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10分間のエース  作者: 橘西名
インターバル(十有二月学園編)
77/305

15:ミイとアサミンと一姫と

15:ミイとアサミン




 大会後、亜佐美は一姫と話をした。


 これまで同じクラスにいて、同じ部活の大会に一か月近く出ていたのにほとんど会話したことがなかった。


 会話の導入にはお決まりの天気の話題から入った。



「今日はいい天気ね…………というつもりだったけど生憎の曇り空ね」


「うん。真っ暗でもうすぐ雨が降りそうな」



 それから二、三言の同級生トークをして聞きたかったことを聞いてみた。



「神を自称する会長に聞いたのだけど、昔の友達とはあまり良い別れ方をしなかったみたいね。私たちバスケ部とは予選の決勝までで、全国はパッタリと来なくなって一回戦で負けたのだけど、別にそれは怒ってないわ。ただ別れ方が酷かったのはその過去のことが原因かと思って」



 聞きにくいこともスパッと聞いてしまうのが亜佐美の良いところでもあり、難しい部分でもある。


 一姫の方も会長の伝え方に悪意を感じて即答した。



「ごめん。ちょっと生徒会の方が忙しくて、本当にごめん! それとアサミン勘違いしてるから」



 一姫は会長から永田亜佐美=アサミンと聞いたので言ってみる。


 ――特に反応はなかった。



「会長の伝え方だと、その、私の友達がもう死んでるみたいに聞こえるけど」


「やっぱり違うのね。そうじゃないかと思ってたわ。まったくもう」


「本当に死んでるんだけど」


「……」


「と言ってみたりして……てへへ」


「いや、冗談じゃ済まさねえよ。そこに土下座しろよ」



 素直に地面に額をこすり付ける一姫は調教済みのようだ。


 亜佐美は会長と一姫の関係が主従関係で間違いないと確信した。



「それで、本当は?」


「はい、生きてます。海の向こうでピンピンしています」


「ならよし!」


「なに面白そうなことしてるの?」



 天野もその輪に加わり、これから十有二月学園女子バスケ部を背負っていく三人はこうして仲良くなっていく。



「永田さんは、アサミンだったらしいよ」


「え、そうなのアサミン? 私のことはミイって呼んでね」


「いったいどこから漏れたのかしら」


「アサミンアサミン」「ミイミイ、アサミン」


「……黙りなさいよ」



 そして決勝の一姫のプレーを見てここへ入学するのを決めた西條秋葉が翌年に加わり、さらに超強力な助っ人もこの後すぐ加入することになる。


 そこでまた一戦あるが、それはまた別であったり先であったりする話である。


次回からは地区予選編となりますので、予定では翌週の水曜日あたりを目指しています。

主な登場人物は竹春の五人ですが、それに加えて、これまでに出てきた数名や新キャラなど登場人物がまた一段と増える予定です。

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