02-00 「私が着ているのはなんで王子様服なのかな?」
結はベルサイユ宮殿の一室ようなところで、鏡の前に立っていた。
「さて、なぜ私は王子様衣装を着せられているのでしょう?
① 実は王子様だった!
② お姫様に見初められた。
③ コスプレしている。
④ アーネストサトーに連れられてお外の国に来ちゃった。
正解はいかに!! つづきはCMのあと!!」
(っていうか、誰か教えてくれ~~~~~~~~~~!)
私は引きつる顔を最善の努力で笑顔に変える。
「ねえ。サブリナ嬢。私が着ているのはなんで王子様服なのかな?」
「ジョシュア様が男物で動きやすくて、カッコイイ服とおっしゃられたので。
ちゃんとサラシも用意しましたし。似合ってますわ。ステキです。」
サブリナちゃんはフリスビーを取ってきた
褒めてと言わんばかりの子犬のように
私を見上げる。
かーーーーーーーーーーー。
ぜんぜん私の言いたいこと分かってないし。
私は眉間を押さえた。
「はあー。」
「だめでした?」
サブリナ嬢が悲しそうな顔をする。
「そんなことないよ。サブリナ嬢のおかげで助かったよ。逆に感謝してる。」
私はあわてて、サブリナ嬢に向かってにこりとする。
「そう言って頂けるとうれしいです。」
サブリナ嬢は何故かさっと顔をそめ、うつむいた。
サブリナ嬢はホント表情がコロコロ変わる子だな。
見てるだけで飽きないし、かわいい。
「さて、ジョシュア様。
仕度ができたところで陛下の所に参りましょう。
陛下がお呼びです。」
「イヤだ。あんな悪趣味なドレス選ぶ王様に会いたくない。
私に拒否権は・「もちろんありません。」・・・。」
笑顔で完全否定してくるサブリナ嬢、怖い。
「それではご案内させて頂きます。それと私は召使いでございます。
サブリナとお呼びください。」
「どうしても?」
「はい。ジョシュア様が私を大切にしてくださっていることは
態度だけで十分分かりますから。」
「ああ。分かった。」
サブリナはさっとわたしの前に立って歩き出した。
私もそれに続いて部屋を出た。
さて、読者の皆さん。こんにちは!!
この迷路のような宮殿の中を歩いている間に
ひとつ自己紹介を。
私は時内 結と申します。
華の19歳の女子大生。
趣味は読書。
すきな教科は国語と日本史。
兄弟は高校生の弟がいるだけ。
身長は160㎝。
前を歩くサブリナちゃんと比べると約15㎝は差があると思う。
外見は悪くもなく、良くもなく普通。
前髪はウエーブがかかっている。
いつもは一つに束ねてあげている髪を
今日は下の方に結んでいる。
それに何故かタイムスリップとか
パラレルワールドとかに巻き込まれる体質。
男装しても、水泳を習っていたためしっかりしている肩幅、
剣道の為に鍛え抜かれた筋肉と健康色した肌のためにばれたことはない。
↑これについて多少悲しいと思っているけど、卑下はしない。
だって女だっていうだけで、その地域や国で動ける量が限定されてくるのは確かなこと。
私、そういうのいやなんだ。
それに力は自分を守れるくらいはあるしね。
私正直、今の状況にとまどってます。
でも、わくわくするんだよね。
未知の世界って!!
これからどんなことが起こるかなんて私には分からない。
私は時内結としての誇りとプライドを賭けて大往生してやる!!!
「ジョシュア様。こちらでございます。」
「ありがとう。」
結は貴公子の笑顔をサブリナに向け、
マントをひるがえし、
開け放たれた扉の中に入っていった。
どーも。森実です。
やっと結ちゃんのプロフィールが書けました。
これからも彼女を末永くよろしく。
彼女はかなりボーイッシュでございます。
森実:結ちゃん最後さ、格好良く決めてるけど世界を超えた者は歳をとらないよ。
ちゃんと消えたその日、その場に戻れるんだから。
だから、結ちゃん大往生することはないってこと。
結 :エッ! (;゜⊿゜)ノ そうだっけ?
森実:うん。