第三話 かつての仲間達
レ「あれ…今日はあいついないのか…。」
ハルト「なんかテスト前で忙しいらしいよ」
レ「なんでお前は当たり前のようにここにいるんだよっ!」
というわけであんなに話しかけづらかった(と勝手に思っていた)勇者ハルトとあっさり和解、私の人類との共存計画の第一歩を踏み出したというわけだ。ただ、今の私たちには、圧倒的に足りていないものがある。それは……
「なぁレイモンド、魔王っていうからには配下がいると思うんだが、レイモンドにはいないのか?」
「いやお前が全員蹴散らしちゃったからだろ!というかお前のパーティメンバーはどうしたんだよ。戦士とか魔法使いとかいたじゃねーか。」
「あぁ…そういや俺が蹴散らしたっけ。忘れてた。俺のパーティメンバーは、全員戦いが終わってすぐにそれぞれの故郷に戻って行ったよ。戦士はドワーフ王国に、魔法使いはアルファ王国に、僧侶はベルレル共和国にな。」
「お前のパーティメンバーなかなか薄情だな。リーダーを置いて行ったのかよ。」
「いや、俺が自分で残りたいと志願したからだし、そもそも俺はメルシュの王に召喚された転生者だから帰る場所もないしな。そうして残っていたらレイモンドに会えたわけだから万々歳だよ。」
「そうなのか…まぁ、今後魔王国再興の期には住む場所もあるし着いてきたのは正解なんじゃないのか?」
ガサガサッ
「誰だ?」
さすが勇者だな。反応速度も桁違いだ。そしてでてきたのは……
「お前は!」
「レイモンド様!ご無事で何よりです!私ミヒャード、とてもとても心配しておりました!」
「ハルト、剣を下ろしていいぞ。こいつは俺の部下だ。」
「おおっ!仲間いたじゃねーか!危うく斬り殺すとこだったぞ!まぁ一筋縄じゃ行かなさそうだったけど。」
……どうやら私は危うく部下を仲間に殺されるとこだったようだ。というかこいつに見境はないのだろうか。
「して、魔王様、隣にいらっしゃるのはもしかして…。」
「ん?あぁ。こいつは勇者ハルト。色々あって私の仲間だ。」
「ですよねーー!ギャー!」
あぁ確かに魔王軍はハルトらに蹴散らされたんだからこうなるのも当たり前か。
「落ち着けミヒャード。こいつは悪い奴じゃない。こいつが本気で魔物ほろぼそうとしているならば私もお前ももう生きていないだろう。」
「確かに…。とはならないでしょう!他の仲間が聞いたら混乱どころの騒ぎじゃなくなりますよ!はぁ…なんてみんなに説明をしようか…」
「ん?お前は一人じゃないのか?」
「えぇ、部下の一部はは生きていて、皆合流しましたよ?けど魔王様だけは2日たっても見つからないせいでみんなで捜索隊組んでまで探してますし。」
「おい、ミヒャード?で合ってる?それ他のやつに伝えなくていいのかよ。」
「あ………。」
やはりこいつは私の身の回りのことはたくさんしてくれるが、忘れっぽいのが難点だな。
「今すぐ伝えに行き、この場所に全員を集合させましょう!では行ってまいります!」
「おいレイモンド、あいつほんとに大丈夫なのか?」
「大丈夫…なはずだ。」
「はずだってなに!怖いよ!」
「ああ見えても彼は魔王軍TOP2だぞ?魔導大帝ミヒャード。知らないか?」
「ええっ?あれが?魔導大帝?確かうちの魔法使いとか一騎打ちしてたな…。」
……それってミヒャードのやつ、負けてね?私も人のこと言えないがやはり人間とは仲良くしておいた方が良さそうだ。
「話は変わるけど…お前の軍ってどんな奴がいるんだ?」
「あー確かに説明してなかったな。まず、元々の魔王軍には、軍が5つあって、それぞれに隊長が一人ずつとミヒャード、そして私が魔王軍の最高幹部だ。幹部と軍の中の上位者たちには二つ名があって、例えばミヒャードは魔導大帝だしな。」
「軍の中に階級とかはないのか?」
「あるぞ。と言っても人間たちが定めているランク付けを基本とした感じだけどな。魔物としての強さを正確に測ってランク付けをしている。だから種族として弱いゴブリンなんかも時たまBランクになったりする。まあつまりは実力至上主義ってことだ。」
「へぇー。てことは幹部とかは余裕でSランク指定のなかねぇ。」
「軍の説明に入ろう。まず第一軍。基本的な歩兵、乗魔兵などの近接歩兵が主体だ。
第二軍はま第一軍が攻めの要だとしたらこちらは守りの要だ。重武装兵やその他タンクの役割をこなせる軍だ。数が多いので工作兵としても良い。第三軍は魔法隊。数は少ないが豊富な攻撃方法で敵の意表をついたり、サポートとして回ることもできる。第四軍は飛翔隊。空を飛び一方的に蹂躙する。強い。第五軍はならずものの軍団だ。集団行動に向いていなかったり、制御が効かなかったりする問題児を集めた軍団だ。だが一度協調性を見せればものすごく強い軍になると私は思っている。」
「なんか案外バランスいいな。転生前はこれでもシュミレーションゲームがとくいだったんだぜ?」
「なんだしゅみれーしょんげーむって。」
「あ、すまん忘れてくれ。ちなみに合計何人くらいいるんだ?」
「えーと…大体十万はいるはずだ。」
「十万!?そんなにいた?」
「いや基本世界各地に散っているからそれぞれが自由気ままに行動しているぞ?多分普段から1500くらいしかエルケーニにはいないと思うぞ?」
「いや散りすぎだろ…。」
「多分残存は一万もいないだろうな。ここにいるのはもっと少ないはずだ。10居ればいい方だろう。」
「そこまで!?いやまぁ人は魔王討伐聞いて残党狩りに精を出しているけどさぁ。」
「レイモンド様。全員集合が完了しました。」
「よくやった。下がっていいぞ。」
「はっ。」
「うわー。結構いるなー。」
大体100程度か?思っていたより残っていたようで安心だ。
というかなんか世界に散っていたはずの幹部まで戻ってきているな。2日でエルケーニまで帰ってきたんか。あとで幹部会をするとしよう。
「皆の者!よくぞ生きていてくれた!私はとても嬉しく思う!これから私は、人間たちと共存を目指そうと思う!人間たちとこれからいつまでも争っていたとて、メリットなど何一つない!皆はそれでいいか!」
「「「もちろんでございます!レイモンド様!!!」」」
「その言葉を聞けて嬉しいぞ。とりあえず今から幹部会を行う。幹部は私の元へ集合。他は簡易テントを用意し、棲家を作るぞ!」
「「「はっ!」」」
ボスが生きていたことに対する嬉しさだろうか、皆の表情が嬉しそうに見えた。それでは早速幹部会を始めようと思う。
ハ「いや俺も前に呼び出されたし、一度来たとこならこれるしな。」
レ「記憶は消してけよ。」
作「なんで二人とも平然と俺の部屋にいるの?あ、設定作ったはいいけど間違えることがあるので教えてくださると幸いです!それでは!そしてお前らも帰れ!」
レ、ハ「「はい…」」