まさか──アレが商品化されてる!?
先日、コンビニに行った時のことです。
レジ待ちの列の最後尾に並ぶと、そこはカップ麺コーナーの前でした。
『さぁて、最近はどんなラインナップがあるんだろな』
何気なく横目で見ていると、その中にひときわ目立つ赤いパッケージのものがありました。
蓋にはでかでかと『みんな知ってるウマイやつ。』と書いてありますが、その下の写真は何だかごちゃごちゃしていて、遠目にはよくわかりません。
ちょっと腰を屈めて見てみると、側面にでかでかとこんな文字が。
『「ガロニ」って知ってる?』
──う、嘘だろ! まさか、アレを商品化したのか!?
『ガロニ』──ほとんどの人にとって全く聞き覚えのない名前だと思いますが、元々はメイン料理に添えられる『つけ合わせ』の意味です。
ほら、コンビニ弁当やほか弁の片隅で、ハンバーグや唐揚げの下にひっそりとたたずむ、塩味くらいしか付いてない少量のスパゲッティがあるでしょ? あれも一種の『ガロニ』なんです。
『あんなもん要らねー。それよりその分、おかずをもっと増やしてくれよ』
そんな風に思っている方もいるかもしれませんね。でも、あれにもそれなりに役割があるんですよ。
揚げたてのおかずの熱で容器が溶けたり変形するのを防いだり、余計な油やソースを吸って他のおかずに行かないようにする、とかですね。
まあ、おかずの合間の箸休めとして、味や食感の変化を楽しむという意味ではアリだと思いますし、自分も嫌いじゃありません。
ただし、あくまでもごく少量ならば、ですけどね。
まさかあれ自体をカップ麺にしてしまうとは──。
正直、それを見た瞬間にこう思いましたね。
『──〇ースコック、正気か?』
自分は最近、このガロニを小説で取り上げたことがあります。
(『忘れ去られた者たちの嘆き』:n9389jp)
この秋にしいなここみ様が主催した自主企画『麺類短編料理企画』にて、誰からも顧みられない、麺料理と認識すらされていない悲しい存在として、ガロニを書いたのです。
恥ずかしながら『ガロニ』という正式名称も、この作品の感想欄で教えてもらって初めて知ったくらいでして。
──え、まさかエー〇コックの開発担当者があれを読んだとかじゃないですよね?
まあ、そんな影の存在だった『ガロニ』が、ついに陽の目を見ることになったのです。
ただし、ガロニをそのまま商品化したわけではなく、商品名は『名もなき下敷きスパゲッティ味焼そば ハンバーグ弁当風』です。
あくまで、ハンバーグの下のガロニ風の焼きそば、というわけですね。
ただ、けっきょく自分はそれを手に取ることなく、コンビニを後にしました。
『買って帰ったら、画像付きエッセイのネタになるぞ!』という思いはありました。
でも、食べきる自信がなかったんです。だって──大盛りサイズだったから!
あれだけを大盛りサイズで食えと言われても、ねぇ……。
最後にもう一度だけ言わせてください。
『あれを大盛りで出すとは──エース〇ック、正気か?』