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10分間のエース  作者: 橘西名
インターバル(十有二月学園編)
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11:タイムアウト

11:タイムアウト




「ねぇ、一姫。もしも私の中の魔法が一姫のためになるなら、もう全部あげるね。


 一姫のなかの憧れの魔法も素敵だと思うな。


 さよなら。そして私のなかの魔法もよろしくねっ」



 その日から一姫の中には幸福の魔法が与える身体能力の強化と、憧れの魔法が与える自分にないものを覚える力が宿ることになった。


 それからしばらくあって、いろいろな場所で暮らしていったことでときには危ない場所で命の危険があって強制的に彼女は力を開花させることになった。


 素手で自分の体より大きな獣を倒すことができて、あらゆる競技で並以上天才未満の結果を出すことができる。


 それを買われて、彼女の今は十有二月学園というちょっと変わった高校にある。




 ***

 人の出せる身体能力の満点を十点満点の六角形とするならオール九点のバランスのいい形をしているのが一姫だ。


 それがよくわかったのが相手校の交代で入ってくるセンターとガード、シューターを相手にしていくうちにそれぞれの動きに順応し、相性のよいスタイルで勝負をするようになった後半戦。


 点差を縮めることはできなかったが、簡単に得点をされることは少なっていた。


 舞台が整ったところで、亜佐美は天野を投入して勝負に出た。



「天野はとにかく試合に長く出れるように怪我だけは注意。

 あんたが退場したらそこで試合終了になるわ」


「りょーかい。できる限り頑張るよ」


「それから風見鶏さん」


「一姫でいいのに」


「じゃあ一姫。一姫はこのまま交代で入ってくる十番と五番、七番の一年生三人を止めて。得点のほとんどはこの三人だから、ここを止められれば点差は縮むはずよ」


「ちょっといいかな?」


「あぁん?」


「試合を外から見ていて思ったんだけど、四番の人を止めないと試合の流れは変わらない」


「無理よ。いまのうちに周りも外からのシュートもインサイドへのドライブもできるオールラウンダーを止められる人はいない」


「作戦があるよ」



 天野の言葉にみんなが耳を傾ける。



「得点源の三人を私が止めて、風見鶏さんが四番を止める。違うタイプの三人の動きができる風見鶏さんならきっと四番の人も止められる、と思うんだ」


「それは無理よ。前提として三人を――」


「亜佐美――。私は大丈夫だよ。相手は三人同時に出てこないから。それに前のチームメイトから私は一対一ならそうそう抜かれないらしいし」



 不確かな要素は多いが、時間もないのでタイムアウトが終わる前に味方の士気を高める。



「いいわ。それでいくわよ。天野と一姫、あんたらの出来がそのまま勝負の分かれ目になるわ! みんなもできるだけフォローしてあげて!」


「「はい!」」



 試合はクライマックスに突入する。



水曜日あたりを次は予定しています。

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