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悩み事

あれから、【黒羽】の一族の話しを由美の家で説明を終えて、寛子と陽子は自宅に戻っていた。


陽子は夕食の準備をして、寛子は部屋に戻って着替えを済ませると、陽子の手伝いをしていた。


寛子は手伝いをしながら、陽子に今日の学園での出来事を話していた、【黒羽】に付いては寛子は一切、触れずに陽子との夕食を終えて、お風呂のに入り身体を洗い、浴槽につかりながら、寛子は【黒羽】に付いて考えていた。


(零さん達には、もう二度と関わらない方がいいのよね………でも、陽菜ちゃんとは、もう一度だけ遊びたかったな〜!………でも、零さんも陽菜ちゃんも、ただ【黒羽】の血を引いてるだけで、ずっと一族に監視されているなんて………)


寛子は複雑な心境だった。


確かに【黒羽】の始まりの者は力に溺れてしまったが、その者を一族が異端者の扱いしないで、受け入れていれば、その者は罪を犯す事も無かったのではと寛子は考えていた。


それともう一つだけ、気掛かりな事が寛子にはあった。


(陽菜ちゃんの能力がもし覚醒したら、陽菜ちゃんはどうなってしまうんだろ!………どうにか、してあげれないのかな?)


考え事をしていた寛子だったが、流石に長く入り過ぎたみたいで、少し頭がポーとして来たので上がる事にした。


お風呂から上がり、パジャマに着替えると自分の部屋に戻って、今日は早く寝ようと思い、部屋の電気を消すとベットに入りそのまま寝てしまった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




朝になってから、寛子は珍しく何時もより早く目覚めたので、一階に降りて見ると台所で陽子が、お弁当を作っていたので、寛子は陽子に挨拶をして手伝いをした。


「おはよう!お母さん」


「ん、おはよう!今日はやけに早いね!」


「うん、何か早く目が覚めちゃった!」


「早起きは良い事だからたまには、いんじゃないの!」


「そうだね!」


「そういえば、昨日は寛子は、ずっと考え事していたでしょ!」


「えっ!何で分かったの?」


「だって、お風呂も長かったし、少し元気がなかったもんね!」


「私、そんなに元気がなかったの?」


「まぁ〜、普通の人は気付かないかもしれないけど、私は貴女の親だからね!気付いて当然でしょ!」


「やっぱり、お母さんには、気付かれたね!」


「で、昨日の事を考えていたの?」


「うん!昨日ね出会った零さんと陽菜ちゃんの事を考えていたの!」


「その人達は良い人だったの?」


「そうだね!いい人だったよ二人とも、零さんはクールな人で普段は余り、喋らない人でね!妹さんの陽菜ちゃんは凄く可愛い子だったよ!」


「良い人で良かったわね!」


「うん!」


「で、零くんだっけ?寛子はカッコイイと思ったの?」


「そ、そんな事は思っていないよ!もぉ〜!どうして、そんな事を言うかな!」


「だって、寛子がずっと考え事していたから、恋しちゃったかな?って思ったのよ!」


「そんな事はないです!………でもね、陽菜ちゃんについて悩んでいたの!」


「その子がどうしたの?」


「あのね!陽菜ちゃんは10歳ぐらいなんだけど、まだ能力を覚醒させていないの!」


「…………10歳で能力に目覚めていないの?」


「うん!もう、[慣れの時]を過ぎちゃているみたいなの!」


「………それは大変ね!ただでさえ、[慣れの時]を過ぎて能力に目覚めたら、身体に何かしら負荷が掛かるのに、その子は【黒羽】の血を引いているのでしょ?」


「………うん!【黒羽】の血を引いているみたい!」


「そうだよ!」


「なら、厄介な事になるわね!」


「どうして?」


「【黒羽】の血はただでさえ能力が強いと思うのよ!だからその子の身体に掛かる負荷が大きいと思うのよ!」


「!?………どうにか出来ないの?」


「……………ある事はあるんだけど!」


「何か方法があるのね!」


「でも、【黒羽】に関わる事になるから、【天羽】と【光守】の一族に私達の事がバレてしまうのよ!」


「………そ、そうだよね!」


「それに、私達だけではなくて、美沙子と由美ちゃんにも迷惑が掛かるのよ!」


「………分かった!やっぱり、私だけならいいけど、お母さんや美沙子と由美に迷惑は掛けたくない!」


「ごめんね!寛子………」


「ううん!お母さんは謝らないで!私が勝手に思っただけだから!」


陽子と寛子はお弁当と朝食の用意が出来たので、寛子はお弁当を鞄に入れると陽子と朝食を食べる事にした。


二人は朝食を終えると食器を片付け始めて、寛子が時間を見ると既に7時を過ぎていたので、寛子は自分の部屋に戻り、制服に着替えると一階に降りて、陽子に「行ってきます!」と言って、由美の家に向かった。


寛子が由美の家に向かうと丁度、由美も玄関を出て来ていた。


寛子が由美に「おはよう!」と挨拶をすると、由美も挨拶を返してきた。


寛子と由美は二人で登校しながら、寛子は昨日から気になっている陽菜の事を由美に話してみた。


「あのね由美!ちょっと聞いて欲しいんだけど!」


「どうしたの寛子?」


「今朝ね……お母さんに話したんだけど、陽菜ちゃんの能力に付いて聞いたんだけど!」


「………あまり、よくない返事だったのね!」


「………うん!陽菜ちゃんは【黒羽】の血を引いてるから、お母さんの予想では【黒羽】の能力は強いらしいの!だから、覚醒した時の身体に掛かる負担が普通の人とは違うんだって!」


「確か、零さんも言っていたよね!最悪の場合は死んでしまうと………」


「そうなの!でも、お母さんに聞いたら助かる方法はあるみたいなの!でも………」


「どうしたの寛子?」


「お母さんが言うには、【黒羽】に関わったら、私達の事が【天羽】と【光守】にバレてしまうらしいの!そしたら、美沙子や由美にも迷惑が、掛かってしまうの!」


「そうなんだ!確かに私達はいいけど、お母さん達には迷惑は掛けられないよね!」


「………お母さん達は、一族の中で沢山、嫌な思いしていたはずだから………」


「………そうだね!」


二人はこの前、陽子と美沙子の悲しい顔で自分達の昔話をしていたのを、思い出していた。


寛子は気を取り直して由美に話し掛けた。


「この話は、もう終わりにしよう!行こう由美!」


「そうだね!」





寛子と由美は話しを終わらせて学園へ歩いて行った。

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