04-02 「全てがワンパターンだ。アホ。」
私はふう~とため息をついた。
そして先ほどの晩餐の席を思い出す。
図書館から出て、小言をシリンダに言われながら、着替えさせられ連れて来られたのは、
来賓用と思われる応接室であった。
やはりお約束のように天井からはシャンデリヤ、アンティークソファに洒落たテーブル。
周りには明らかに高そうな様々な芸術工芸品が品良く並べられていた。
庶民の感覚では考えられないくらいの額の桁がかかっている事が私でも分かった。
「それでは、ジョシュア様。失礼させていただきます。くれぐれも粗相がない様にしてくださいませ。」
とシリンダはそそくさと退室してしまった。
「あ・・・。遅かったか。まあいいや。」
周りに気をとられていたため、気づくのが遅れたが、振り返ったら、エメラルドの瞳と目があった。
「あっ。」
「アホ。」
なんとそこには図書館の隠し扉の向こう側で最悪な出会いをしたサラサラ金髪ヘアーの様君がいた。
窓に一番近いソファに座ってまた、分厚い本を開いて読んでいた。
会って早々アホとは何だあ?こらお前喧嘩売ってんのかあ?風で声をかける。
「何でウィルがいるんだよ?」
こちらに一瞥をくれただけで、またクールビューティディズニー王子が読書に戻る。
ピキッ。
また無視しやがった。コンニャロー。ウスラトンカチ。
私はスタスタスタと近づくと、先ほどと同じように近づいていって本を取り上げようと手をのばした。
ヒョイ。
本がよける。
もう一度、手をのばす。
ヒョイ。
そしてもう1回。
ヒョイ。
結は本からその翠玉の瞳に目を移した。
ウィルはニヒルに意地悪く微笑む。
「全てがワンパターンだ。アホ。」
「ぬあに(何)~?」
結の目が三角になる。
バチバチバチ
二人の間に視線の火花が散る。
その時、扉が開いた。
「遅くなってすまん。シリンダに小言いわれておってな。」
ウィルソンが扉の向こう側から顔を出した。
へえ。シリンダ。陛下より強い?
そのとたん、ウィルソンの目が丸くなった。
「ウィリアムとジョシュアは仲が良いのか?」
・・・・・。
「はああ?」
一拍おいて結が顔を歪める。
その横でウィリアムがウィルソンに言う。
「アホを友にするほどオレは落ちぶれていない。」
「キー!!あんたに言われとうないわ!」
結がウィリアムの耳元で叫ぶ。
バッタン
突然扉が開く。
3人の視線がそちらに向く。
<あとがき>
どーも。森実です。
ちょっといつもより、短くアップしてみました。
はい。旅をするにあたって、あと1人登場させます。
この次、中に入ってきます。
解らないことがあったら、質問ください。
拙い文章ですみません。
感想やコメントお待ちしています。
↑↑これによってやる気になります。(o^∇^o)ノ。