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私の身体の異変

陽子は寛子が声を上げたので、直ぐに寛子の方を見てみると、篤に変わった我が子がいたので(な、何で今頃?………おかしい?)と思っていたら、篤の身体に又、異変が起こった。


篤なのに能力の高まりを感じたのだ。


次の瞬間、篤の背中に光の翼が出来るのだ。


そして篤の身体を光が覆いしばらくすると、篤の身体を覆っていた光が消えると、篤の身体は寛子に戻っていた。


陽子は寛子と篤の身体に何が起こったのかが、予想出来て直ぐに陽子の傍に駆け寄った。


寛子は気を失ってその場に、倒れようとしたので駆け寄った陽子が寛子を抱き寄せた。


陽子は寛子を抱えたままリビングのソファーまで行くと気を失っている寛子を、ソファーに寝かせた。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




視点は寛子に戻る。


寛子は身体の疼きを感じた。


身体が疼き、骨が軋むので「い、痛い!……身体が痛いよ!」と声を出していた。


寛子の身体は瞬く間に、篤に戻っていたのだ。


篤に戻った身体を見て(あれ、男に戻っちゃった!………でも、どうして思考が寛子なの?どうして?)と篤にの姿で、思っていたら次の瞬間に能力が勝手に解放されていくのを感じた「な、何が起こっているの?」篤[寛子]がそう思っていると、背中に違和感を感じると、背中に光の翼が出来たのが分かった。


そして、自分の身体に光が覆いだすのが分かると又、身体が疼き出した。


篤[寛子]は光の中で人影を見た、その人影はぼんやりとしてはっきりとは見えなかったが、確かに自分と同じ翼を生やしていたのは分かった。


人影は、篤[寛子]に「貴女……私……後継…のね!………この……先……貴女……辛い……が待ってい………思うけど、………るのよ!……待っているわ!」と、途切れて何を言っているのか分からなかったが、篤[寛子]は人影に手を突き出して「待って!」と叫んだが、人影は消えてしまった。


篤[寛子]は人影が言った最後の「待っているわ!」だけは、聞き取れると光は収まった。


篤の身体は寛子に戻ると、寛子はその場で気を失った。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





寛子が目を覚ますと、リビングのソファーに寝かされているのが分かった。


傍で付き添っていた陽子がいたので、寛子は一体、自分の身体に何が起こったのかを聞いてみた。


「ありがとう、お母さん!」


「あら、もういいの?寛子!」


「う、うん!もう、身体の疼きもないよ!」


「そう!良かったわ!」


「でも、私の身体に何が起こったの?」


「…………それは、私の予想でしか言えないけど、それでもいい?」


「うん!お母さんの言う事は、何時も当たっているから良いよ!」


「ありがとうね、寛子!」


「それで、私の身体に何が起こったの?」


「それはね、寛子の能力が成長しているのに、そのブレスレットで能力を押さえているから多分、寛子の中で能力が暴走してしまったのよ!」


「ええっ!暴走なの?」


「そうよ!普段、抑えて行き場を失った力が寛子の中で暴走を起こしてしまったのよ!だから、篤の身体に戻っても、能力が解放されて翼が出来ちゃったのよね!多分!」


「なら、今度からこんな暴走が起こるのかな?………学園で起こったら、どうしよう…………」


「大丈夫よ!これから毎日、帰ってから能力を解放すれば、暴走は起こらないはずよ!」


「…………何か不便な身体な〜………」


「しょうがないわよ!寛子だって、人前で男になるのは嫌でしょ!」


「………うん、嫌!」


「なら、私も付き合ってあげるから、頑張りましょう!」


「お母さんが付き合ってくれるなら、良いよ!」


「それに、寛子が能力を完全に制御出来るようになれば、そのブレスレットは要らないしね!」


「うぅぅ〜……能力の制御かぁ〜!自信無いなぁ〜!」


「何言っているの!寛子が暴走したら、大変な事になるんだから!」


「そ、そうなの?」


「当たり前じゃない!ちょっとは自分の力に責任を持ちなさい!」


「………はい!」


「分かれば宜しい!」


「あっ!お母さんに聞きたい事が、もう一つあったの!」


「何が聞きたいの?」


「私がね光に包まれた時にね翼を生やした人影をみたの!」


「えっ?………翼を生やした人影?」


「うん!何か私に話して来たんだけど、何言っているのか聞き取れなくて、消えちゃったけど!」


「寛子!その人影が言っていた言葉で、覚えている所はないの!?」


「う〜ん、確かに最後に『待っている!』は覚えているよ!」


「その人影は『待っている!』と寛子に言ったのね!」


「そ、そうだよ!どうしたの?急に取り乱して、お母さん?」


「………寛子!よく聞いてね!寛子が見た人影は多分、私達の【始まりの人】だと思うのよ!」


「えっ!【始まりの人】?」


「そう、私も昔に会った事があるのよ!」


「お、お母さんも会った事があるの?」


「そうよ!私がまだ小さい頃にね!」


「その時【始まりの人】は、お母さんに何か言ったの?」


「うん、言ったわよ!『貴女は約束の子を宿す!』と言われたけど、小さい私には理解が出来なくて、気にも止めなかったけどね!」


「でも、【始まりの人】が言った【約束の子】って、私の事なのかな?」


「う〜ん、分からないわね?」


「でも、お母さんはその後も【始まりの人】と会ったの?」


「そうね!会ってはいたけど、寛子と同じで何を言っているのか、聞き取れなかったわ!」


「はぁ〜、はっきりと喋ってほしいよね!」


「ふふふ、そうね!それに、私は【始まりの人】を【天使】と呼んでいたわ!」


「【天使】?」


「そうよ!寛子も見た時は【天使】に見えたでしょ?」


「確かに【天使】に見えたよ!」


「そうでしょ!」


「でも、一体私達にどんな用があるのかな?」


「分からないわね!でも、一つ分かる事があるわ!」


「えっ!何?」


「それは………お腹が空いた事!」


「!?………もう〜!何言ってるのお母さん!」


「お母さん、お腹が空いちゃった!」


「………言われてみれば、私も………」


「なら、御飯にしましょうかね!」


「うん!手伝うよ!」


「ありがとう!」


陽子は夕飯の準備をし始めた。


寛子は着替える為に、自分の部屋に戻っていた。


寛子が二階に上がって行くのを陽子は見ながら思った。





(ごめんね、寛子!【天使】が言った言葉には、続きがあるのよ!)

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