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10分間のエース  作者: 橘西名
高校生編(竹春高校)
61/305

41:その後(終章1)

 終章



 福岡県南部にある赤坂高校は、一昨年から女子バスケットボール全国大会に連続出場している強豪校だが、毎週のように色々な高校と練習試合を組んでいた。


 遠征に行くこともたまにはあるが、そのほとんどは赤坂高校で行われる。


 その理由の一つが幼い弟や妹たちの面倒を見なければならない女子高校生が、チームの重要人物の一人だったからだ。


 その人はいまではマネージャーの神様と呼ばれているが、昔は中学No.1プレイヤーと呼ばれ、名前は日高遥華という。


 高校一年のときに深刻な病気にかかり、バスケをすることは禁止されているが、選手と監督の両方の視点からゲームをみて、チームを支えることに彼女は三年間を費やしてきた。


 ときにはそれが厳しい言葉をかけてしまうこともあるが、本心ではいつもありがとうと思っている。



 赤坂高校の体育館はモップがけを終えてピカピカになっていた。


 静まり返った場所で、一人になった日高は試合の結果を電話で聞き、片隅に置かれたスコアボードを消していた。


 そのスコアボードには三軍の試合結果が書かれていた。


 一・二軍が竹春高校と戦っているのと同時刻にその試合は行われた。


 その結果は言うまでもなく、いつも通りのものだった。


 赤坂高校を支えるもう一人のエースが見守る試合は、未だ負け知らずである。






 竹春高校では、各部活動が新入部員を加えて活発な活動をしていた。



 全国を目指している部活も少なくなく、去年の雪辱を果たそうと練習熱心な人がいる。



 二年の山田美咲は女子柔道部に戻っていた。


 自分が凄いというだけでは勝ち進めない団体戦にも興味を持ち、仲間に自分の技を教えることの楽しさを後輩の少女から教えてもらったからだ。


 現在は個人戦も団体戦も優勝目指して毎日練習を続けている。



 一年の大塚栄子は陸上部の大会の調整に大忙しだ。


 短・中距離の選手に選ばれているため、ベストラップで走れるように日々精進している。


 ほんの数週間前までは調子にばらつきがあったが、このところは素晴らしい追い込みを見せて練習不足を思わせない活躍をみせている。



 上下愛数はGW明けのテストで自己ベストの成績を残した。


 勉強会でぽんこつ瞬間記憶を披露したが、例え教科書を丸暗記しても数学の計算式を理解できなかったころが嘘のようだった。


 考える力をつけることが出来たことに教師たちも驚いた。


 目標の点数には残念ながら達しなかったらしいが、このまま続けていけばいつかは叶うと信じて放課後も学校に残って勉強をしているらしい。



 最後に、滝浪滴は、バスケを続けている。


 昼休みになるとクラスの友達を誘ってボールを手に毎日のように体育館へ足を運び、クラスメイトがビックリするくらいの明るい表情でバスケを楽しんでいる。


一時間後に続けて投稿します。

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