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呼んでないのに再び参上!

寛子達は、麗華に振り回されて昼休みを終えた。


三人は既に疲れて果てて、午後の授業が始まっても授業を受ける気力が無かった。


授業も終わり放課後になって、ようやく寛子達は帰れると思うと急に元気が出始めた。


寛子達は帰る準備が出来ると、「今日は何処に寄って行く?」など言って、遊ぶ事ばかり考えていたら急に寛子の携帯音が鳴り出した。


ピッピッピ!

ピッピッピ!

ピッピッピッピッピッピッピ!


「「なんで!三三七拍子なん!!」」


由美と和美が寛子にツッコミを入れる!寛子は「エヘ!」と照れていた。


「だって、好きなんだもん!」


「寛子の趣味が分からないよ!」

「全くです!」


由美と和美は呆れていたが、どうやら寛子の携帯に入って来たのはメールだったみたいで、寛子はメールの差出人を見て固まった。


由美と和美も固まった寛子のメールが気になって携帯を覗き込んで見た。


「「!?…………悪夢だ!」」


由美と和美が一斉に呟くと、固まっていた寛子が二人に続いて呟いた。


「…………これって、迷惑メールで処理していいかな?」


「「うん!」」


由美と和美は寛子の言葉に頷き返事した。


流石に、迷惑メールにする訳にはいかないので、寛子は恐る恐るメールを開いてみた。


メールの内容はこう書かれていた。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


今日のお昼は楽しかったですわ!


お友達になってくださりまして嬉しかったですの!


早速、お友達になりましたので、寛子さんのご自宅に行ってみたいと思いましたわ!


放課後になりましたら、正門でお待ちしております。



麗華より



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


「「「……………何故そうなるの?」」」


三人はツッコミどころの満載な内容を見て、頭を悩ませた。


「どうしよう!」


「凄くヤバイよね!」


「裏門から逃げる?」


寛子達は麗華の行動に恐怖を覚えて、和美が言った「裏門から逃げる」に決めて寛子達は校舎裏へと向かったが、裏門が見えて来ると寛子達は裏門に怪しい黒いスーツを着た男達が立っているのが分かった。


三人はその男達が誰の指示で立っているのが大体、予想が出来て話し合った。


「………ねえ?あの男達は見張りだよね?」


「………間違いなくね!」


「完璧に黒柳さんの指示だよね!」


「………逃げ場がないよ!」


「もう直接、本人と話して断るしかないよ!」


「………話しが通じるかな?」


和美の最後の言葉に寛子と由美は昼休みの麗華とのやり取りを思い出した。


「「やっぱり、無理かも知れない!」」


「だよね〜!」


しかし、寛子達には選択の余地はなっかたので仕方なく麗華が待っている正門の方へと向かって行った。

正門が見えてくると麗華が待っているのが分かった。


麗華は寛子達の姿を確認すると嬉しそうに手を振って、「お待ちしておりましたわ!」と寛子達に言った。


それを見た寛子達は口を引きつらせながら、笑顔を作っていた。


麗華はそんな寛子達の表情を気づかないで寛子達に話してきた。


「寛子さん、急な頼み事をで申し訳ございません!」


「そ、そうですね!」


「でも、せっかくお友達になりましたので是非とも寛子さんのお家に行ってみたいのですわ!」


「急に言われても、困りますよ!」


「ご迷惑はお掛けいたしません!」


「既に迷惑が掛かっています!」


「では、参りましょう!」


「…………………………」


(…………ダメ!会話が成り立っていないよ!ちょっとは話しを聞いてよ!!)


寛子と麗華の会話は全くと言っていい程、会話が成り立っていなかった。


そして、麗華の中では既に寛子の家に遊びに行く事は、決定事項になっていた。


寛子も由美も和美も、目の前で喜んでいる麗華を見て心で思った。


(((………この人には………適わない!どう見ても、この人は暴走している!!)))


寛子達がそんな事を思っていたら、麗華と黒服の男が会話を始めた。


麗華の傍に立っている黒服の男達のリーダーと思われる人物に「今日はもう宜しいですわ!下がりなさい!」と言うと、黒服の男は「しかし、それでは!」と返事をしてきたのである。


麗華は「私の言う事が聞けないの?私は下がりなさいと言ってますのよ!」と再び、黒服の男に言うと男は渋々、麗華に「了解しました!しかし、これだけはお持ちください!」と言うと麗華に小型GPSを搭載した指輪を麗華に渡すと麗華は溜息をついて「本当に心配性ですわね!こんな物は、この黒柳 麗華には必要は御座いませんのよ!」そう言うと麗華は指輪を受け取ろうとしなかった。


麗華が指輪を受け取ろうとしなかったので、男は「では、申し訳御座いませんが、我々もお嬢様について行きます!」と答えてきた。


男の言葉に、麗華は自分の言う事を聞かないのでムキになって「貴方、私の言う事が聞けないの?」と、言うと男は「麗華様のお父様に、我々は何があっても麗華様を守るように言われておりますので指輪だけは、つけて貰います!」男がそう言うと、麗華は渋々、「貸しなさい!」と言って指輪を取り上げると自分の指に嵌めて「これなら文句はありませんわね!」と言った。


すると、男は頷いて携帯を取り出すと他の黒服の男達に連絡を取って麗華に「何かありましたら、指輪を五回だけ軽く叩いて下さい!緊急モードに入る様になっておりますので、直ぐに我々が駆けつけます!」そう男が言うと寛子達の方を見て「お嬢様がご迷惑をお掛けしますが、どうか宜しくお願いします!」と言って頭を下げて来たので寛子達も「何処まで頑張れるか分かりませんが、頑張ってみます!」と返事を返したら男は更に深く頭を下げた。


すると、黒いベンツが三台ほど来ると黒服の男達は車に乗って去っていった。


それを見ていた寛子達は(あの人達も大変なんだな~!お気の毒に………)と思った。


黒服の男達がいなくなると、麗華は寛子達の方に振り向いて嬉しそうな顔をしたので、寛子達は「ギクッ!」と反応してしまった。


麗華は笑顔で寛子達に言ってきた。


「手間を取らせて、申し訳御座いませんわ!」


「「「そうですね!」」」


寛子達は皮肉を言ったが、麗華には効かなかった。


それどころか麗華の暴走は更にヒートアップした。


「では、寛子さんのご自宅へ向かいましょう!」


「本当に行くんですか?」


「当たり前ですわ!」


「……………………」


「楽しみですわ!」


(((もはや、止められそうない!)))


寛子達は大きく溜息をついて麗華を見ていた。


そして寛子は(お母さん……ごめんなさい!今から災いを持っていく娘を許して!)と思っていた。




そんな寛子達の思いを知らず、麗華は一人はしゃいでいた。

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