06:悲鳴の記憶
昔はよく琴音と純、初ともう一人を合わせた四人でバスケットボールをしていた。
誰でも自由に使えるコートが近くにあり、バスケを教えてくれる暇な“オジジ”がいたことがきっかけ。
腰の曲がったオジジが教えてくれたバスケは変わったものだったが、たった数週間で四人の少女たちは驚くほどバスケを上達させる。
大人を相手にした初めての試合は、こぼれだまをゴールへ流し込むセンターの琴音と、ボール回しに特化したポイントガードの一衣。
その二人の活躍で小学生チームが善戦することができた。
それから数年経って彼女たちの一人は全国大会へいくような選手になっていた。
その一衣の下に挑戦者が現れたのが事の始まりだ。
***
数年ぶりに琴音たちは一衣と偶然にも出会った。
まず琴音が声を掛け、一緒に帰ろうと後から追いかけてきた純と初、それに涼香の三人はその様子を見ていると、悲鳴に近い叫び声が聞こえてきた。
「私はあんなバスケは許せなかった! だから、試合に負けた方がバスケを辞めるって約束をして、それで私の学校が負けたから私はもうバスケはやらない!」
琴音がその子に負けないくらい大きな声で対抗する。
「高校へ行って一緒にバスケをするって約束はどうでもいいの!?」
「中学でバスケをやってない琴音たちに言われたくない!」
「それとこれとは関係ないじゃない!」
二人がヒートアップしてきたところで初たちは仲裁に入る。
どちらも言いたいことがあって、それでもいまの自分達には何も出来ないもどかしさがある。
一衣以外がバスケを辞めたのは、特に理由がない。
強いて言うならばバスケ部がなかったことくらいだ。
「それなら、私が一衣の所に勝った巻風中に勝ってやる。そんでそんなくだらない約束はなかったことにする。それなら問題ないんだよね」
自分達の意志を通すために彼女は約束した。
彼女達の負けられない理由は、オジジが教えてくれたバスケと同じで
『誰かを助けること』
そのバスケはとても強いと何度も言われて彼女たちは大きくなった。