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鈍感

寛子はお風呂場で気を失ってから親と由美に運ばれて、リビングにいた。


由美は事の事情を二人に話すと二人は呆れていた。


少し、溜息を吐いて陽子は気絶している寛子を見て言い出した。


「はあー、寛子は自業自得ね」


「いいえ!陽子さん、私も悪かったんです!」


「そんな事ないわよ!多分、私もいきなりそんな事されたら、同じ事していたと思うわ」


「でも、一緒にお風呂に入ろって言いだしたのは私ですから………」


「由美ちゃんは気にしなくていいのよ!寛子の自爆だからね」

「でも、寛子は大丈夫ですかね?」


「大丈夫よ!ぶつけた所も治癒を掛けたし、そのうち目も覚ますわよ!」


由美と陽子がそんな会話をしていたら、寛子が意識を取り戻した。


由美は寛子の側に行って声を掛けた。


「寛子、ごめんなさい!」


「えっ?ここは何処………?」


「あんたが由美ちゃんに悪さをして、返り討ちにあってから浴槽で頭を打って気を失ったから、私達がここまで運んだのよ!」


「そ、そうなんだ………すいません」


「全く、後先を考えないで行動するから、こんな事になるのよ!」


「皆さん、本当にご迷惑を掛けてごめんなさい………」


「気にしなくていいのよ~寛子ちゃん!」


「美沙子さんそんな事ないです………私が由美に仕返ししようとしたのが行けなかったんだし………」


「違うよ!私が無理矢理に、寛子をお風呂に一緒に入ろうと言いだしたのが事の始まりなんだし………」


「なら、こうしましょ~!寛子ちゃんも由美も悪い所があったんだしお互い様ね~!」


美沙子が笑顔でそう言って、二人の会話を終わらせた。


陽子が時計の方を見ると22時30分近くになっていたので、寛子と由美に明日も学校があるので寝る支度をするように言ったが、寛子はどこに寝ればいいのか美沙子に訪ねた。


「あの~………美沙子さん、私は何処で寝ればいいのですか?」


「あら~、まだ言ってなかったわね~!ごめんね~、寛子ちゃんは由美の部屋でいいよね~?」


「ゆ、由美の部屋ですか!?」


「そうよ~!由美もいいでしょ~?」


「うん、構わないよ!」


「由美、本当にいいの?」


「うん!構わないよ、それに、寛子とは胸を揉まれた仲だしね!」


「そ、それを言う!…………分かりました」


「なら、決まりね~!それから、陽子は私と一緒の部屋でいいよね~?」


「わ、私もなの!?」


「まさか~、陽子………嫌とは言わないよね~!」


「えっ!でもね!」


「由美と寛子ちゃん、陽子の昔話を聞きたくない~?」


「「聞きたいです!」」


「待って美沙子!………分かった」


「あら~、物分りがいいのね~!久しぶりに昔話でもしましょうよ~!」


「…………そうね!」


陽子は、やはり美沙子の性格には勝てないと思い、観念していた。


その陽子を見て美沙子は、笑っていた。



寛子と陽子はもう寝る為に2階の由美の部屋に向かった。


部屋に着くと何故だか由美の部屋の床に布団が二つ用意してあったのである。


多分、美沙子が初めからこうなる事を予測して用意していたのだ。


用意してある布団を見た由美と寛子は溜息を吐いて、呆れていた。


「美沙子さん………恐ろしい人よね!」


「私も自分の親だけど、流石に参ったわ………」


「お互い、親には苦労するね!」


「そうだね………」


「でも、布団が二つあるって事は床で二人共、寝れって事なのかな?」


「そう言う意味なんでしょうね!」


「………それなら、仕方がなよね………」


「なに、緊張してんのよ!」


「だって………」


「さっきまで、一緒にお風呂に入った仲でしょ!」


「う、それを言われると………」


「観念しなさい!」


「はい………」


「それより、早く布団を敷こうよ!」


「そうだね!」


寛子と由美は床に布団を敷くと、そのまま電気を消して布団に潜り込んで中で会話を始めた。


「ねえ、寛子!」


「何?由美」


「なんか、修学旅行みたいで、ワクワクしない?」


「そうだね!確かに修学旅行みたいで楽しいよ!」


「ねえ、何かさお話しをしない?」


「うん、いいよ!」


「ならね~、寛子って気になる人っているの?」


「え!?いきなり、何を聞くのよ!」


「だって、寛子は女の子になったんだよ!だから、今日一日で気になった人はいないの?」


「わ、私はいくら、女の子になっても、元々の考えの基礎となるは篤なんだから、男性は無理な感じ!」


「えー!勿体ないな~!寛子って凄く、美人なのにね!」


「由実の方が美人だよ!」


「ねえ………寛子は一度、鏡で自分を見た方がいいよ」


「今日も見たけど………どうして?」


「………筋金入りの鈍感だね!」


「ん??」


由美はどうして、この子にはそんな事に対しては疎いのだろうと心から疑問を感じていた。


逆に寛子は由美が何故そんな事を言うのか、疑問に感じていた。


「私も由美に聞きたい事があるんだけど………」


「なに?」


「由美ってお風呂に入る時も、今もそうだけど、元男の私と一緒にいる事を何とも感じないの?」


「うん!感じない!だって、私の中では女友達の寛子だもん!」


「そ、そうなの?」


「そうだよ!何か私の方がそんな事を、考える寛子に疑問を感じるよ!」



「わ、私の方が変だったのかな?」


「う〜ん?どうだろうね?」


「なんか凹むよ………」


「気にしない、気にしない!」


「分かった!それと、もう一つ聞きたいだけど!」


「いいよ!で、何を聞きたいのかな?」


「えっと、由美も気になる人はいるの?」


「うん、いるよ!」


「ほ、本当?……誰なの?」


「それはね………内緒だよ」


「え−−!教えてよ!」


「ダメ〜!」


「意地悪!」


「意地悪で結構ですよ〜!」


「ヒントだけでもダメ?」


「う〜ん、ならね、少しだけね!」


「うん」


「何時も、私の傍にいて私がピンチの時に助けてくれる人だよ!」


「分かんないよ!」


「やっぱりね!」


「一人で納得しないでよ!」


「あははは、又、今度ね」


二人はそんな会話をしながら、深い眠りについって行った。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







朝になり寛子は目を覚ますと時間は、6時30分を少しを過ぎたぐらいだった。

寛子は隣を見ると、まだ気持ち良さそうに寝ている由美がいた。

由美に声を掛けて、起こすと由美は寝癖が付いており、寛子は寝ぼけている由実の姿を見ると笑ってしまった。


「由美って寝癖付いてるよ!」


「ふに~?」


「まだ、寝ぼけてるんだ」


「う~~ん?」


「さっさと目を覚ましてよ!」




寛子は寝ぼけている由美の手を掴むと、引っ張りながら一階の洗面所に連れて行った。

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