03-00 「いやだった?ごめん。」
「もちろんです。」
結はさっと頭をたれた。
「そうと決まれば、晩餐の時ににでもウィリアムと共のものを引き合わせよう。」
国王は玉座から立ち上がると颯爽と扉の向こうに立ち去った。
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時を刻むようにカツカツと歩調刻む音とキャスターのコロコロと押される音が
城の無駄に広い廊下をこだまする。
その音を奏でている張本人はダークブラウンのツインテールに
翠玉の瞳を時折、揺らせている少女サブリナ。
着ているのはメイド服。
現代のアキバで見られるようなものではなく、
フリルの少なさ、スカートの短すぎない丈が清楚な感じを漂わせている。
「そろそろジョシュア様。戻られた頃かしら?
急がないと・・・。」
サブリナは左に曲がり、突き当たりの現ジョシュアの部屋の前で足を止めた。
身なりの乱れがないか、一応確認しノックする。
「ジョシュア様。サブリナでございます。紅茶をお持ちいたしました。」
・・・・・・。
もう一度ノックをしてみる。
・・反応なし・・。
サブリナは可愛らしいツインテールをゆらし首を傾げる。
(どうしたのかしら・・・。まだ帰っていらっしゃらないのかしら?
陛下からこのジョシュア様の剣を届けるようにと事ですのに。
この廊下に置いておくわけに行かないですし、
わかりやすい所に置いておけばわかるわ。
それにしても、この剣は騎士の殿方たちの持っている剣とは違うわ。
鞘が黒一色。柄に紐が巻かれている。
それに鐔[つば]は円盤状のもの。
今まで見たことないわ・・・。こんな不思議な剣。)
それはそうである。
結の剣は結が以前タイムスリップした際に手に入れた日本刀であったからである。
サブリナは部屋に入り、棚の上に剣を置いた。
ガサッ
サブリナが振り返る。
(天蓋の中だわ。)
サブリナは音を立てないように近づき、真っ白な天蓋の中を覗いた。
そこには結が上着を脱ぎ捨て、真っ白な袖にふくらみを待たせたブラウス姿で
ベットの上に寝転がっていた。
(ジョシュア様!!)
同性であることを完璧忘れて、頬を真っ赤に染め、サブリナはオロオロする。
!!
結が手を伸ばし布団の中にくるまろうとするが、
自分が上に乗っているため、うまくできなくあきらめたのか途中で動かなくなった。
サブリナは目をまん丸くし、そして微笑した。
((^ー^* )フフ♪やだ。ジョシュア様。布団かけたいのね。)
「ジョシュア様。」
サブリナが結に声をかけた。
「うーーー。」
結が寝返りを打つ。
「風邪を引いてしまわれます。」
とサブリナは結の掛け布団に手をかけた。
「わあ!!!」
手を引っ張られ体制を崩したサブリナはすっぽり結の腕の中に収まってしまった。
(//////どどうしましょ!?)
「おはよう。なんだサブリナか。
私の眠りを妨げたのはどのお嬢さんかなと思ったんだ。」
寝ぼけ眼でサブリナを見る。
「私はただジョシュア様が寒そうだったので、
お布団をお掛けしようとおもっただけで・・。
離して頂けますか?」
サブリナが結の腕から抜け出そうと暴れるが、
刀を普段から振り回している結にはかなわない。
「えー。どうしよう。気持ちよく寝てたのに・・・・。
起こされたのはホントだしな~。」
サブリナを後ろから抱きついたままベットの上に座った。
「ジョシュア様・・・。」
結はサブリナの頬を( ・_・)σ゛ツンツンと突いた。
「いいな。サブリナはつるつるでさ。
私なんて、ザラザラよ。体力勝負だもん。」
そういうと、自分の頬をビユ~ンと伸ばす。
(うらやましいのはこっちのほうですわ。
手入れしてなくてその肌なんて!!
私は化粧水・・・etc.つけているもの。
それにしてもこの体勢すごく恥ずかしい///。
ジョシュア様。女の方なのに色男過ぎます。
ハッΣ(゜ロ゜〃)
そうでしたわ!!!ジョシュア様は女の方!!
そう!女性でしたわ。)
サブリナはだんだん平常心を取り戻す。
「ジョシュア様。お紅茶を入れます。離してください。」
結がつまらなそうな顔をする。
「なんだサブリナ。落ち着いちゃったの?
慌てた顔と染めたほっぺがチェリーみたいで可愛かったのに・・。」
(確信犯だったのね!!ジョシュア様。そんなのないわ。)
サブリナはぷんぷん怒ってそっぽをむいた。
「怒らないでね?」
「キャッ」
結はサッとサブリナを横抱きにしてして立ち上がり、ほわりとおろした。
「いやだった?ごめん。」
飼い主に叱られた犬のような瞳で結がサブリナの顔をのぞき込んだ。
「だ大丈夫です。」
それに母性本能をくすぐられ、サブリナは頬を染め俯いた。
結は頭をかく。
(おかしいな~。
さっきは何の含みもなかったはずなのに・・。?)
グー。
結のお腹が鳴る。
「あ!そう言えばずっとご飯食べてないんだった。
夜は王様と一緒に食事をする予定なので、
ちょっとした軽食を食べたいんだけど・・・。」
結が頭をかきながら言った。
「それでは、すぐにサンドイッチをお持ちいたします。
お紅茶を飲んでお待ちください。」
「ありがと!悪いね。」
爽やか笑顔で結が答えた。
「召使いとして当然です!!!」
「サブリ・・」
バタンと扉を閉めてサブリナは立ち去った。
(もお。ジョシュア様。確信犯だけかと思ったら
天然なところもあるなんて反則よ。
私、身が持たないわ。)
「?私、また怒らせるようなことした?」
結は乱れた服と髪を整えソファに座り出された紅茶を口に含んだ。
レモンの酸味とほどよい苦みと香りが口の中に広がる。
「おいしい・・・。
落ち着くな。
オバタリヤンな私からすると
王子様がお姫様を助けるのを
助けて、おちょくるなんて捨てておけないし。」
ヨダレがツウーと垂れそうになる。
「うー。いけない。いけない。
夜の食事の時に詳しい話をするって王様いっていたなあ。
それまでに、ある程度はこの国やその周りについて理解する必要があるか・・。
そうなると図書室みたいな所に行きたいな。」
結は立ち上がってカーテンを思いっきり開けはなった。
するとかなり広範囲に城下町が広がっているのが見えるので、
この城が丘の上に立てられたであろうことが安易に想像できる。
建造物はイタリア、ギリシャあたりの中世のころの物に近かった。
「壮観ね・・。」
どーも。森実です。
今日も結チャンはいきます。
そろそろお姫様を助ける王子様に会うはずです。
でもサブのサブが邪魔して出てこれません。
く( ̄Д ̄)ノガンバレーーー♪
王子様とわたし!!