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領主編 14話


 ―シールドウェスト自宅―


 念には念を入れ、皆が寝静まった時間にクラスアップを行うことにした。リビングに集まったサリーとイミスは眠そうだ


 「ねェ~サトル~…ねむィ~」


 「ウチはゴーレムいじってたからへーきだけど…サトル君。こんな時間に呼び出してどうしたの?」


 咳払いをして場を仕切り直す


 「ゴホン…こんな夜更けに集まってもらったのは他でもない、サリーさんとイミスさんのクラスアップをするためだ」


 …サリーは立ったまま寝始めたが、まぁいいや


 「くらすあっぷ…?サトル君、それって…」


 「あぁ、イミスさんはもう察したかもしれないが、改めて説明をさせてもらう。君たち二人には、出会って間もない頃にクラスチェンジという俺の能力で、二人の潜在能力を引き出してパワーアップさせてもらった。そのときの状況を覚えているかい?」


 サリーはカカ!と目を開いて急に喋りだす


 「ッハ!?サトル、もしかしテ…」


 「あぁ…」


 「zzz…」


 いや寝るんかい…!まぁサリーだし、いいや。


 イミスはよく覚えているようで、思い出しながら状況を整理してくれた


 「たしか、ウチがおばあちゃんの形見を取りに行きたいって話で、サトル君が付き合ってくれたんだよね。形見の前にはガーディアンゴーレムがいて、ウチが立ち向かったんだ。負けそうになったとき、サトル君が力を貸してくれた。その結果ウチは勝てたんだっけ」


 概ねその通りだが…


 「イミスさんが勝ったのは、君自身が頑張ったからだよ。俺はその力を引き出したにすぎない」


 「…サトル君がそう言うなら、そういうことにしておくね♪」


 なんだかイミスは嬉しそうだ。


 「話を戻すね。そのパワーアップにはもう一段階あるみたいで、今回俺のレベルアップでそれができるようになった。つまり、君たちをもっと強くすることができるんだ。ちなみにカルミアさんは、成り行きでもうクラスアップを済ませていて、新たなクラスに進化できたみたいだよ」


 俺の言葉でイミスは真剣な表情に変わった。サリーはいびきをかいた。


 …クラスアップは、クラスチェンジと違いすべてのクラスから自由にというよりは、最初に選んだクラスを昇華させ、よりその特性を尖らせるイメージに近い。能力も引き上がる分、今までよりも力の使い方が難しくなるだろう


 「念のための確認だけど、俺としては本人の意思を尊重したい。クラスアップしたからと言って、確実に強くなれる保証はどこにもないんだ。結局のところ、道具や力は使い手次第で神器にも欠陥品にもなる。だからクラスアップするかどうかの選択肢を君たちに委ねたい」


 …カルミアのときは命がかかっていたし、選択肢があってないようなものだったしな。せめて通常時はこういう手順を踏みたいものだ


 イミスは息を呑む。やがて口を開いた


 「強く…今までよりも……でも、それは自分次第…」


 「あぁ…あくまでも今の能力を引き上げるだけだ。すべてにおいて万能になれるわけじゃない。万能に見せられるかどうかは力量次第だと思うけど」


 大きすぎる力は過信を生み、結果的にはよくない方向に行くことだってあるはずだ。その力を受け入れるかどうか…


 イミスは死地に赴く冒険者のように表情を引き締めなおし、語気を強める


 「サトル君、ウチは覚悟できているよ」


 「……分かった。サリーはどうだ?」


 サリーは口からよだれとうわ言を垂れ流していた


 「ぐかあァ~~…zzz……ゴブリン…置物…ヘヘ」


 「よし…サリーも覚悟はできているようだね」


 俺はルールブックを手に持って、宣言した


 「二人共、クラスアップだ!」


 「うん!」「…ゴブリン…ホワ!?」


 本の光が俺たち三名を包み込み、全ての時間が停止する


 ・・


 灰の世界


 サリーは光に仰天した姿、イミスは決意に満ちた表情のまま停止している


 …こうして見ると二人は本当に対照的だ。それなのに、何故か仲が良いんだよな~


 さて…


*対象 サリーとイミスのクラスアップを開始します*


 まずはイミス…


 願わくば、彼女の志をどこまでも支えてあげたい


 そんな気持ちを込めて……


*イミスのクラスアップを開始 …『パラゴンゴーレムナイト』は『パーフェクトゴーレムロード』へとクラスアップします*


*今回に限り ステータスが大幅向上します 特典として アイテム『クリエイトボックス』を獲得*


 …よし、成功だ。


 思わず笑顔がこぼれ落ちる。どこまでいっても彼女はゴーレムが好きで、きっとその想いが形につながっていったのだろう。彼女はきっとこの結果に満足することなく突き抜けていくはずだ


 ステータスの確認は最後にしよう



 よし、次は…サリーだ


 これから先も、その笑顔でみんなを明るく照らしてほしい。そんな願いを込めて…


*サリーのクラスアップを開始 …感情の読み取りに失敗 …感情の読み取りに失敗 クラスアップの方向性不明*


 …おいおい、大丈夫かよ。仕組みは知らんがサリーの頭の中を読み込むことはやめたほうがいいぞ!脳内さん!


*………成功しました…『変性魔術士』は『アークメイジ・ディネイチャレーション』にクラスアップします*


 …っほ……どうやらうまくいったようだ。初めて脳内の声が戸惑ったような気がする。サリーさんや、あなたの脳内は一体どうなっているのかい


*今回に限り ステータスが大幅向上します 特典として アイテム『アークメイジの小型錬金器具』…『ゴブリンの置物』を獲得*


 …ん?なにか余計な物まで獲得しているような……まぁいいか


 強力な武器かもしれないしな……たぶん


 俺は黄金のペンで二人のキャラクターシートへクラス名を書き加えた


 …これからもよろしくね


 「さぁ、君たちの可能性を魅せてくれ!!」


 一層強い光は灰の世界を粉々に砕き、新たな景色を作り出す。



*クラスアップ情報*


サリー

レベル:10

クラス:アークメイジ・ディネイチャレーション

ヒットポイント:355(+200)

筋力:22(+10)

敏捷力:23(+5)

耐久力:23(+5)

知力:82(+41)

判断力:15

魅力:13


・獲得技能

[グレーター・リエゾン・シェイプシフト]

自身か味方に限り、強大な生物へと体の一部を変化させる


・獲得アイテム

アークメイジの小型錬金器具



イミス

レベル:10

クラス:パーフェクトゴーレムロード

ヒットポイント:815(+550)

筋力:30(+12)

敏捷力:21(+12)

耐久力:84(+48)

知力:15

判断力:8

魅力:13


・獲得技能

[シンシクティ・パーフェクト・フォームチェンジ]

ゴーレム融合形態と分離形態をイミスの意思のみで自在に使い分けることができる。また、分離形態時はイミスの守護下に入り、ダメージは全てイミスへ流転する。融合形態時のダメージは半減されたうえで全てイミスへ流転する。


・獲得アイテム

クリエイトボックス


※イミスはレベル7→10になっていますので上昇値がその分、他の女性陣よりも高いです

総合的な上昇値はカルミアを除いてほぼ同じになるようにしています


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