04-01 「サブリナ。私ひとりで入る・・。」
「ふう・・。」
結はバラの浮かんだ大理石の浴槽に浸かりながら息をはきだした。
「さっきは大変だった・・・・。」
30分前
あの豪華なディナーから戻ってお風呂に入ろうと思い、
部屋に入った結はサブリナに声を掛けた。
「ねえ。サブリナ。疲れた。お風呂に入りたい・・・。」
そういうと、サブリナは目を輝かせ、待っていましたといわんばかりに
「こちらでございます。」と案内してくれた。
脱衣所の扉を開くとなんと・・・。
侍女と思われる女性が3人ぐらいいた。
そこで、ニコニコして後ろに立っているサブリナに聞く。
「ねえ。あの人たち、何?」
「もちろん。お風呂に入るお手伝いをするものでございます。」
「私の?」
「はい。」
自信いっぱいに返事をする。
(お風呂ぐらい休ませてくれよ・・・。)
結は半べそを掻きそうになる。
「サブリナ。私ひとりで入る・・。」
「だめです!ジョシュア様には疲れを癒していただかないとですもの!」
100%笑顔で言われてしまった。
仕方がない。こうなったら、覗き込むように見上げてうるうるオメメのパチパチ攻撃だ!!
「ジョシュア様!そんな顔をされても私は!わたしは・・・・。」
そして、首を少し傾げる。
「だめ?」
どうだ。まっ、オトコ女がこんなことをしたって、キモイだけだな・・・。
なんかむなしい。
あ~ぁ。サブリナ下向いちゃったし、震えている。
「ジョシュア様。」
「はい?」
なぜか、サブリナが顔を赤くしてこちらを見る。
「/////分かりました。脱衣所のほうにタオルと寝着がありますから。」
そういうと、くるりと他の侍女たちを連れて部屋を出て行った。
「????効果あり?まあいいか。さてと、風呂にでも入りますか。」
堅苦しく、煌びやかな中世貴族コスプレをサッサと脱ぎ捨て髪を団子にまとめると、
浴場の扉を開け水蒸気が立ち込める中入っていった。
「うわあ~。でか~い。すご~い。」
目の前に広がったのは、湯気が立ち込める美しい噴水のような豪華西洋風風呂だった。
大理石でできたそれの中心には船の形を模った彫刻が据えられている。
船の中にお湯が溜まっており、所々からお湯が吹き出て、湯船に流れ落ちる。
今にも沈みそうな破船をリアルに表現しようとしているのだろう。
そして極め付けに、多種多様なバラがお湯の中で浮かんでいる。
「ハァー!!ごーじゃすう。気持ちよさそーだけど・・・。」
あまりのお姫さま風呂に少し引きそうになるが、
この際気持ちよければ目をつぶるの精神で風呂のほうに行った。
ピチャッ
「あちっ。」
冷えた足を勢い良く入れようとしてとても熱く感じ、思わず足を引っ込めた。
今度は慎重にゆっくり体をお湯に沈めた。
「ぷはあ~。かぁ~。極楽ぅ。」
オジサンくさいのは多少我慢してください。だってホント気持ちいいんです!!
しかも、10人は軽く入れるくらい大きい個人風呂。
バラの香りは強すぎず、心地の良い安らぎを与えてくれる。
「癒されるぅ~。ホント。にしてもまさかホンモノだったとは思わなかった・・・。」
どーも。森実です。
ちょっといつもより、短くアップしてみました。
このお風呂のモデルはイタリアのスペイン広場にあるバルカッチャの泉です。
ぜひ検索してみてください。
素敵ですよ。
解らないことがあったら、質問ください。
拙い文章ですみません。
感想やコメントお待ちしています。
↑↑これによってやる気になります。(o^∇^o)ノ。