」」


「だから、何でハモっていますの!!!!」


「「さあーーーー?」」


「…………………………ムカつきますわ!」


和美は麗華と寛子達の会話を聞いて、お腹を抱えて笑っていた。


麗華が和美の方を見ると、和美に標的を変えてきた。


「和美さんも、何がそんなに可笑しいですの?」


「ぎゃはははは!!!それは、麗華ちゃん達の漫才が最高!!!」


「私は漫才などしておりませんが……………一度、死んでみますか?」


「!?………滅相もありません!」


「………分かれば宜しいですわ!」


「はい!静かにします!」


麗華が和美を落ち着かせると、寛子達の方を見て「次は真剣に聞いて下さいね!」と言って、会話を再開した。


「それでは、先ほどの続きを話しますね!」


「「「分かった!!」」」


「………………まあいいですわ!」


「「「何がいいの?」」」


「黙って下さい!では、続きですが!その零さんが放課後にまた来ると言いましたよね!」


「「「うん、また来るって言ったよ!」」」


「その零さんについて、少し調べたのですが………零さんには気を許さないで欲しいのですわ!」


「「「!?な、何で?」」」


「それは、零さんが在学中に起こした暴力事件などを、上げたら軽く30件は超えてしまうのですわ!」


「「「そ、そんなに!?」」」


「はい………その中でも一番、酷かった事件では………」


「「「どうしたの?」」」


「……………人を危うく殺めてしまう事件がありましたの………」


「「「えっ!?」」」


麗華の言葉に、寛子達は零がそんな風にとても見えなかったので「何かの間違いでは?」と麗華に聞き直したが、麗華は「………事実です!」と言った。





寛子達は麗華の言葉に、固まっていた。

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