表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

第9話: 故郷が語るもの

春の風が柔らかく頬を撫でる中、凪花は祖母の故郷へと足を踏み入れた。道端には桜の花びらが舞い、幼い頃の思い出が心に蘇る。祖母と歩いたあの日の記憶は、今でも彼女の胸の奥で温かく息づいていた。


商店街の八百屋、真一さんの元を訪れた凪花は、懐かしい笑顔に迎えられる。「おお、凪花ちゃん!春キャベツが美味しい季節だよ。」その明るい声に自然と微笑みがこぼれ、祖母との会話が思い出される。季節の野菜を通じて語られる昔話は、祖母の温もりを運んできた。


次に向かったのは図書館。静かな午後、美和さんと共に祖母が愛した詩集を探すひとときは、祖母と過ごした穏やかな日々を思い起こさせた。「この詩、おばあちゃんもお気に入りだったのよ。」その言葉に胸が温かく満たされる。


公園では、子どもたちと一緒に花壇の手入れをする機会もあった。無邪気な笑顔と笑い声に囲まれ、祖母の庭で過ごした日々が蘇る。「お姉さん、見て!きれいなお花が咲いたよ!」と駆け寄る子どもたちの声は、凪花の心に新たな希望を灯した。


集会所では澄子さんが手を振って迎えてくれた。「おばあちゃんがいなくなっても、ここでの話は尽きないのよ。」その言葉は、祖母の優しさが今も息づいていることを感じさせてくれる。澄子さんや地域の人々とのふれあいを通じて、凪花は自分自身の内なる力に気づき始めた。


「私、おばあちゃんのように、誰かの心に小さな灯をともせる人になりたい。」その言葉には、祖母の優しさを受け継ぎ、自分自身の新たな歩みを始める決意が込められていた。


春の風がそっと吹き、桜の花びらが舞い降りる。それはまるで、祖母から凪花への静かな祝福のようだった。地域の人々との交流を通して育まれた温かな繋がりが、彼女の成長の証となり、凪花は新たな一歩を踏み出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ