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03-02 「ゲッ壁!?」

「王宮管理図書館ですか。」


ぶっきらぼうにサブリナがいう。


「うん。それだと思う。」


サブリナはメモ書きをさっと出すとサラサラと書きそれを結に渡した。




「地図はこれです。


 シリンダ様に頼まれた用事を思い出しましたので勝手に行ってください。」


結の背中を押して扉の外に押しやった。


バタン!




結の部屋であるはずのゴージャスな扉が大きな音を立てて閉まった。


「あっサブ・・・。

 冗談はほどほどにしないとか。

 美人を怒らせるとこわいからな。」


結は肩をすくめた。




先ほどサブリナにもらったメモ書きをみた。

銀で可愛く縁取られたピンクの紙からは

ほのかに甘いストロベリーの香りがする。


「サブリナらしいな~。私なら絶対選ばないけど。」


折られた紙を開くと形の整った英字と、

それに対照的にピカソもビックリな地図が並んでいた。

結の目が点になる。


「・・・・サブリナさん。

 ホントですか。絵下手過ぎですけど。

 どうやってみるんですか・・・?

 にしてもこの字のうまさ。きれいだなあ。

 このしっかりしたところと抜けたところのギャップは

 彼女の魅力の一つだね。」






結はしばらくその地図とにらめっこする。

「わかったことは宮廷管理図書館は門の近くできれいな庭の前にあるってこと。

 そして後は文字自体は読めないが何となく意味がわかるってことだけかな。

 まあ。こんなところで止まっていてもなんだから行くかな。」




結はまず右に曲がった。


「まずは人探しだな。知ってる人がいればいいけど・・・。」




曲がって広がったのは先ほどと似た彩色で彩られた廊下であった。

廊下の長さは500メートル以上あるだろう。


その時だった。

はるか向こうの方のこの廊下を2人が突っ切っっていくのが見えた。


「ん。誰か通った!!!よっしゃ!今しかない!」


結は走った。

その内に2人は歩を進める。


(よく見れば・・。あれはあのがんつけ侍従長じゃないの・・・。

 やだなあ・・。小言言われそう。

 しかし今はそれどころじゃない。

 とにかく今は早く図書館に行って調べ物をして夕食までに戻らなくっちゃなんだから。)




(ハァハァ。あとちょい!!)


結が侍従長が行った方向に角を曲がると。


「ゲッ壁!?」


結は思いっきり硬い壁にぶち当たってとばされ、しりもちをついた。




「たたっっっったああい。ったく、何でこんな所に壁が・・・。」


結が目を上げるとそこには明らかに身分の高い格好をした青年が立っていた。




(やばっ。身分高そうだし・・。ここはしっかり謝っておかなきゃ。)


「すいませんでした。」


すぐに居住まいを正し、頭を下げた。


「顔をあげてよ。そんな風に謝られるとこっちも困るな~。」


「はあ。」


結は顔をあげた。


すると、顔の整った紫翠の瞳の青年が苦笑いして立っていた。


「どうしたの?君。何か急いでたみたいだけど?」


「ああああああああああ!!!」




結は弾かれたように立ち上がると青年の横をすり抜けようとしたが、腕を引っ張られる。


「離してください。今、侍従長を見たんです!!」




一瞬その整った顔に影がさした。


「なんでまた・・・。侍従長なんか追いかけてるの?」


「たまたま顔見知りのがんつけじい・・いえ侍従長様を見かけたので、

 王宮管理図書館の場所を教えてもらおうと思いまして!

 迷路みたいでわかんないんですよ。ここ!!」

鼻をフガフガさせながら、結が言った。




整った青年の顔が今度は歪む。


「ククククッ

 なんだそんなことか・・・。

 じゃあ。わたしが君を連れて行ってあげようか。

 図書館まで・・。」


結の顔が一気に輝いた。


「わあホントですか?いいんですか!

 ありがとうございます!助かったなあ~。」








******************************




結と顔の整った青年は中庭を突っ切っていた。

どうやらこの庭はサブリナの描いた庭らしく

ここを突っ切って行くのが一番の近道になるのだそうだ。

サブリナを怒らせ、道案内してもらえなくなった話に

2人は花を咲かす。


「・・・それで探していた途中だったんです。」


「そうだったわけ。大変だったね。」


「そうなんですよ。冗談ちょっと言っただけだったのに。」


「女はこわいから、気をつけた方が良いよ。」


「ホントですよね~。怖いですよね~。

 あッ(゜O゜;そういえば、名前まだでしたね!

 私はジョシュア・ローズヴェルトと申します。

 以後、御見開きを。」


結は手を差し出した。

青年は手をしっかりと握る。


「ああ。ジョシュアね。ジョシュでいいな。

 わたしはアメシストだ。テキトーに呼んでね。よろしく。」


「はい。テキトーにって難しいですよ。」


「そうかな。アメちゃんとかアーちゃんとかアメリンとか?」


「うっ。本気で言ってます?」


結がにこやかに微笑みながら言う。


「ううん。冗談。」


アメシストもそれと同じ表情で返し笑いをした。






「そうこうしている間に着いたよ。

 ここが王宮管理図書館だ。

 案内してあげられたらよっかったんだけど、

 あいにくこれから用事があってさ。残念だな~。」




「そんなことないです。

 ここまで連れてきて頂いただけでも十分ですから。

 本当にありがとうございました。」


ペコリと結は頭を下げた。




「お役に立ててよかったよ。

 じゃあ、わたしは行くから。ゆっくり見てってね。」


アメシストは結にその紫色の瞳でウィンクして去っていった。







どーも。森実です。


今日も結チャンはいきます。




そろそろお姫様を助ける王子様に会うはずです。


でもサブのサブが邪魔して出てこれません。


まだまだ出てきます。サブちゃんズ




く( ̄Д ̄)ノガンバレーーー♪


王子様とわたし!!





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