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10分間のエース  作者: 橘西名
高校生編(竹春高校)
60/305

40:ラストプレイ

 帰ってきてからの冴え渡る由那のプレーは圧巻だったが、その理由が赤坂高校のメンバーが分からなかった。


 その少女を見ればコートへ戻ってきても足元もおぼつか無いほどふらついている。


 顔も真っ赤にして、いつ倒れてもおかしくない。


 それにそれは彼女一人だけでなく他の四人にもいえた。


 それなのに最終クォータに入ってからは、誰一人足も止めずにずっと走り続けている。


 完全に流れは竹春高校だが、この流れを切るのは誰の役割か。


 それを彼女たちは理解している。



 長岡とのマッチアップになり、由那は後ろに飛びながらシュートを放つ。


 三咲との勝負でも見せたフェイダウェイでついに一点差まで相手を追い詰めた。


 残り時間は一分をきり、次の勝負でほぼ決まるところまで彼女達はきていたが、ここへきてアメリカ帰りで不調を隠せない怪物がその牙を突き立てる。



 赤坂高校は、ポジションも取れていない状況から長岡の指示でゴール付近にふわりとボールをあげる。


 竹春高校のゴール下には栄子まで戻って長岡を迎え撃つ準備は出来ていた。


 案の定ゴール下まで入れない位置で長岡は突進を止められてしまうが、ボールが落ち始めたところで、長岡は十有二月学園の西條のように体格からは想像できないほど柔らかい動きで身体を中へねじ込ませて飛び上がった。


 三咲がボールを相手コート側に弾き返そうとするのを、長岡は指先に当てて上に弾いた。


 これで竹春は三咲と栄子が長岡を真っ向から迎え撃つことになったが、長岡はゴール方向へ飛び上がり腕だけを後ろに置いていた。


 その意図が分からずとも横方向へ飛んだ分、跳躍が抑えられた長岡に二人の手が届く。


 そしてボールを三人が触れたところでグリンと間接が駆動する音とともに、ボールはゴールリングを貫くスーパーダンクが決められていた。


 ゴール方向へ飛んだ長岡の狙いは、初めから相手ごとゴールに叩き込むことだった。


 ボールがリングを貫いてワンバウンドする。


 しかしツーバウンドする前にこのボールを取って前へ送った選手がいた。



「「まだ終わってない!」」



 そこには再び三点差になり絶望的な状況でも諦めない子たちがいた。


 力いっぱいにコートの端から端に届かせるような力強いボールを愛数は由那へ送った。


 そのパスを受け取るときにマークについていた人を抜き、由那は一度フリーになる。


 しかし、由那の前にはもうすでに長岡が戻ってきていた。




 残り時間は三十秒を切っている。


今日中に最後まで投稿します(残り二話です)

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