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お見舞い

時間を少し戻して、寛子からの視点から始まる。


氷の壁を作り、弘雅の水の刃を防いでいた寛子は自分の目の前に空間の穴を作りだした。


(では、作戦開始と行きますかね!多分、弘雅はビックリするわよね!)


寛子は楽しそうに、自分と同じ姿をした氷の人形を作り出して、空間の穴に氷の人形を入れ込んだ。


(人形が出る座標もイメージが出来たし、後は待つだけですね!)


寛子の予定通り、氷の人形は弘雅の後ろへと出現した。


弘雅は氷の人形を寛子と勘違いして、待機させていた水の刃で攻撃を仕掛け始めた。


(うふふふ、ここまで予想通りだと楽しいな〜!)


寛子は氷の壁に入った亀裂から弘雅の行動を息を潜めて見ていた。


弘雅が氷の人形に水の刃を全て放った後には凄い煙が立ち、視界ではどうなっているのかが判らなかった。


(あんな攻撃を喰らったら普通だったら死んじゃうよ!?………弘雅の奴、私を殺す気なの?)


寛子は弘雅の容赦ない攻撃を見ていて溜息を吐いていた。


やがて、煙が晴れて来ると弘雅が自分が攻撃をしていたのがダミーだと気付き慌てて周りを見渡している。


(そうとう焦っているようね!確かに、私が弘雅の立場だった焦るよね!)


寛子は次の行動に移るために氷の壁に向け両手を構えると、壁に向けて風の能力で衝撃波を放った。


そうすると、氷の壁は粉々に砕かれ飛んで行く、砕かれたカケラは弘雅の方へも飛んで行く、弘雅は霧の能力を使用して霧になって飛んで来るカケラを避けた。


(やっぱり、霧の能力は体全体を霧にする事が出来たのね!………でもね、こちらも予測はしていたのよね!)


その事を確認すると寛子は直ぐに火の能力を発動させて、両手に蛇の様な炎を作り出すと炎の蛇を弘雅に向けて放ったが、炎の蛇は虚しく霧の形態をとっている弘雅をすり抜けて行った。


霧の形態で、弘雅が言ってくる。


「流石に冷汗をかいたが、俺がこの形態になっている間は、どんな攻撃を仕掛けて来ようが無駄だよ!」


弘雅そう言ったが、寛子は弘雅が焦ってると思った。


(そうとう、焦っていた見たいね!………でも、あまり自分の特殊能力をあまり過信しない方がいいと思うよ、弘雅君!)


寛子は弘雅に対してそう思いながら、弘雅の方を向くと意味ありげに微笑んだ。


「そうだと言うと思ったわよ!でもね、私の狙いはこれからよ!」


寛子は咄嗟に手を動かすと炎の蛇が軌道を変えて弘雅の周りを円を描きながら回りだした、やがて炎の蛇は回転を速くして行き、円を小さくしていく、霧と化した弘雅を逃さない様に小さくなっていく。


(さあ、観念しなさい!いくら、霧になっても逃げ場なんて与えないんだから!)


寛子はそう思いながら操っている炎の蛇を最終的には大きな炎の球体にして霧と化した弘雅を閉じ込めた。


(捕獲完了ね!………上手くいって良かったわ!でも、本当に厄介な能力よね?)


そう思いながら、目の先の炎の球体を見ながら寛子は考え事をしていた。


(…………これって確かにダメージを与えているのかな?………普通に考えたら、霧は熱に蒸発して行くから、火には弱いはずだよね?………でも人の形から霧になる時点で普通にはないからなぁ〜………いいや、もう少しだけ様子を見てみよう!)


寛子はずっと炎の球体を見ていら、変化を感じた。


炎の球体の中に、人の気配を感じたので、寛子は弘雅にダメージを与えていたんだと確信を持てたので、次の行動に出た。


(水の球体の時の仕返しは返させて貰ったので、そろそろ助けますか!………流石に一日に二人も怪我人は出したくないしね!)


寛子はそう思うと空間能力を使い、自分の目の前に空間の穴を作り出してその中に右手を入れた。


「何処いるかな?…………いた!捕まえた!」


寛子は空間能力で炎の球体の弘雅の前に空間を繋ぎ直接、手を入れて弘雅を捕まえると自分前に引っ張り込んだのである。


寛子は弘雅の掴んでいた右手を離すと、何が起こったのか理解出来ていない弘雅は、その場に座り込んだ。


そんな姿を見た寛子は、怪我はないか心配したて混乱している弘雅に声をかけた。


「立てる?」


寛子は弘雅に手を差し出すと、弘雅は手を握って来た。


そして、寛子は不意にバランスを崩したが何が起こったのか判らなかった?


(えっ!?なに?)


寛子は気が付くと弘雅に抱きしめられていた。


状況を理解した寛子は興奮して、弘雅の頬を平手打ちしていた。


(一度ならず二度までも!この男は!!)


「最低!」


頬に平手打ちをした後、寛子は弘雅を突き放して、座り込んでいる弘雅をほっといて一人、コートを出て行った。


(心配して損した!あの最低男が!!)


寛子は急いで家に帰って行った。




▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼




家に帰る前に、どうしても寛子は由美の事が気になって、由美の家へ向かった。

由美の家に着くと、ドアのチャイムを鳴らし待っていた。


(うわ〜………由美の家なんて久しぶりに来たよ!なんか緊張するな〜!)


そんな事を考えていたら、ドアが開き一人の女性が出て来た。

女性は見た目は20代後半に見え上品そうな方に見える。


「どちら様ですか~?」


そう女性に言われて慌てて寛子はお辞儀をした。


「お久しぶりです!美沙子さん!」


寛子が挨拶をしたのは由美の母親だったのだ。

挨拶をされた美沙子は最初はキョトンとしていたが、挨拶をした子が誰だか分かると笑顔で挨拶を交わして来た。


美沙子とは7年前に寛子の姿で一度、会っているがそれ以前に寛子の一族の事も知っているのであった。


「お久しぶりね~寛子ちゃん!こんなに綺麗になって?ビックリしたわ~!」


「い、いえ………綺麗だなんて………」


(綺麗なんて、恥ずかしいよ~………)


寛子は頬を赤く染めながら照れていた。


「由美の事でしょ~?」


「は、はい!………帰ってきてますか?」


「さあ、上がって~2階の自分の部屋にいるから~!」


「でも、いいんですか?」


「何言ってるの~?小さ頃からの付き合いでしょ~!」


「そ、そうですけど………女の子な部屋に入るのは、ちょっと………」


「今は寛子ちゃんでしょ~?それならいいんじゃないの~!」


「はい………分かりました………お邪魔します!」




そう美沙子に言われて寛子は2階の由美の部屋に向かって行った。

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