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『砂漠(とび)に姫(あぶらあげ)をさらわれる 』  作者: 森実
1章 腹黒タヌキのぷれぜんと
2/24

01-02 「へへッ。御者おまえ逃げても良いんだぜ!」

死体出てきます。

ここはとある城下町の城壁の外側。

とある馬車を山賊のような男達が周りを囲んでいる。

ボサボサの髪に武器を持った男たちが卑下た笑いを浮かべながら、次々に口を開く。

「へへッ。御者おまえ逃げても良いんだぜ!」

「どうせ、そこに乗ってるヤツとは今日でお別れだしな!」

「オレたち、優しいだろ。」

「命乞いしたらどうだ。ニャハハッ!」

御者に向かって、罵声を浴びせる。

御者の表情は深くかぶった帽子により分からない。

「おい。怯えて声も出せねーみたいだぜ。」

「さすがバカのお抱えはバカ以下だ!!」



その時だった。


御者は、彼らの目の前に軽々と降りたって、その深くかぶった帽子を外した。

現れたのは抜けるような白い肌と束ねた青みを帯びた長髪。

それに、切れ長な目を持つ中性的な顔の青年だった。




「去れ。」

御者が帽子をあげ、冷笑を浮かべる。

刹那、その神秘的で殺気を含んだ笑みに男達は拘束された。

彼の半径10メートルは一気に気温が下がっただろう。




「聞こえなかったか…?

もう一度言ってやる。失せろ。」

今ので間違えなく彼の周りは氷点下になった。




「…おっおうおう。いってくれんじゃねーの。」

その一言で、イカつい男達の意識は戻ってきて、逆に燃え上がった。

「ああ。その顔で表にあげられなくしてやろうぜ!!!」

「イヒヒヒヒヒッ!!覚悟しろ。」


一気に凶器を手に男達がその御者の青年に向かって飛びかかった。


若者から、老人まで彼の体術によってバッシーン、バッシーンと心地の良いリズムとなって投げとばされていく。



パラ、パラ。


雨が降り出す。






「ヒイイ!!」

御者が声のする方向に目を上げると、気を失っていないゴロツキの一人が全身黒ずくめの仮面男の一人にの胸ぐらをつかみ上げられていた。


「失敗するわけにいかないと前もって言っておいたはずだ。なんだこのざまは。」

すでに片手には剣を抜いて持っている。


「い、いのちだけはっ…。」

仮面男に射すくめられ、ゴロツキがかすれた声で命乞いをする。


ゴトリ…


そこにいたはずの人はもうすでに2つのモノとなって転がっていた。

ニヤリと仮面男は笑うと花嫁のブーケのようにゴロツキの胴体部分を後ろの黒ずくめ衆に向かって投げつけた。




黒ずくめ衆が馬車の方に向かいだす。




無表情な御者の眉間にほんの少しシワが寄る。

裏がいたか…

先ほど降り出した雨は激しさが増し、道もぬかってしまって、そう簡単に馬車の近くに行けそうにない。




その時だった。




突然ピカッ!とあたりが光り、視界が一瞬、閉ざされれ、その場にいた全員の動作を止めた。








ザアアアアア

雨がますます激しくなる。


「ったく、腹黒タヌキ殿のバカ野郎ううううう!!

休日返せえええええ!!」




そこには先ほどはいなかった人、そして、今まで見たこともない格好をした人がいた。



再編中です。


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