秘密を打ち明ける
一階の洗面所に着くと寛子は由美に顔を洗うように言って、洗わせた。
由美はすっかり、寝ぼけていた顔がいつもの由美の表情に戻り鏡の前で寝癖を直していた。
寛子はその間に、昨日の夜に自分の家から持って来た、着替えと制服を由美の部屋に置いてあったので由美の部屋で
着替えを済ませて、布団を綺麗に畳むと由美の様子を見に行った。
由美は寝癖を直して丁度、自分の部屋に戻る途中だったみたいで、階段で寛子は由美と会った。
「もう着替えたの?」
「うん!由美が寝癖を直してる間にね!」
「そっか!なら、私も着替えてくるね!」
「うん、先に下に行っとくよ!」
「私も急いで準備してくる」
由美はそう言うと自分の部屋へと向かって行った。
寛子は洗面所に行き、顔を洗って身嗜みを整えると美沙子と陽子がいる台所まで行った。
台所に着くと、朝食の準備をしていた二人がいた。
寛子は二人に挨拶をすると、朝食が置かれたテーブルの空いている椅子に座って由美を待っていると美沙子が話し掛けてきた。
「昨日は眠れた~?」
「はい!充分に寝ました!」
「ちょぴり、心配していたけど、大丈夫みたいだったね~!」
「心配って?」
「寛子ちゃんが狼になって、由美を襲っちゃうと思ってね~」
「そ、そんな事しません!」
「ふふふ、冗談よ~!」
「も~!」
寛子は美沙子の冗談に少し拗ねていると、準備を済ませて由美がやって来た。
「おはよう!」
「「「おはよう!」」」
「ねえ、お母さん何を寛子と話していたの?」
「そ・れ・は・秘密だよ~!」
「えー!また秘密なの!………ねえ、寛子!何話したの?」
「………………秘密!」
「貴女も秘密なわけ!!」
(とても、由美は言えないよ!)
寛子はそんな事を思っていた。
由美は話しの内容を教えて貰えないので拗ねて椅子に座って、寛子と美沙子を見ていた。
そんな出来事を見ていた陽子は、三人を見ながら笑っていた。
美沙子と陽子が朝食の準備を終えて椅子に座ると寛子も由美も食事にする事にした。
食事をしながら、陽子が寛子に話してきた。
「寛子、ちょっといいかな?」
「なに、お母さん?」
「私も美沙子も昨日言ったよね、それぞれの一族の事!」
「うん!」
「もう一族とは関係はないんだけど、由美ちゃんだけには真実を伝えないと行けないと思うのよね!」
「それって…………まさか……あの姿の事!?」
「そうそう、その事よ!」
「あれって、今の私じゃあ制御が出来ないんだよ!」
「その辺はお母さんと美沙子に任せて!」
「ど、どういう事?」
「まあ、任せればいいのよ!」
「う、うん………」
由美は陽子と寛子の会話に訳が分からないので寛子に訪ねてみた。
「ねえ、寛子何の話しをしてるの?それに、あの姿ってなに?」
「そ、それは………」
「また隠し事なの!?」
「ううん!そんな事ないの!………でも、ちょっと制御が出来ないからその姿になれないの!」
「制御って能力の事なの?」
「そうなの!」
寛子は由美の質問に答えたが、自分でも制御が出来ないのでどうしようと悩んでいると、陽子と美沙子が寛子に話してきた。
「寛子!」
「ん、なに?」
「さっきから言ってるでしょ!私達に任せなさいって!」
「何をする気なの?」
「寛子ちゃん心配しないでいいのよ!貴女はただ、能力を開放していけばいいのよ!後は、私と陽子が制御してあげるからね」
「そ、そんな事が出来るんですか?」
「あんた、私達を舐めてるでしょ!」
「そ、そんな事はないよ!」
「なら、早くブレスレットを外して能力開放をするの!でも、50%ぐらいでいいからね!それ以上はダメよ!」
「うーー!分かった!」
そう言われて、寛子はブレスレットを外して他の人に感知されない様に、家の周りにフィールドを作るとそっと、目を閉じて能力を開放し始めた。
直ぐに陽子と美沙子は寛子の側に寄ると二人共、寛子に向かって両手を突き出すと二人の両手に白いオーラ見たいな物が見えてきた。
由美はその出来事をじっと静かに見ていた。
寛子が能力を30%ぐらい開放したした時に寛子の顔に余裕が無くなってきた。
(ダメ!これ以上の開放は制御が出来ない!!)
寛子は能力開放を止めよとした時だった、陽子がいきなり話してきた。
「寛子!お母さん達を信じなさい!」
「………………うん!分かった!」
寛子はそう言われて、頷くと能力を更に開放し始めた。
寛子の能力開放は10%を超えた時点で光の粒子が寛子の周りを浮かんで状態だったが40%を超えた辺りで寛子の背中に異変が起こりかけているのに、由美は気が付いた。
陽子と美沙子は寛子の能力解放が40%を超えた辺りから、少し辛い表情を浮かべていた。
寛子が更に能力を解放して50%まで解放した時に、異変が起こった。
寛子の周りの粒子が回りだすと、背中に光の粒子が集まり、黒い翼と白い翼を作り出したのである。
由美は寛子の姿を見て、驚いた後に呆然としていたが、由美は呟いた。
「………綺麗な翼……」
寛子はゆっくりと目を開いた。
一方、陽子と美沙子は疲れた表情で寛子の方を見て言った。
「何とか上手くいったわね!」
「久しぶりに能力を使って疲れたわ~!」
「美沙子は腕が鈍ってるみたいね!」
「陽子だって、昔に比べたら鈍ってるじゃない~!」
「お互い様ね!」
親達はそんな事を言いながら、寛子の翼を見ながら懐かしそうに眺めていた。
由美はようやく寛子に話しが出来るぐらいに落ち着きを取り戻すと寛子にその姿の事を聞いた。
「………ねえ、寛子?」
「なに?」
「何時からそんな翼が生えたの?」
「えっとね!この前、女体化した時についでに生えて来たの!」
「…………ついでに人間も辞めたの?」
「由美、酷い!」
「冗談よ!」
「本当に?」
「本当よ!でも、何で翼の色が違うのかしら?」
「私にも分からないんだ!」
二人はそう言うとお互いの親を見たが、陽子も美沙子もパッと視線を反らした。
((やっぱり、何か知っているのね!))
由美も寛子もそう思いながら親達を睨んでいた。
でも、陽子が話しを反らすように由美に寛子の姿の事を話し終えると、念を押して他の人には言わない様に伝えた。
由美も納得して、絶対に秘密は守ると言った。
寛子は能力を抑えると、背中の翼が消えて、普段と変わらなくなったので四人は途中だったので、朝食を食べ始めた。
朝食を済ませて、寛子が時計を見ると、7時30分ぐらいだったので、由美にそろそろ行こうと話していたら、玄関のチャイムがなった。
美沙子はこんな朝から誰かしらと、思いながら玄関に向かって行った。
寛子と由美は鞄を握ると陽子に「行って来ます!」と伝えると玄関へ向かった。
「!?」
寛子と由美は玄関口で美沙子と話している男性を見て顔を見てビックリした!
そこには、弘雅がいたのだ。




