ミアちゃんとくまのぬいぐるみのボクは、おにいちゃんとがったいロボットおもちゃに、ふくしゅうをちかう
「くまっくまっくま――っ」ミアちゃんが、ボクのかわりに、とってもかなしそうに、こえをだした。ボクをもった、ミアちゃんは、がったいロボXをもった、おにいちゃんに、手をもって、グルグルとまわって、あるかされて、けっこうゆっくりとはいえ、こけさせられたのだ。三かいも。
「あっはっは。くまのぬいぐるみ、よわすぎだろ」
がったいロボXをもった、おにいちゃんは、ゆかいでしょうがないといったかんじで、いう。
ボクは、グッタリとゆかに、かおをしたむきにして、たおれている。
ひっこしたばかりで、ひろい、フローリングのゆかは、ざんこくじゃないかとおもうほど、つめたい。だけど、ボクはぬいぐるみ。
こんな、さむさなんかには、まけないよ。
ボクのもちぬしの、ミアちゃんは、なきそうだ。だけど、なかない。ミアちゃんは、これでも、まけずぎらいなんだ。
「ぜったい、がったいロボットXのおもちゃをもった、おにいちゃんを、くやしいとおもわせてやる」と、いった。
ミアちゃんは、おにいちゃんに。ボクは、がったいロボXに。それぞれ、ふくしゅうをちかったんだ。
おにいちゃんは、にわで、がったいロボXと、あそんでいた。
ミアちゃんは、おにいちゃんのかおに、じめんのすなを、かけた。
おにいちゃんは、とつぜんのことで、びっくりしてなきだした。
ボクは、がったいロボXのうえに、のって、ポカポカとパンチをした。
おにいちゃんのないているこえをきいて、おとうさんとおかあさんがやってきて、ミアちゃんは、おこられた。
おにいちゃんが、「いたい、いたい」というので、おとうさんは、おにいちゃんをびょういんに、つれていった。
ミアちゃんは、とんでもないことをしてしまったことにきづいて、なきだした。ミアちゃんは、おにいちゃんがしんぱいで、たまらなくなったのだ。
ミアちゃんは、ずっとなきつづけて、けっこうしんどくなって、なけなくなったころに、ちょうど、おにいちゃんは、かえってきた。
おにいちゃんは、シロじに、キラキラしたアカやミドリのラインがはいったステッキのかたちをした、チョコレートを、ふくろで、かってもらっていた。どうやら、さいわいなことに、いちおう、だいじょうぶだった、ようだ。
ミアちゃんは、ステッキのチョコレートがほしそうなかんじだったが、ひどいことをしてしまったので、きがひけて、いえなさそうな、かんじだった。
だけど、ミアちゃんは、それとはべつに、「おにいちゃん。いたいことをして、ほんとうに、ごめんなさい」と、あやまった。
ボクも「がったいロボX、ひどいことして、ごめん」なんとか、ゆるして、もらいたかったんだ。
おにいちゃんは、ステッキのチョコレートをひとつ、ミアちゃんにわたして、「いっしょに、たべよう。
オレもこけさせて、ミアちゃん、いやにおもってたのに、ごめんなさい」と、いったよ。
そして、ボクにも、がったいロボXが、くびにステッキのチョコレートをかけたじょうたいで、わたしてくれたよ。
これにこりて、ミアちゃんは、おにいちゃんに、ひどいことをしないように、きをつけるようになった。
おにいちゃんも、ちょっとあぶない、いやな、ことをしないようにして、しんせつにするようになった。
ときどきは、けんかをすることも、あるけどね。まえより、おたがいを、おもいやるようになった。
ミアちゃんと、おにいちゃん。ボクと、がったいロボX。みんな、なかよし、だよ。
子供の頃って、周りの人のエピソードも足すと、こういうことがあった。