01-04 「ぎゃあああ~~!なんじゃこの服はああ」
ピチピチ
外からは鳥のさえずりが聞こえる。
「う~。」
ゴロン
「あんて、きもちーいいの…。」
ゴロン
惰性に身を任せ、寝返りを打つ。
「ん…。
おかしい…。
うちにはこんな広いベットなかったはず?」
ガバッと起きあがった。
自分の周りを見回す。
「へ…」
そこは自分の部屋×5くらいの広さの部屋。
中世ヨーロッパにあるような家具が小綺麗に並べられている。寝ていたベットはダブルベットよりさらに大きく、厚い。天井からは天蓋が垂れ下がっている。
シーツは純白。
着ているのはフリフリだらけのピンクのネグリジェ。
髪はクルクルにされている。
思考が停止する。
「ぎゃああああ~~~!!!なんじゃこの服はああ」
「失礼致します。お客様どうされましたか?」
扉が開けられ、紺色のメイド服を着た少女が入ってきた。
ベットから飛び出すと、彼女に思わず詰め寄る。
「ねえ。ここはどこ?あなたは誰?そして、なぜ私はこんな格好を?」
いきなりイノシシのように近寄って来た私に、翠玉の瞳を少し見開いたが、すぐに作法のお手本のように美しく右手を胸に当て左手をスカートを少し摘みお辞儀をした。
「おはようございます。お客様。
わたくしはサブリナと申します。
お客様の身の周りのお世話をさせて頂くことになりました。
至らない点もあるかと思いますが、日々努力して参りますのでよろしくお願い致します。
お客様のご質問にできる限りお答えしたいのですが、誤解がないようにするため、私から返答することができません。」
そう言って彼女は私の方を少し困った顔で見上げた。
可愛い。
それが私の彼女を見たときの感想だった。
ツインテールのダークブラウンの髪に翠玉の瞳。
透き通るような白い肌にキメの細かい肌と彫りの深い顔立ち。
守ってあげたくなっちゃうほど華奢な肢体に栄養状態のとてもよろしいお胸。
自然な感じで洗練されている仕草。
私の好みにバッチしの彼女。
「サブリナですね。こちらこそよろしくお願いします。」
私は思わず引き寄せ、サブリナの額にキスをした。
サブリナの顔が真っ赤になる。
やっぱり可愛い。
「じゃあ。それは聞いてもいいでしょうか?」
「どう致しましたか?」
サブリナはさっと背筋を伸ばした。
「そのドレス何?」
結はさっきから無視しようにも視界に入ってくるキャリーされてきた色とりどりの物体を指し、引きつりそうな顔を必死に笑顔にして尋ねた。
「これですか?これをジョシュア様に召していただくようにという事です。」
サブリナは笑顔でサラリと言った。
顔が笑顔を保つことなく、思いっきり引きつった。
ドレスですよ。全部フリフリがついてます。
ロココ調の胸元寄せてぱっかーんなドレスです。
王子様スマイルでサブリナの瞳を見つめた。
「サブリナ。その服イヤだな。」
サブリナの顔がまた真っ赤になった。
「えっ…。」
「だから、動きにくいし、かっこ悪いでしょ?
男物のズボンみたいのがいい…。
サブリナは私のワガママ聞いてくれるでしょ?
代えてきてくれるよね?」
爽やかな微笑みでサブリナに威圧を掛けていく。
「それとも、持ってきてくれないの?」
結が寂しそうな顔をする。
サブリナがこちらを見上げる。
「申し訳ございませんがそれはできません。」
サブリナは眉毛を下げて頭を下げた。
ちっだめか…。
**************
サブリナは左手を自分の胸に当て深呼吸をしていた。
「はぁー。〃´△`)ー3。ジョシュア様。
あんな顔されたら、私、断れない。
ホントに女の方なのかしら?と思ってしまうわ。」
サラサラのツインテールを少し傾けた。
サブリナちゃんはおっとり純情少女です。