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10分間のエース  作者: 橘西名
高校生編(竹春高校)
46/305

26:ポジション

 試合開始五分前、竹春高校のベンチには臨時でマネージャーを務めてくれる永田亜佐美が竹春高校の体操服を着て座っていた。


 何故栄子の服を借りているのかといえば、その方が怪しまれないと秀人がいったからそうしている。


 まず亜佐美は吟味したポジションを発表する。



「センター、美咲――相手も序盤からレギュラーではこないと思うからそのパワーで圧倒しなさい」



 やる気十分な三咲が拳を強く握りしめる。



「パワーフォワード、栄子。あんたは貴重な得点源だからバテるんじゃないわよ」



「うぃ」と栄子はゆるい返事をする。



「スモールフォワード、由那。オフェンスも大切だけど試合のバランスを見てポイントガードのサポートをお願い」



 由那は「はい」と返事をして首をコクコク縦に何度も振る。



「シューティングガード、上下愛数。場合によってはロングシュートもお願いしたいけど、まずは様子見。ディフェンスに集中ね」



 愛数はコクンと首を傾ける。



「最後に、ポイントガード、シズク。視野の広さなら由那より上よ。うまく試合をコントロールして、いつもの練習どおりのパターンで得点は入るわ」



 滴はいつものがどれなのか一瞬わからなかったが、すぐにそれが何なのか分かって自分の中で納得する。


 亜佐美が試合前の竹春メンバーを見ると誰しも頼もしい顔をしている。


 部室の奥から引っ張り出して選択したユニフォームは、洗うと意外と新しいもので青地に黄色のラインが入っていて良く似合っていた。


 これから戦う相手は全国ベスト四クラスの化け物高校。


 赤坂高校のスターティングメンバーは、一年生だけの二・三軍にあたる構成のように見えるが、一年でレギュラーと言うのは強豪校にはざらにいる。


 更に言えば、今年は赤坂高校がスポーツ推薦の枠で一年生を補強したと言うから、例え一年生だけでも油断ならない。


 それと一番の問題である日本代表の長岡萌は、やはり前日まで長引いた代表戦から帰国が間に合わずに大急ぎでこちらへ向かっているという。


 だいたい時間的にも最終クォータで出てくるかどうかと言うところ。


 できれば出てきて欲しくないと言うのが亜佐美の本音だが、竹春高校の校長先生と向こうのバスケ部顧問の間で決まった練習試合だから必ずエースの長岡は出てくる。


 それまでにいったいどれくらいの差をつけることができるか。


 GWで何度もやった十有二月学園との合同練習の成果が試されるときである。


三連休の間にもう一回投稿できればと思います。

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