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キャラ逃走

8話 キャラ逃走


「マジック・ボイス?」

「はい、鎌倉こゆきさんが劇中で、呪文を多く使うのを見つけました。この台本見てください。かなりヤバいです」


 夜になり占いの仕事を終えたソフィアさんがやって来ると渋谷さんに今日の話を聞いた。


「マジック・ボイス……難しい事を知ってるのね」

「なんですか、頭の中で、鎌倉さんの声を聞いたら出てきた言葉で、正直わたしも驚いてます。あいつの記憶なんですかね? 悪夢喰らいの鬼の……」

「そうか、あなたは勉強したわけじゃないのね」

「はい、この台本。オーナーに一度読んでもらった方が、わたしよりずっと知識もありますし」

「そうねオーナーならナニかわかるかも」


 今日は、早めに稽古を終わりにした。

 ソフィアさんたちは、これからどうするんだろ? 


「ソフィ、よかったら今度呑みに。あ、あんた呑めないんだっけ。じゃなんか食いに行こう。そっちの子も」

「あの子供ではありません。お酒も飲めます」

「渋谷ちゃん、歳思い出したの?」

「あ、いえ。かってに口が……呑みたいようです」


 何なんだあの子。二十すぎてんのか。


 真加部刑事は、まだ、仕事があると署に戻るそうだ。

 監督はさっさと帰ったので。


「森尾さん、よかったら飯食べて行きません? あ、ソフィアさんたちも。帰り、駅まで送ります」


 今日は電車だそうだ。


「おい、待てっ!」


 稽古場の方で声が。


「なにか、あったらしい加藤岡くん」


 下の稽古場に降りると何やらスタッフや役者さんたちが騒いでる。


「どうした?」


「やられました猫姫が逃げたんです」


 猫姫のスーツアクターの野田さんが。

 着ぐるみを着ようと、控室に着ぐるみを持って行こうとしたら突然立ち上がった無人の着ぐるみが、走り出し倉庫の方にと。

 一瞬ボクはあの猫姫が、走って稽古場から逃げる姿が頭に浮かんだ。

 今回のボクの一番お気に入りキャラだ。猫姫。

 ウチで、自家製のフィギュアを作ってる途中だ。ソレが逃げた?


「とうとう主役級のキャラが、やられたわ。明日監督になんて言おう。加藤岡くん」

「ボクに聞かれても……」

 

               つづく

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