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大丈夫?

寛子は美沙子に言われて、家に上がると由美がいる2階へと進んで行った。


2階に着くと直ぐにドアがあって、ドアには〔由美の部屋〕と書かれたアンティーク風のホワイトボードがドアにかけられていたので寛子は直ぐに分かった。


寛子はドアの前に立つと凄く緊張をして深呼吸をした。


(うわ〜、心臓がバクバクしてるよ!由美の部屋に来るのは7年ぶりだもんね………頑張れ、私!)


自分を励ましながら寛子はドアをノックした。


コンコン!


すると、中から由美の声が聞こえて来た。


「誰?お母さんなの?」


「ううん、寛子だけど由美の体調が気になって来ちゃったんだけど………」


「えっ!?寛子なの?ちょっと待ってね!」


「あ、うん!分かった!」


由美はそう言うと何だか部屋の中が騒がしかったが、しばらくすると静かになり、由美の声がした。


「もう入ってもいいよ!」


「わ、分かった………入るね!」


寛子はドアを開けて部屋の中に入ると、綺麗に掃除されたて、全体的にピンク色の部屋だった。


その部屋の中で由美はベッドの上に腰掛けていた。


「お見舞いに来てくれてありかとう!まあ、適当に座って!」


「あ、うん!」


寛子は由美にそう言われて、部屋の中央に置かれたテーブルの横に座って、由美に診断の結果を聞いて見た。


「ねえ由美、診断の結果はどうだったの?」


「それがね……………」


「………異常があったの!?私のせいで、ごめんなさい!!」


寛子は由美の返事が深刻だと思って、今にも泣きそうな顔をして由美に謝った。


そんな寛子を見て、由美は慌てて冗談だと伝えた。


寛子は泣きそう表情から怒った表情になり、由美に説教をしていた。


「もう、由美!本当に心配したんだからね!」


「ごめん、ごめん!ちょっと寛子に意地悪しようかな〜と思ってたら、まさか泣きそうになるからビックリしたよ!」


「誰でも、あんな風に言われたら、深刻になるわよ!もう由美のバカ!」


「意地悪して、ごめんね!寛子………でも、バカとは酷いな〜!」


「だって、本気で心配したんだよ!」


「ふふふ、サンキュー!寛子!」


「で、診断の結果はどうだったの?」


「寛子が治してくれたから全く、異常はなかったよ!」


「本当!?………良かった!由美に何かあったら・・・私」


「異常があったら寛子が私をお嫁さんにしてくれる?」


「!?………ゆ、由美?」


「冗談よ!困ってる寛子を見たら、意地悪したくなっただけ!」


(半分は本気なんだけどな〜!どうして、篤の時や寛子の時でも、この人は鈍感だけは変わらないよね!)


由美は小さく溜息を吐いたが、寛子は気付いていなかった。


「そういえば、寛子は今頃、帰って来たの?」


「う、うん!………ちょっと、用事で遅くなっちゃった!」


(ヤバいな〜!今まで弘雅に告白された挙げ句、対戦していたなんて絶対に言えないよ!)


寛子はその言葉に冷汗をかいて、少し動揺していた。


そんな寛子を見た由美は、怪しいと感じて即決に聞いて見た。


「寛子!私に言う事あるよね!」


「えっ?な、何にも無いよ…………」


由美は見逃さなかった!寛子や篤の時でも嘘を付く時は目が泳ぐのである。


(やっぱり、何か隠しているわね!寛子は昔から隠し事が下手よね!)


その癖を見て由美は確信して寛子に聞いてみた。


「ねえ!寛子………ひょっとして、告白されたの?」


寛子はいかなり、核心を突かれて大きく目を開いて固まってしまった。


(うわぁぁぁぁ!ばれた!?…………どうして分かったのよ???)


由美は、やっぱりかと思い更に詳しく話す様に寛子に聞いて来た。


「図星だった見たいね!それで、誰に告白されたの?」


「そ、それは……………」


「ハッキリしなさい!」


「はい!弘雅です!」


「えっ?弘雅が告白してきたね?」


「……………うん」


由美は意外な人物の名前だったので、驚いた。


「あの弘雅がね〜?意外なだわ!それで、なんて返事したの?」


「一応は断ったよ!でも、弘雅がしつこくて、私の空間能力の事で、脅迫して来て、対戦しろって言ってきたの。そして弘雅が勝ったら付き合えって、言って来たから………」


「………あいつ最低ね!………それで戦ったのね!結果は?」


「私の勝ちだったけど………」


寛子は弘雅に二回も勝手に抱きしめられた事を思い出して、目に涙を溜めて言葉が詰まった。


由美は寛子のその姿を見てただ事では無いと思い寛子の横に駆け付けた。


「寛子!何かされたの?」


「勝手に………抱きしめ………られた………」


「!?………そんな事されたの?………」


「………うん………怖かった………」


寛子は必死に詰まりながらも、言葉にした。


それを聞いた由美は寛子を抱きしめて、髪を撫でくれた。


落ち着い寛子は、大丈夫と由美に言った。


「ありかとう!由美」


「落ち着いた?寛子!」


「もう大丈夫たよ!ごめんね、こんなに姿見せちゃって………」


「そんな事は無いよ!寛子は女性になって、感情も不安定なのに、あのセクハラ男は!いくら事情を知らなくても、簡単に女性を抱きしめるなんて!!…………死刑ね!」


「ちょっと由美、そこまでしなくても、いいのでは?」


「甘いわよ寛子!アイツは絶対に甘い顔をしたら付け上がるから、徹底的に潰さないとダメね!」


「そ、そうなの?………由美………ちょっと怖いよ?」


「当たり前でしょ!寛子にセクハラするなんて!明日から和美と作戦会議だわ!」


寛子は少しだけ弘雅が可哀相だと思ってしまった。




由美の部屋に来て結構な時間が経ち、時間を見ると19時を回っていたので慌て携帯で陽子に電話を掛けたが、陽子は普段は10回ぐらいのコールで出るのだが、電話に出なかったので、不思議に思ってた寛子は由美に帰ると伝えた。


「由美、こんな遅くまで居て迷惑だったでしょ?」


「そんな事ないよ!でも、今日は来てくれてありかとうね」


「当たり前じゃない!明日は学校にいけそう?」


「大丈夫だよ!」


「なら、また明日ね」


「うん!」


そう言って寛子は鞄を持つと由美に手を振り部屋を出ようと、ドアを開けたら、そこには陽子が立っていた。


「お、お母さん?………何で此処にいるのよ?」


寛子と由美は部屋の外に立っていた陽子にビックリしていた。


そして、陽子の後ろには美沙子が居て、由美も思わず声を上げて聞いた。


「お母さんまで、何にしてるの?」


美沙子は返事はしなかったが陽子が話し出した。


「二人とも、少し話しがあるから下に行きましょうか!」




寛子と由美は陽子の言葉に呆然としていた。

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