表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/478

50話


「カルミアさん!今だ!」


「…分かっているっ!」


カルミアはブルーノーのパーティーが作ってくれた一瞬のチャンスを活かして、敵に向かっていく。これだけじゃ倒し切ることができない…火力が足りないんだ…火力?


「そうだ…サリーさん!カルミアさんの剣にイリュージョン・ストライクを当てるんだ!」


「わかっタ!カルミアちゃん、いっくよォ~!イリュージョン・ストライクゥ!」


「…来て!」


サリーのイリュージョンストライクが一時的にカルミアの片刃剣にエンチャントされ、淡く光る青い刀と化した。…どうやら成功したようだ。カルミアが持つ剣は水の属性となり、剣から魔力が溢れ出てくる。


「…はぁぁぁ!」


カルミアは予備の剣を抜いて、雷撃の力を剣に集める。水の剣と雷の剣の二刀流という訳だ。


宙に舞い体中に雷を纏う。力強い雷は淡い水と合わさり相乗効果を持ってカルミアの雷撃を強化する。その姿は強さよりも美しさを感じるほどの魔力だ。


「はぁぁぁぁ!!」


カルミアは、両手に剣を持ったまま、空宙で体を勢いよく回転させる。回転の勢いが徐々に増して、トップスピードに到達すると同時に、そのままグリックの頭から体に向かって斬りつけ始めた。回転によって無数の深い切り傷をつけていき、尻尾まで到達すると同時にカルミアも地面に着地する。


水雷屯四爻劔すいらいちゅん よんこうのつるぎ…!!」


カルミアがそう呟いたと同時に、グリックのボスは水の魔力で満たされ空宙に浮いた。その後、水に包まれたグリックから強力な雷撃が生まれて水の魔力を満たす。


「これで…トドメぇ!」


カルミアは持っている予備の剣をボスに向けて投擲。剣は水と雷の魔力を突き破り、大きな爆発が発生する。


「はぁ…はぁ…やったの?」


カルミアさん…お決まりはもうお腹いっぱいです…。


煙が晴れると、そこにはグリックが確かに横たわっていた。頭には剣が突き刺さっており、ピクリとも動かないので明らかに死んでいるのが分かる。どうやら…討伐に成功したようだ。カルミアは膝をつき、サリーは魔力切れでぶっ倒れている。ブルーノーたちも度重なる戦闘で傷だらけだ。周りは皆満身創痍だが、俺たちは数名で、大規模討伐対象の大型モンスター討伐に成功したんだ。


カルミアが最後に見せてくれたあの技は、合体技とも言うべきだろうか。当然だがスターフィールドでそういう仕様は存在しない。カルミアとサリーが放った偶然の連続が作った技。狙って出すことは難しいだろうが、一撃必殺と言うに相応しいほど強力な連携技であった。


「やった…倒した…」


ボスの頭を斬り落として、皆で健闘をたたえ合う。皆笑顔で良い表情だ!誰か一人でも欠けたら討伐とはならなかったかもしれない。このチームだから達成できたのだ。


ボス討伐は、頭が証拠となるだろう。こいつから採れる報酬は魔石と牙くらいだったが、これで良かったと思う。ザコもだいぶ間引くことも出来たし、リーダーを失った魔物は散り散りとなるため、いずれドワーフ自警団が各個撃破していくことだろう。これで、ドワーフを犠牲にすることもなく、鉱脈も守り、鍛冶大会も開催できる。完璧な勝利だ。


*敵対勢力を無力化 対象 サトル、カルミア、サリーのレベルアップを確認しました*


そして、もう一つ嬉しい報告が脳内で響いた。レベルアップだ!


*カルミア*


レベル5(上昇値)

ヒットポイント110(+35)

筋力20(+2)

敏捷力28(+3)

耐久力23(+2)

知力9

判断力10

魅力13



*サリー*


レベル5(上昇値)

ヒットポイント75(+20)

筋力10

敏捷力18

耐久力16(+1)

知力28(+3)

判断力15

魅力13


獲得魔法

・メイジ・アーマー

不可視だが実体のある鎧を作り出すことができる。メイジ・アーマーは魔力で出来ているためか、魔法によらない鎧とは異なり、あらゆる判定ペナルティ、魔法の失敗確率、移動速度の低下が発生しないメリットがある。



*サトル*


レベル5(上昇値)

ヒットポイント70(+20)

筋力12(+1)

敏捷力12(+1)

耐久力13(+1)

知力14(+1)

判断力16(+1)

魅力22(+1)


獲得技能

・明日一日だけ好きなタイミングでくしゃみができる。



…俺はルールブックを叩きつけたい気持ちをどうにか押さえつけ、仲間の成長に目を向けた。今回は、カルミアの技能獲得がないが、相変わらずの神成長を遂げていた。そして、サリーは念願の防御系魔法のメイジ・アーマーだ。これはどんなタイミングでも使用できる高性能な魔法で、TRPGの世界では通なら皆取っちゃう系の便利なバフスキルなのだ。


…俺?俺のスキル獲得など無かった。俺は何も見ていない。…っく!涙がしょっぱいぜ


ストックがここまでなので、続きをお待ち下さいmm

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ