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朝の騒動

寛子と由美が校舎の靴箱前に着くと、二人は話ながら、それぞろの靴を直そうと靴箱の扉を開いた。


先に由美が自分の靴箱を開くと手紙が3通入っていた。


由美は「はぁ〜」と溜息を吐いて、手紙を鞄に入れた。


そんな由美を見て寛子は苦笑いで言葉を掛けた。


「由美は相変わらずモテるよね!」


「ちょっと、寛子!それ、嫌味でしょ!………どうせ、貰っても断るだけだから、無駄なのにね!」


「やっぱり、学園の美少女ランキング8に入る方は、言う事が違いますね!」


「だ・れ・が!美少女ランキング8に入るのかな〜?寛子ちゃん!?」


「じ、冗談よ!由美さん」


「命拾いしたわね!寛子ちゃん!」


(うぅぅ………やっぱり由美は怒らせら怖い!でも黙って至ら美人なのに、勿体ない〜)


そんな事を思いながら寛子は自分の靴箱を開けて見ると手紙が靴箱一杯に入っていたので、寛子は固まった。


その状況を見た由美が仕返しのつもりで言ってきた。


「寛子ちゃんも罪な女よね!モテモテじゃん!」


「……………何これ?」


「見て通りでしょ!」


「………有り得ない!」


「認めたくなくても、そのラブレターが証拠よ!」


「……………」


「寛子は凄く人気が出ると思っていたけど、まさかこれ程とは思わなかったわ!」


「これって、何かの間違いだよね?」


「………諦めなさい!」


「い、嫌だぁ−−−!」


「落ち着いて、寛子!」


「だって男性からだよ!」


「気持ちは分かるけど、今は寛子なんだし!」


「うぅぅ!何で私がこんな目に…………」


「でも、一日でこんな事になるなんてね!」


「……………もう嫌だよ~!」


二人がそんな事を話していたら、弘雅が遅れてやって来て、寛子の靴箱の手紙を見るなり凄い剣幕で寛子の靴箱のに入っている手紙を全部取ると、近くにあったゴミ箱に捨てようとしたので慌てて、寛子は弘雅に声を掛けた。


「そんな事したら、ダメ!!!」


寛子は慌てて弘雅に叫んだ。


弘雅の動きが止まって、寛子の方を見ると、聞いてきた。


「さっき、寛子のと由美の会話をチラッと聞いたけど、嫌なんだろ?」


「そ、そうだけど………」


「なら、捨てたっていいんじゃねえのか?」


「でも、ゴミ箱に捨てるなんて出来ないよ!」


「寛子は、こんなの貰って嬉しいのかよ?」


「それは…………」


弘雅の質問に、寛子は言葉が詰まって黙ってしまった。


由美は二人の会話を黙って見ていたのだが、何かを理解して話しだした。


「ねえ、井上がそこまでする必要はないんじゃないの?」


「なんでだよ!」


「だって、手紙を貰ったのは寛子なんだし、貴方には関係ないじゃない!」


「それは、そうだけど……」


「単刀直入に言うわね!貴方、単に嫉妬しただけでしょ!」


「!?」


「図星でしょ!貴方みっともないわね!」


「お、お前には関係ないだろ!」


「大アリなのよね!」


(私だって篤の事を………好きかも、しれない!………まだ、分からないけど………)


「はいはい!だから、その手紙を返しなさい!」


「……………………」


そう言われて、弘雅じゃ顔を赤くして手紙を由美に渡すとその場から走って去っていった。


由美は弘雅から受け取った手紙を寛子に渡すと、寛子に一言いった。


「もう~!しっかりしなさいよね!」


「う、うん!ありがと由美………」


「早く、手紙を直して教室に行こう!」


「うん!」


寛子は手紙を鞄に入れると由美と一緒に教室に向かった。



二人が教室の扉を開いてクラスメイトに挨拶をすると、クラスメイトは無言で一斉に二人の方を見つめた。


その状況に由美も寛子も、ちょっと引いてしまった。


寛子は隣にいる由美に小声で聞いた。


「ゆ、由美……何なのコレ?」


「わ、私に聞かれても分かんないわよ!」


困惑する二人に和美が席を立ち、二人の傍にやって来て話し掛けてきた。


「ちょっと、二人共こっちに来て!」


「「う、うん!」」


三人は教室を出て廊下で会話を始めた。


「ちょっと和美!これは一体どうしたの?」


由美が、慌てながら和美に話した。


和美は今起きている状況を話しだした。


「昨日、寛子ちゃん第一校舎の地下に行ったでしょ!」


「う、うん!昨日行ったよ………でも、なんで知っているの?」


「目撃者がいたのよ!そして、その後に井上君が入って行くのを見たんですって!」


「う、嘘!?」


「だから、井上君が寛子ちゃんに告白したんじゃないかって、噂になってるのよ!で、真相はどうなの?」


「………………告白されたよ!」


「やっぱりね!」


「でも、和美!何でそんな事で、こんな状況になっているの?」


「よく聞いて由美!昨日の一日で寛子ちゃんの【ファンクラブ】や【お姉様の会】が男女の中で作られて、その人達が昨日の真相を知りたがっているのよ!」


「「ファンクラブ に お姉様の会!?」」


「あっ!ちなみに私が【お姉様の会】の会長で【ファンクラブ】の会長は佐藤君だから、宜しくね!二つの正式な名前は後で教えるわ!」


「「教えなくていい!それと、勝手に作るな!!!」」


「でも、事の真相は聞かせて貰ったわ!でも、寛子ちゃん……返事はもちろんNOって言ったのよね!」


「う、うん!そうだけど………」


「分かったわ!後は寛子ちゃんに、告白して来た奴らの撲滅に取り掛からなくちゃね!勿論、第一号は井上君だけど!」


((和美………怖すぎ………))


寛子と由美はそんな事を思うながら和美を連れて、教室の中に入って行った。


教室に戻り、席に着いていたが、教室は二つのグループに分かれて、それぞれ和美と翼を中心に話し合いが行われていた。


寛子と由美は苦笑いでそれを見ていた。


しばらくして、暁先生が入って来て皆も自分の席に戻りHRが始まった。


HRが終わると暁先生が教室を出て行くまでに寛子と由美に話し掛けてきた。


「二人共、少し聞きたい事があるから、一緒に職員室に来てくれないか!」





私達は何の事だろうと不思議に思いながらも、一緒に職員室に向かった。

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