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凍てつく決意

冷たい石の壁に囲まれた一室。

光はほとんど差し込まず、 じめじめとした空気が肌にまとわりつく。

アリシアは粗末な寝台に横たわり、 重い鎖につながれた手足をわずかに動かした。

「また、 こんな時間に目が覚めたのね..」

乾いた喉でそう呟く。

何日、 いや何週間が過ぎたのだろう。

窓のないこの牢獄では、 時間の感覚さえ曖昧になっていた。

こんなことになったのも、 婚約者に身に覚えのない罪を着せられたからだ

でも、おかしなことに

昨夜から、 体の奥底で不思議な感覚が渦巻いているのだ。

まるで、 凍てつくような冷たい何かが、 ゆっくりと力を増していくような感覚。

「一体、 これは..なに...」

そう思った瞬間、 牢獄の空気がかすかに震えた。

ひんやりとした冷気が、 肌を優しく撫でる。

それは、 今まで感じたことのない、 不思議な心地よさだった

ふと、 アリシアは自分の手を見つめた。

薄暗い光 の中でも、 その指先がほんのわずかに、 白く輝いているように見えた。

「まさか...」

信じられない思いで、 アリシアはそっと息を吐いた。

すると、 白い息が、 まるで小さな氷の粒の ように、 空気中で形を成したのだ。

それは、ほ んの一瞬の出来事だったが、 アリシアの目に確かに映ったのだ


(これは...私の力...?)


アリシアは微笑んだ

アリシアの心に、 これまで感じたことのない、冷たい決意が宿る。

(私を陥れた者たちに、 必ず復讐してやる...!)

冷たい牢獄の中で、 一人の少女の復讐心が、静かに、そして確かに燃え上がり始めた。

その瞳には、 凍てつくような強い光が宿っていた。

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