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領主編 25話


 色々と想定外な出来事はあったが、当初の予定通り主要メンバーを集めて今後のプロジェクトについて話し合う場を設ける。…といっても、俺が説明を行って同意をもらうだけなのだが


 「それじゃ、これから皆にやってもらいたいことを説明します」


 話し合いに使える建物が現状は俺たちの家しかないので、リビングに集まった。場にはドワーフ組のまとめ役としてブルーノー、エルフ組からはヘルゲとリバー。竜人組からはカプシに来てもらった。サリヴォルは用事が済んだため里に帰る予定だが、顔だけ出してもらっている。サリヴォルたちの訪問であまり話題に触れてあげられなかったガルダインはすこし拗ねている気がする。…後でフォローが必要だな。カルミアと仲良しだから問題ないかもしれないが


 「まずは集まってくれてありがとうございます。集めた理由についてはメンツから察しがつくかもしれないのですが…皆さんにはとあるプロジェクトに挑戦して欲しいのです」


 ブルーノーはすかさず目を光らせた


 「この前少し話題にあがっていた件か?確か…悪体験のナントカという。ここに集まっているのは生産が得意なメンツばかりだ。…さてはサトル、何かを作らせる気だな?」


 よく覚えているな…


 「その通りです。訪問の際に、十二分にご理解いただけたかと思いますが、この地の魔物は強く特別な資源はありません。そんな開拓地に将来性や希望を見出した商人や才能ある若者は如何ほどやってくるでしょうか。事情がない限り、わざわざ危険な思いをしてまでこの地に向かおうなんて思わないですよね。悲しいですが今はこれが現状です。人から生み出される『悪体験』です。危険・見返りなし・そして将来性が客観的に見えない土地。一度訪問してくれた人は、もう来ないかもしれない。このような材料を抱えたまま、悠長に過ごしていても何も変わりません。いや、変わらないならまだ良いのです。王からの支援にも期限があります。このままでは開拓地は良くて村止まり…最悪は魔物と戦うための前哨基地と成り果てるでしょう」


 それぞれが俺の話に耳を傾けてくれている。…聞いてくれて良かったと安心する


 ブルーノーは今の話に加えて、以前俺が彼に話した内容を補足として皆に伝えてくれた


 「そこで、皆にはこの地でとある芝居をうってもらいます」


 ガルダインが鼻を鳴らす


 「…フン。売り物じゃなくて芝居を売るのか」


 「もちろん、売り物は売りますが。この町だけでしか買えないものを作ってもらいます。そのうえで芝居をして頂きます」


 エルフのヘルゲは、鋭い意見を出した


 「でもッスよ~サトルパイセン。それじゃあ他の町と似たりよったりというカ、何だかそれ……パンチなくネ?ここまで来たい理由になるにはなんか足んねぇっつうカ……」


 言葉は適当極まるが、彼の言う事はその通りだ。良い職人を集めて物を売るだけなど、先人がいくらでも試行しているし、失敗している。ありきたりな施策だ。


 「ヘルゲさんの言うことは実際その通りでしょう。物を売るだけなら、わざわざ危険を犯す必要は無いし、ここまで足を運びたいという理由には弱いし魔物の驚異という『悪体験』は無くならない」


 「じゃ、どうするんすカ?」


 「こうするんだ」


 俺は徹夜して作ったミニチュアを並べた



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