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10分間のエース  作者: 橘西名
高校生編(竹春高校)
44/305

24:対戦相手は?

 GWも中頃に入っていた。





 昨年の高校女子バスケットボール全国大会。


 この世代を代表する選手が中心となる高校が順当に勝ち残り、これといった台風の目はいない。



 しかしその頂点に限りなく近い学校と、それ以外とには明らかな力の差があったのも事実だった。



 現在の全国ランキング一位に君臨する優勝校である高円寺高校には、元千駄ヶ谷中の絶対エースがいて今年は三年生になった。


 有名な三浦姉妹が揃い一昨年よりも強いといわれる田村高校。


 上園青空の力で激戦区の東京都大会(高円寺高校と同じ)を制覇してきた千駄ヶ谷高校。


 中学二強といわれていた夷守中のレギュラーメンバーが全員進学した赤坂高校。



 これらの四校は高円寺高校を除けばほとんど同じ実力があって、しいて一つ飛びぬけた力を持っている高校を上げるなら、つい先日までアメリカで行われた十八歳以下の日本代表として、決勝トーナメント一回戦でアメリカ相手に奮闘した長岡萌がいる赤坂高校。



 長岡一人が力を持つ典型的なワンマンチームのため全国ではベスト四止まりだったが、それこそ小学校高学年のころから同じメンバーで戦っているから、一人がみんなのために、そしてみんなが一人のためにと戦う術を知っている。



 そういうチームが本当に強いといわれている。






 竹春高校女子バスケットボール部は、相手の学校がどこになったのか顧問を通して知った。



 試合まであと数日しかないが、合同練習を通してチームの士気は高い。



 それに対戦相手が有名だっただけに、高校バスケに詳しい人がこのメンバーの中にいなかったのは幸いだったのかもしれない。



「あ、あの、対戦相手が決まったのだけど……」



 生徒相手に緊張して声が震えているのは、バスケ部(暫定)の顧問になってくれた先生で、生徒からは静香先生と呼ばれている。


 まだ若くてきれいと言うこともあり生徒達からの人気が高いのだが、そんな自分に自身をもてなくていつもオドオドしている。



「そのね。私も良くは知らないんだけど……九州の方の、あかさか高校というのが今週末の対戦相手に決まったらしいわ。その日は先生も応援に行くからがんばってね。それじゃあ先生は戻るね」



 静香先生は手元の紙を見ながらそれをいうと逃げるように職員室に帰っていった。



 帰り際にその紙を渡された由那はしばらく動けなかったが、すぐに仲間達の方を振り返ると、いつものバスケ部がそこにはあった。



 相手がどんなに強くても必ず勝つ。



 それがみんなの気持ちだった。



 しかしその対戦相手のエースは、現在行われている世界選手権でとんでもない記録を残していた。


次話はおそらく日曜日になります。

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