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10分間のエース  作者: 橘西名
インターバル(憧れの舞台編)
244/305

06:バスケなんてやらない3


 結局、あれから二日間、二人の身体は入れ替わったままだった。


 土曜日、千波とキアラの姿は学校にあった


 千波は今日の試合のことを知っているから自分の意志で来ているが、キアラは前二日間の無断欠席を見かねた先輩に家まで押しかけられて無理やり連れて来られていた。


 中学時代の噂だと遅刻、サボりは当たり前の気分屋のような印象がある東千波は、さっそく要注意人物として部内でも悪目立ちしている。


 まさか中身が全くの別人とは誰も思わないし、本当の彼女の事を知る人なんてどこにもいない。


 ボッチ街道まっしぐらのキアラの元へ千波が説明口調で話しかけた。



「今日は、練習試合らしいよ。先輩が言うにはキアラさん目当てで相手のチームが試合を頼んだみたい。やっぱり国際大会に出たことのある銀髪美人はネームバリューがあるね」



 千波が二日丸々四十八時間一心同体になっている銀髪美人。


 見た目相応の経歴を持っているのも確かだ。


 去年の代表戦は千波もビデオで見ているが、準決勝でアメリカに敗れたフランス代表は誰もが当時の日本代表以上の力を持っていた。出場機会がないキアラ自身の実力は分からないが、これでも二日間ほど彼女の身体を使ってバスケをしていて分かったことがある。


 単純なジャンプシュートやリバウンドの競り合い一つを取っても日本人にはない長い手足と跳躍力が全ての動作を必殺技へと昇華させた。


 千波が中学三年間を共に戦い、日本でも上位に入る実力を持つ仲間をあざ笑うかのようなポテンシャルの高さは思わず嫉妬してしまうほどだ。



「この身体でどこまで通用するのか分からないけど、少し楽しみなんだ。今日はやりたいようにやらせてもらうよ」


「……別に好きにして。バスケなんて……どうせ……もう」



 スターティングメンバーに選ばれた二人は対照的な表情でコートへ向かう。


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